樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

木炭ガス自動車

2008-06-29 | ひとり言
前回の正男さまからのコメントに…

>以前、木炭ガス自動車を、少し研究した事が有るけど、

多賀町の高取山で おうみバイオマス利用研究会が
木炭自動車やペレットの利用などを研究されています。

おうみバイオマス利用研究会

以前は、車も薪か炭で走っていた時期があったという事で
国道8号から1号線あたりも 今のガソリンスタンドのように
薪を売っていたと聞きました。

薪で走るバス

ガソリンがあがっても 採算が取れるかは不明ですが
せめて 個人の私有地である工場のリフトなんかに木質資源が使えれば いいのになぁと思っています。

野菜の地産地消の輸送コストは 
最近やっと TVなどでも紹介されるようになった
フードマイルズ という指数があります。

木材は ウッドマイルズで表します。
以前建築させて頂いた 地元の木を使った家は
柱と梁だけの計算ですが 
それまで わが社で使っていた輸入材と比べて
約2300Lのガソリンを節約した計算になりました。

だからといって 安くできるわけではないのです。
そもそも かかる日本人の人件費や経費に対して
安すぎるからです。

みんなのお給料や物価があがっていた時期に
木材価格は さがっているのです。
卵よりも 優等生(この表現はよくないですが)なのに。

ウッドマイルズはこちらを…

ガソリンがあがるという事は、経済が混乱します。
いや もう混乱していますが…

その時期が来たから すぐに山から木が出して
使えるかといえば もうあきらめてしまっている
林業や製材業は すでに
人手も資金もなくなっているので 難しいのです。

コストを考えても、間伐材を山から出すのは
とても 大変な作業です。

樹と樹の間に 木を倒し その間の斜面の山から
1本づつ運び出すというは 効率をアップすることが
なかなか難しいことなのです。

人件費や機械、もちろん 山に行くにもガソリンが
今は必要です。

消費者に安いエネルギー源としての木材を供給するには
それだけに利用する木材の搬出ではコストが合いません。

住宅などの建築材に使える部分以外の部分での利用を
考えないと、採算があいません。

それさえも、国産材の価格が安いので 今は難しいのが
現状です。

増えてきたとはいえ、国産材を使う住宅もまだまだ少なく
更に、林業がなくても生きていけていた滋賀県などは
体制が作れていないので 九州・四国の木を使う事が多く
身近な森林が守れないのが 現状です。 

エンドユーザーの価格を抑えると 今度は 山に還す
資金の捻出ができません。

伐った山に植林ができないことになります。

まず、建築業が 国産材のしかも 地元の森林の木を
使うことをはじめないと この国の森林は守れないの
ですが 住宅の価格に影響するので進まないのが
現状です。

消費者である生活者と共に 考えなくてはいけない
問題になってきています。

でも まだ 日本はラッキーです。
余る程 森林資源があるからです。

これから どうするか ですよね。

窒素と 森林

2008-06-26 | 壊れかけてる森林
ちょっと ショックで なるほどとわかった事があります。

窒素は、とても増えていて 森林にもたくさん降ります。

以前の自然界には ない量です。

農産物を大きくするには いいのでしょうが

森林の土の中には 本来窒素は とても 少なくて
樹は 栄養をいっぱいとろうとして 
根をいっぱい育たせ 広く 深く 多く 細かく
土中に広げようとするそうです。

ところが 安易に空からいっぱい降ってくるので
その必要があまりなくなってきているようです。


で 何が 起こるか。

すぐに 抜けちゃう 倒れちゃうという事がおこる
可能性があるやもしれません。

ヒョロヒョロの上に 根も張らない。

そう これも 山の手入れ不足だけじゃないよねぇ。

環境は 症状が現れたころには 手遅れだと…。

うーん。

マメ科の植物が窒素を 土壌に・・・と何かに書いてあったけど
絶対 そんな植物はないような 荒れたところでも 
なんとか 育ってこれたのは 窒素がふってきたからかな。

材木屋としては それでヨシとしても

いや ぜんぜん よしとはしてないんだけど ハハハッ

土砂災害なんか 起こりやすくなるんだろうなぁ。

どっちにしても 色々なものとくっついてる
化合物になるんだろうから 水はけ水もちのいい
団粒構造の 粘土?をつくっていてくれる
微生物や ミミズちゃん 菌類 小動物には
よくないんだろうなぁ。



