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樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

当たり前の新月伐採

2009-12-09 | 新月の木
先日 お施主さんに大黒柱を伐採して頂くというイベントをしました。

オーストリアの話として紹介された新月伐採。その頃、日本にも、そんな伝承はないのかと 探していたら
ナント 滋賀県教育委員会の カタリベというサイトに永源寺の木地師の里のおじさんの 新月伐採の話しが載っていた。既に亡くなっておられてガックリしたものだ。

日本でやっと見つけた伝承が残っていたのが、今回大黒柱の伐採を行った隣山の永源寺だったワケだ。

なんとか、下弦から新月の間に日程が調節できた。11月の新月伐採というスペシャルな日

でもねぇ

その永源寺の山主さんと昨日新月伐採の話していたら

そんな事も知らんかったんけー
何もしらんやっちゃなぁ~

と 言われてしまった。
う~ん。
日本においては、かなりマニアックだし、それを知っていただけでも 誉めて欲しい位なのに。ハッハッハ


伐り時を 人間の都合に合わすのではなく
月や地球 季節、樹、虫、水などの自然の営みに人が合わせる。

本来あるべき人間の姿なんだと思う。

近くの山にたくさん宝物が眠っている事に感謝したい。

ほんと、たくさんあるので また紹介したいと思います。


森林に関しては 補助金や年度の施業計画とか 公的な機関の方に少し融通をつけて頂きたいと願う。

間伐すりゃいいだけではない。

枝打ちにも 旬がある。虫が入らない時期にしないと、高く売れない木を補助金を使って作っているようなものだ。

生物多様性は ある種の絶滅危惧種を救う事ではないもんね。

一年 山で葉枯らし

2007-11-30 | 新月の木
一日で紅葉の色が変化しています。

杉の植えすぎで広葉樹が少ないと言われていますが
実は 意外にあるんですよぉ。

この季節は、山を見てもナラ枯れかどうかが
わからないので 実は うれしかったりするんです。
くさいものに蓋をしてる感じではあるのですけどね。

ちょうど 一年近く前に伐採して 
山で葉枯らしした木が
貯木場に運ばれています。

これは、新月伐採した木だと思われます。

見た目は汚いけど 思ったよりも虫くいなどが
大丈夫そうに思える木もあれば
枝打ちがしていなくて ごっそり枝が中に入って
つまりは 節が多くて 節直径が大きいものも
結構あり 同じ手間ひまをかけても
建築材として 流通しがたいものもかなりあります。

製材してみると ほんとロス率の高いです。

手入れが どんなに大切か思い知ります。

やはり 20年位で 枝打ちをしないとだめですねぇ。

すでに 何もしないで40年以上たっている木が
これから ワンサカ出てくるのかなーと
丸太の切り口を見て 思いました。

山の工事の関係で こんなに長く山に置いていたのですが
さて その木がどうなんだか 新月伐採の効力が
あるのか ちょっと 楽しみにしています。

手入れ不足の木を製材すると どんな事になるのか 
ちょうど またまた こちらのブログ に書いているので見て下さい。

同じ会社とはいえ 部門が違うのに 血のせいか
関連したネタを同じ日に書く事が多いなぁー。

「伐り旬」 到来☆ 新月に思う

2007-11-10 | 新月の木
今日は、新月です。
正確には11月10日午前8時がちょうど、月齢が0になります。
こちらでは、昨晩も雨でした。

以前 過去10年間の彦根気象台のデータから月齢別の降水量・気圧・気温・湿度を調べたのですが「新月の日」は、その他の日に比べて ググッと気圧が低くて降水量が多くて気温が高いという平均値がでました。フムフム。

今は 樹を伐るにはとてもいい時期で ちょうど多賀町一之瀬で伐採をしていたので二日前にチラッと見に行きました。

上の写真は、その時 わが社の伐採している山の近くで別の素材業者さんが すごく大きなケヤキを搬出されていたので写真を撮りました。

新月の当日以降は伐採はしませんので 今日は邪魔にならないだろうと 又現場に行き 今度は自分のところの写真を撮ってきました。



この山の樹は、春までこの場所で「葉枯らし乾燥」します。

新月伐採の科学的根拠や言い伝えについては、
またいつかお話する機会もあるかと思いますが 
気持ちとして 何十年、何百年と生きてきた「樹」に対して 
たった数日人間が伐る時期を変える事で 
その木が一日でも長く「木材」として活かされる事を願って 
数年前から「新月伐採」に取組んでいるのです。

これは、樹に対しての感謝と敬意の気持ちでもあります。

山の自然と向き合うまでは、樹は樹でしたし 木材は木材でした。

今 森林は大切だと 皆さん言って頂けます。
でも 「木」は とても 粗雑に扱われているように思います。
長く 木を活かす という事が忘れられています。
それは、持続可能な森林環境にも とても大切な事で
ゆくゆくは 私たちの未来に 跳ね返ってくることなのです。

素材業者さんに対しても 前は 山の木を安く買ってガガーっと伐採して売りさばくというイメージがありました。森林破壊をしている張本人という感じでしょうか。

でも それは 大きな間違いでした。

次のブログに つづく。 

カブトムシと  樹液 と 蟻  2

2007-07-10 | 新月の木
今日、例の本が届いた。
詳細は また書きますが学会では「異端」とされながらも 
自ら現状に接し「松枯れ」をなんとかしたいと信じる道を
進んでこられたのだと感服ました。
前の天皇とのエピソードもあり、土壌と菌類と樹の関係が
こんなにも密接だったのかとわかり 読み応えがありそうです。

