樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている

2007-05-18 | 持続可能な社会
仕事で EA21(エコアクション21)という
中小企業版環境ISO の担当になってから
色々な情報を見たり、聞いたり
こちらからも 発信したりしてきた。

こんな危機が迫っているとか、二酸化炭素を
削減しなければならないのに増え続けているとか
マイナスな情報と スローガンばかりで
ちょっと嫌気がさしていたのに 自分も
そうしていた事に気がついた。

そんな中で 二つ 希望が持てるものに出会った。

滋賀をモデルに持続可能な社会像を描く
-2030 年、自然と共生する滋賀の将来像-


( 『BIO-City』No.33 に詳しく載っています)

これは、2030年に滋賀県の二酸化炭素排出量を半分に
する事も可能である という内容だ。
例えば、薪の利用を2030年に復活させるなら
今から、植えすぎた杉を間伐・主伐取り混ぜて
伐採して広葉樹をその頃に丁度薪向きの大きさに
なるように植林して行くという事を考えなければならない。

グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている


内容(「MARC」データベースより)
世界にはこんなにも「グッド・ニュース」があふれている! 環境問題を嘆いていても始まらない。悪いニュースばかりに耳を傾けるのはもうよそう。自然環境のしくみを守り、復元できるような解決策を世界中から集めて報告する。

とても 読み応えのある本で まだ半分しか読めていないけど
前書きとあとがき お好みの章を少し読んだだけでも感動して
明日への希望が湧いてくる。

これから何を基準に考え、何をしていけばいいのか・・・。
少し 見えてきた気がする。

地域の伝承 出来れば 明治維新以前にどうしていたか。
時すでに遅しの感もないわけではないけれど
まずは、お年寄りの話に耳を傾けようと思ったのでありました。

「森林伐採は、いけない」だけでは、足りないぜ!

2007-05-17 | 壊れかけてる森林
5月13日 新宿御苑 まるごとロハス。
ロハスデザイン大賞2007に行ってきた。

http://www.lohasclub.jp/lda2007/sinjuku.php

大賞ノミネート作品一つ一つに、かわいいお揃いの服を着たスタッフが
持ったり、使ったり、近くにいたりして 説明をしてくれる。
とても 感じのよい対応だったし 趣向もおもしろかった。

あーーーー でも ちょっと 悲しい。
竹の製品の説明の時に
「森林伐採は、ダメじゃないですか」と 説明された・・・。
その子に、怒ってもしかたがいが、つい
「あのねー、誤解を招く言い方はしないように」と
むきになってしまった。大人気ない。。。

ほんと せめて環境関係のイベントならば 
日本の森林は、伐採して 使って 再植林して行かなければ
自分たちの環境が守れない事もくんで、スピーチのマニュアルを作って欲しい。

海外で植林している場合ではない。

海外の森林の違法伐採に、直接間接 安い材料を日本の皆さんに
提供する為に 手を貸し

そして、日本の木を使わずに 日本の山が荒れている。

更に 忘れてはならないのが いくら自然に優しい素材を
使っていても 輸入するという事は 輸送でそんな環境貢献も
ぶっ飛ぶ位 化石資源を使っているという事なのよね。

でも 誰も悪くない。みんな よかれと思ってやっているの。
何が 良いかの基準が違うだけで・・・。

その基準が「目先の安さや効率、メンテナンスのしやすさ」だけでなく
持続可能な、ずっと先の子孫にも良い環境を残せるものなのか
という事を加えると きっと もう少し 気持ちよく暮らせる
んだろうなー。

しかし 東京と 日本の森林は ほんとに遠いなーと実感しました。 

「間伐」 だけで いいの?

2007-05-17 | 壊れかけてる森林


このグラフは、わが町の樹齢別の生えている面積グラフだ。
おおよそ、日本のどこの山もこのようなもので
確かに、戦後植林された45年~55年が突出して多い。

うっかりものなので、つい日本の森林統計などのグラフを
見ていた時は 「小さな樹は 少ない」イメージが
あったので サラッと流していたが
イザ 自分でグラフを作ってみて やっと気がついた。

このグラフは、森林の過密度や大きさは関係ない。
しつこいようだが 面積のグラフである。

間伐は、樹が成長して過密になった樹と樹の隙間を
拡げる為に 間にある樹を伐るのでいくら間伐しても 
このグラフは変わらない。

もちろん、間伐した所に 植林はしない。

(間伐については こちらに)
http://eco.goo.ne.jp/education/kanbatsu/

日本に植林だけをする土地は、ほとんどない。
生えている樹を伐って 再植林するのである。
ところが、売れないのでほとんど伐採されず
したがって 植林もされていない訳である。

樹は、余っているから 植林は後回し?
間伐しないと、環境の悪化になりますよ と言われ
確かに 色々と納得の行く間伐推進の資料はたくさん見た。
間伐する事が良い事で、伐採はだめだと洗脳されていたのでは
ないかとさえ思える。

だけど このバランスの悪さも なんとかしないと
「戦後、大量に植林され・・・花粉が・・・」と言われたように
「その後、無計画に植林をしなかったので・・・」と
いうように 必ず自然環境に影響を与えるのではないかと
思える。

ぜったい 子孫に恨まれる。

間伐もままならないのに、植林まで手が出ないのも
わかるけれど 樹齢というのは 人やお金でなんとか
なるものではない。

しばらくは 森林環境に負荷がない程度に樹齢のバランスを
取り戻す為 少し多めに伐採して植林し その後は
毎年、森林の成長した分だけ伐採して 再植林するという
二段構えの取組みをしないと・・・と 素人の私でも思うのですが。

そんな訳で、「樹業」として出来る事は何なのかと
少しずつ 勉強を始めたのでありました。

すると 伐った樹を使う為の政策を考える役所の部門が
どうも「忘れられている」事に気がついたのでした。