田んぼにレンゲをつくるのは 窒素の補充だったのかなぁ。

と まだまだ 疑問は続くけど 

とても あれやこれやで 目いっぱいで しらべられない。

ふぅー

福田ビジョン2

2008-06-16 | 持続可能な社会
市民のための環境学ガイド
首相の温暖化対策「福田ビジョン」 06.15.2008

ということで 引用元へのリンクや 簡素にまとめていただいた内容
朝日、日経、読売の社説の内容の検討等がUPされているのに気がつきました。

ご興味のある方は どうぞ。


ところで 最近 またまた気になるのが 窒素 です。

以前 紹介した 養老孟司 本当の環境問題
にも 窒素は二酸化炭素よりも問題になるかも みたいに書いてあった。

そしたら

日刊 温暖化新聞
http://daily-ondanka.com/

海中窒素の1/3は人間由来

という記事が…。

窒素の循環。
これって びわ湖を守る私たちは 結構真剣に考えないといけない。

昨日、びわ湖沿いを走っていたら アチコチで焼畑?をしていた。
以前は 野焼きはだめーと言われていたので 見なかったが
有機農法 環境こだわり米 が 推奨されてきたからだろう。

植物がすった分の窒素が循環していれば 問題ないのかな?

じゃ 炭だな。と 単純に思ったのだけど

そもそも 肥料に使う 窒素ってどうやって作るのだろう…。
おぼろげながらは わかるのだけど まだしっくり
のみ込めていない無知な私でした。また しらべよーっと。

当事者からの メッセージ

2008-06-16 | 壊れかけてる森林
時を同じくして 
山からのメッセージが届きました。

生の嘆きです。

kikidasより

彼らの水源の森の意識は、どこよりも強い。
何せ、明治から100年以上 川下で水を利用する
人たちとの協同出資で運営されている。

そこの組合長は、毎年 春になると 残雪の量が
気になり 山に行かれる。

もちろん 水を心配してのことだ。

今は、当たり前に水があるが 昔は 水をめぐっての
殺傷事件が多発していた。

日本ダム協会より
昭和7年(1932)夏の旱魃時には,一ノ井の井堰から取水する村々と一ノ井の漏水に頼る二ノ井から取水する村々との間に大規模な紛争が勃発。「農民四百余名竹槍かざしてにらみ合う」と新聞に。


それを解決する為の農業用ダムとして、また 昭和恐慌の対策としての
公共工事の走りでもある犬上ダムが出来たそうだが
その水源を守っているのが 彼らである。

流木などは、ほとんどないそうである。

ちゃんと 手入れされていたのだろう。

彼らだけに、つけを払わせるのは 酷である。

ほんと、二酸化炭素の排出量に比例して
森林を治す資金を 山に還してあげて欲しいと
心から願う。

山で 何がおこっているのか

2008-06-15 | 壊れかけてる森林
長いので 気力のない方は スルーしてねっ。

この間から 心配でたまらない。

今年は、特に山の色が悪い。

R306を三重県に向かい大君ケ畑まで行ってみた。

蒔き割りをしているおじさんに
「この時期は、いつも あんな色をしているの」と聞く。

いや 3、4年前から おかしい。

おじさんは、造林公社などの仕事もしてきたそうだ。

不適外地に植えたせいかなぁと 思っていたそうだ。
だから どこにも 何も 言わない。

自分たちが悪いのかなぁと 思っている。

また 評判を落すようなことは言わないのだと気がついた。

先日、間伐材を山に放置しておくことで キバチの被害が出ると知った。

しかも この時期は特にまずいらしい。

でも 放置すると決めた間伐は 腐りやすいように この時期にやると言っていたような気がする。ひゃー。

でも 今までの色々を総合すると 樹の免疫力 つまり 樹液の活性が鈍っていて キバチに限らず 害虫や産みつけられた卵を防除する機能も落ちているのではないかと思う。

ちゃんと 伐り旬に伐採しても 丸太のままにしておくと やたらに虫に食われる。大工さんは、樹皮付きのまま 天然乾燥した方がいいと言っていたが 今の樹は とても そんな事は出来ない。