その中にも出てきますが 樹の樹液というのは栄養分も運ぶが
外敵から身を守る為、また 傷ついた我が身を治す為にも使われてる。

去年の夏 アリが樹液をすっているとこを見つけて写真を撮った。


拡大


この木は 直径60cm位の杉なんだけど わけあって2月末に伐った。
新月伐採や旬伐りには、少し遅い。

旧暦でなんでくそ寒い2月のあたまが正月で立春なんだろと思ってたけど 
二月の最初の新月から、植物は秘かに春に備えての準備を始めるらしい。
11月に伐った木からは ほとんど樹液は出ていない。
10月に伐った木は、秋の活動の後なので樹液が出ていた形跡がある。

接写モードのやり方がわからず 少しボケたけど
すごく綺麗で 宝石のような樹液でしょ。

同じ木なのに いろんな色があって ちょうど木酢液の原液から
蒸留した製品までの色と一緒だ。

そんな事に気がついてから 丸太を見る目が
セリに並ぶ マグロの尻尾の切り口を見るがごとくになってきた。

樹液の具合で、製品の良し悪しが判断できないだろうか…。

ネットで調べてみたが 研究している人は見つからなかった。
京大の先生にも聞いてみたが、学会的には興味の対象から
はずれることのようだ。

この木は、倒れた時に傷がついたのかもしれないし
伐り旬の違いかもしれない。

製材してしまうと わからない。

この樹液が見られるのも 山で葉枯らしをして 天然乾燥を
しているからだ。

今は、伐り旬も関係なく伐採し 伐採したらすぐに運び出され
製材されて乾燥機に入れられ出荷される木材が多い。
合理的ではあるし、ニーズに応える為にも商売の為にも
スピードは必要だし 一年中出荷しないと業者としては
成り立たないのもわかる。
国際競争力の名の元に、コストダウンと含水率 安定供給が
優先される。プレカットにするには、何らかの方法で
木事体も安定させなければならないので 人工的に乾燥させる。
オブラートに包んだ言い方をすると つまり少し細胞をいじる事になる。

この樹液に含まれる成分が、ある段階では虫や菌を防御してくれる成分の元にもなり、餌にもなるのである。

松枯れも、その防御する成分が少なくなった時に虫にやられるらしい。

偶然というか必然というか 今日 地松を売って頂けるかもしれない話が突然、舞い込んだ。このまま、ほっておけば 虫にやられるのは目に見えているという感じでもあった。

「古来 クロマツ アカマツは日本の暮らしと共に育ち 資源林として大きな価値があった。また 資源がなくなる時がきたら頼ることになる。自然の成り行きだと諦めてしまってよいのか・・・」
という 本の一説が 心に響いた。


月と植物とフェロモントラップ

2007-06-22 | 新月の木
二年前の現代農業という月刊誌で
特集「月と農業」というのが載っていた。

ちょうど新月の木について、資料を集めだした時だ。

どうも 月というと魔力とか不思議とか言われるが
科学的に地球の生き物が月から受ける影響に
ついて知りたかったからだ。

潮の干満はご存知の通り、地球も20cm上下しているらしい。
気圧が変わると体も変化する。
これは、植物も動物も虫にも影響はあるだろう。
ウミガメの産卵は、満月に多い。
作物が生長するのに欠かせない光を供給するのは太陽だが
月の引力は太陽の二倍あるらしい。

「月のリズムでピーマンに葉面散布」
これは、真剣に農業をされている方の話である。
自然の前には無力感を感じながらも
自然に逆らわず 注意深く自然を見つめながら 
知恵を活かして仕事に向き合っている方の
謙虚な物語のような文章だった。

普通は関係のない人には、面白くもなんともない話なのだが
この話を友人にしたら妙にウケテしまった。

ピーマンには タバコガという虫がついてしまうので
メスのフェロモンにオスをおびき寄せて繁殖期を
察知する「フェロモントラップ」っというのを
仕掛けるらしい。

これにかかるタバコガの数を調査された所
毎日は数匹なのに 満月の夜は100匹近くかかったそうだ。
この時 捕獲できなかったものは二週間後の新月に
卵が孵化してピーマンを食べあらすらしい。
時期がわかれば、防虫も少なくてすむ。

「フェロモントラップ」
すごいネーミングだ。私は、ボルネオのいやに妖艶な
ウツボカズラ(食虫植物)を思い出した。


と 同時に満月の夜に「ウォーン」と吠える狼→
赤頭巾ちゃんの物語を思い出してしまった。
意味のある物語なのかもしれない…。

すごいネーミングといえば
イカ釣りの疑似餌に サザンの曲(エロティカセブン)を
もじった「エロイカセブン」というのがある。
これが、意外にかわいくて よくつれた。
イカは、新月の時に良く釣れるらしい。

あっ つい脱線してしまったが
ピーマンの上葉と下葉の樹液の糖度の差は新月が一番
大きいそうだ。

これは、杉やヒノキといった樹木にも関係があるかも
しれない。

「月」と「樹」の関係

2005-03-19 | 新月の木
1ヶ月程前、京大のシンポジウムで知り合った先生に
「新月の時に伐採した木」について興味深い話を聞きました。

「月の満ち欠け」と「樹」に関係があるなんて考えた事も
なかったので「ワクワクした気持ち」と「いやいや待て待て
信じていいのか、そんな話」という疑いを2割ほど持って
話を聞いていました。

そうです、なんでもかんでも信じてはいけません。
悪気はなくても 伝言ゲームのように真実とは少し違う情報が
世の中にはあふれているのです。
(これについては 又 後ほど・・・)

しかし月と私自分の体や感情の変化、出産と月のとの関係を
考えてみると「人間」も「樹」も元々地球で発生した生物で
なんらかの月の影響を受けていると考えた方が自然なのかも・・・。
何人かの女性にこの「月の満ち欠け」と「樹」についての話を
すると体験的に納得しているみたいでした。