事情が 昔と変わってしまったのか。

ナラ枯れと 杉・ヒノキが具合が悪くなりかけているのは ほぼ同時期だと言ってよい。ケヤキも やられてまっせ。

天然林( 広葉樹)との境あたりや 稜線付近から 色が茶色になっている気がする。

家からみえる山を 母に 見てもらった。

「 どう 思う? 」

「 ありゃ あのあたりって うちの山かも…」

ぐぇ。

鹿にもやられている可能性はある。

いやー しかし 実は 近づくと善し悪しが見えにくくなるのよねぇ。

山林で 儲けようとは思っていないけど 集団で一斉に悪くなると たぶん災害とかに影響が出ると まずいよね。

根は、20年位は 腐らないと聞いたけど ゆるゆる ひょろひょろで台風とかで倒れる可能性は 大 ですよね。

どうしたら よかんべかなぁ。

森の健康診断の結果を グーグルアースのGISに UPしたという事で見てみました。

なんとか しなきゃならない流域の山は あまりに 広い…。

おっちゃんには、いくつかの可能性の話をしてきた。

おっちゃんたちのせいだけじゃないよ。きっと。

だから 身近な人から 関係各所に おかしいと思うことは 伝えてねと言ってきた。私 ひとりが騒いでも なんともならない。

帰り際に「 ありがとうな 」と 言われた。

いや こちらこそ ありがとうだし セツナクなってしまった。

せっかく 長い間 手間をかけ 世話をしてもらっているのに
病害虫にやられたら 材価が ググッと下がってしまうのだ。

すると ますます 搬出されずに…という事態になってしまう。

ほんと「ほっとけない! 」「どぎゃんかせんといかん」なんだけど
弱体化している林業・木材関係者だけでは ほんと ムリだし
建築業界も 今は ヒィヒィ言ってるので余裕などないしね。

ほんと 森林税って どこに使ってるんだよ! と 吠えたくなってしまう。

あー すっきりした。ちょっと 元気が出てきました。

ほんと 海外に植林してる場合じゃないですぜ。


福田ビジョン

2008-06-11 | 持続可能な社会
枝廣淳子さんのMLに 6月9日、日本記者クラブでの
福田総理の『低炭素社会・日本をめざして』という お題のスピーチが掲載されていました。

私は、深読みが出来ないので
細かい部分では色々問題もあるかもしれませんが
総理から このようなビジョンが示されたのは うれしいです。

イギリスでのカーボン・フットプリントやフードマイレージについて触れ
日本でも 来年度から導入実験を開始するよう指示しているとの事。

ぜひ ウッドマイレージもいれて下さいね。


ほんと 近くの木を使うと 二酸化炭素は削減できるし
自分たちの近くの森林を守れるし
雇用も生まれる。

川単位でバイオマス、水力発電できる施設があれば なおいい。

私達の価値観を変えなければならないので、不満も出るだろうが
バックキャスティングで未来を示してある。

第一歩としては悪くない。

政権交代も必要かもしれないけれど
このビジョンは 大切にして欲しいと思う。

携帯からなのでリンク先がわかりませんが ぜひ 読んで見てください。

ウッドマイルズと炭素固定

2008-06-06 | 環境コミュニケーション


会社方にリンクしてあります。
もう少し 大きくご覧いただけます。

つまんない表ですが
赤いグラフが 地元の木を伐採した分です。
ピンクが県 オレンジが国産材。
たぶん 床材とかだから 四国かなぁ。


かなり 近くの木の需要が増えました。

ウッドマイルズが 何になるのだと言われたりしますが
輸送にかかる環境負荷を減らすと ほんと
どれだけ CO2が減らせることか…。

省エネだけが 建築の環境貢献ではないというのが
よくわかります。

輸入材の使用を ほとんど減らしました。
チリ産とかを使わざるを得ない部門をやめたからなのですが。

すべての家に 地元の木が使える体制は まだ取れていません。

値は、ほんとにアバウトです。

でも 木造住宅の炭素固定って 結構ありますねぇ。

会社で排出した 二酸化炭素が 約45t/co2
( EA21をはじめる前と比べて 48%の削減です)

お客様の家ではありますが ザクッと ウッドマイルズと
炭素固定をあわせて見ました。 300t/CO2

255t/CO2 が 削減できたことには ならないのかなぁ。

1t 2000円でも 50万円かぁ。
お客さまと 山の人に配分すると 1件あたりは しれてるなぁ。


日本の森林を思い 環境に良いことをしてくれた方には
何かの形で お返ししたいですよねぇ。

住むだけで 1年間に ブナのの木 60本ってCMあったけど
( なんだったかなぁ。外張り断熱だったかなぁー)
その計算でいくと 木で建てるだけで 
5300本のブナの木のCO2の吸収分って ことになった
お宅がある…。
太陽光発電の削減量で 比較すると約28年分。

太陽光発電もされているお施主さまがいらっしゃるので
結構なものにはなる。

更に ウッドマイルズを計算に入れると…。

太陽光発電や 断熱の優遇だけじゃねぇ。

あー これで すっきり。

つっこまないで下さいねぇ。

ざくっと ですから。私も 資料みながらだし…。

当分 更新は しないかもぉ。

キキダス 森の健康診断

2008-06-06 | 森林と樹と人
夏休みの主題を一気にやってる気分だわぁ。

実は、このブログの本来の目的だった
会社で発行している「風の通心」が ずーっと作れてなくて
気合を入れて これから作らなくてはいけないの。

そう 本来の仕事にしばらく没頭しなければならない…。

と いうわけで

すんごい 雨降でしたが 森の健康診断は とーっても楽しかったです。

kikidasのブログにも 書きましたが…

で matuさんにお願いして 首からぶら下げるコンパクトな
「森の健康診断」のマニュアルを作ってもらったのです。


おもしろいの。感覚で ものをつくってくれるから
とても 楽しい。

マニュアル ではなく 名前が 「モリノート」に
なっちまいました


開けると


使っているときは


スペシャルな 使いかっても内臓されていんですよぉ。





なんか 楽しく 森を治そう 救おうよって感じが
出てるでしょ。





いやー 森の中は 気持ちいいー。


キキダス kikidas

2008-06-06 | 環境コミュニケーション
実は 途中までブログを書いて 保留してあったものを ここで放出します。

と いうか 手を抜きます。

一気に 色々動き出して てんてこ舞いで収拾がつかなくなりかけています。

以下が 最近 私が動いていることです。

以前のブログにも書きましたが

●kikidas 湖東地域材循環システム協議会


●自分たちの近くで木で できた紙を 地域のみんなで使う
 (森の町内会バージョン)

●近江の森の健康診断

これは 矢作川の森の健康診断に 無謀にも 里山や広葉樹林も入れてしまおうとしています。


でも これがないと 生態系とか未来のエネルギーとか カーボンオフセットとか グリーン電力とか 森林を壊さないで共存していくための指針が 私たちのびわ湖の森では 作れないのよねぇ。

広いけど ほとんどの山が「里山」だったからねぇ。

どれ位 使っていいのか わからないと 使えないものね。


貴重な資源を使うためにまずは、 「木々出す(ききだす)」

地域材が使われれば森は、「危機脱す(ききだす)」 

地域の森の話をもっともっと、 「聞き出す(ききだす)」


ボチッボチッとで いいから 「効きだす」といいなぁと
思っております。


森の逆襲 2

2008-06-06 | 森林と樹と人
消費者のニーズだとぉ。

山も守れだとぉ。

手入れができてないだとぉ。

植えすぎた だとぉー

と 山の人は 怒ったりしない。
自分たちも 悪かったと思っているし
そう 思わされているからだ。

でもね もう 山の人を責めるのはやめにして欲しい。

恩恵を受けてきたのは、日本の川下の消費者だ。

これ以上 コストダウンとか 安定供給だとか
努力が足りないとか 言ってはいけない。


後 数年したら 
植えすぎて生態系を壊したとか
そのせいで花粉症になった とか 言っている
悪行にされていた 戦後の大造林が もう少し長い目や
更に悪くなっている地球の環境を思えば
感謝する日もくるのではないかと 思っている。

日本の森林の半分は、個人の山だ。

すでに 山がなくったって生きていける人が大半である。

うちの山がどうなろうと かってでしょと言われればそれまでだ。


上から ものをいう事だけは ほんと やめようね。

どうしても言いたい人は、真っ当に 日本の樹を使って
植林なり 手入れなりできる対価を払ってからに
しましょうね。


と 言っても そんな 具合にいかないのが
今の世の中である。

しかし 山の人にだけ しわを寄せるわけにはいかない。

と いう事で あーしたい こうしたい こうなればなぁと思っていたことが
ここにきて パタパタっと 動き出してきたの。