樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

ミズナラ樽

2009-11-29 | ひとり言
昨日、読売新聞に サントリーの輿水さんが載っていて ミズナラ樽の話もでていたよと 教えて頂きました。

そしたら、割り箸の田中さんのブログにワインの国産ミズナラ樽の話題が出ていて
コメントを書きかけたのですが コメントにしては えらく長くなってしまったので こっちに書くことにしました。

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国産のミズナラによるワイン樽で明治につくられていて
大阪のワイナリーにあったこと。
ワイン樽は、主に欧米から輸入されていて需要は、かなり多いそうなので
スギの酒樽もいいけど、こんな木製品を復活させられないかなあ
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という 内容でした。今 気がついたのだけど もしかして
サントリーが寿屋だったころのポートワインの樽なのかなぁ?
今は 調べられないから また 教えてもらおーっと。


では、以下ペーストを半分寝ながら手直ししました。
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サントリーウィスキーの響や山崎12年以上のものに国産のミズナラ樽でつくられた原酒が入っています。

私が今まで頂いた中で 一番 おいしかった原酒です。夢にまで見て、死に水にしてほしいと真剣に思っているくらい。

日本のウィスキーの文化として守り伝えて欲しいと思いました。ほんと ジャパニーズウィスキーって感じが 口の中に広がるんですよね。

森と人をどうやってつなげるかって考えていた時だったので「地樽ウィスキー(もちろんミズナラで)」が作れないかとウキウキして探しだしたんです。

そんな矢先、ナラ枯れがご近所で始まったと知りました。今は、全国規模で広がっています。

しかも樹齢の高い木からやられています。
専門家の方に聞くと、近所に迫ってきたら虫にやられる前に樹齢の高い木は伐った方がよいと…。

そうしないと森全体に被害が広まるとのことでした。虫にやられた木は伐る時期や搬出もよーく考えないと被害を更に広げてしまうので 補助金の時期に合わせた伐採には気をつないと…との事でした。伐ったとしても根本的解決にはなりませんけど 人工林だけではない森林の問題に気付くきっかけになりました。


話を戻しまして
ミズナラを漏れない樽にするには、

とにかく真っ直ぐであること。
できるだけ低い位置で枝が張っていないもの。
樹齢は最低でも150年は必要で、直径が50~60センチ位ないと綺麗な柾目(まさめ)の材が取れない。
チロースがないとだめ。等々

という 厳しい条件なんですよね。
標高が高いか寒い地方の150年間 伐採されていない二次林にあるまっすぐなミズナラの木。

とても、私の近所では搬出しにくいところにしかないと思われるので ヘリコプターでしか出せない可能性がたっぷり。ワインの樽でも一緒かも。

すんごく高いワインになりますね。
おまけに短期間だと たぶんマズイ味。
サントリーでは、最初まずくて使いものにならないと ずっとミズナラ樽は忘れられていたそうです。

色々しらべているうちに「人の手が一度入った日本の広葉樹林( たぶん正確には違う言い方だろうけど)も、人の手で伐って更新してあげないといけない」と知りました。
お酒に教えてもらったようなもんです。

 
日々、森林から流れるおいしい水のおかげで、幸せを頂いている酒飲みに声をかけ
伐ったはいいけどダメもとでロマンを買ってくれる人の輪をボチボチ広げているとこです。

一口 1万円は出してもいいという人は結構いるんですよね。でも 何百人もそんな「妄想」にのってくれる個人的な知り合いがいないのと、
今は 杉やヒノキをなんとかしなくちゃと のたうちまわっているので 全国レベルでつのる準備もできなくて。

が もうそろそろ 人工林の間伐だけではなく 多様な森にしていくには、広葉樹林も私たちが使うことで元気にしていかなくちゃ、みんなが気付くきっかけづくりをするには、なかなか楽しい「妄想」だと思うのですが いかがでしょ。ははは。

近所のおっちゃんにミズナラのありかを聞いてもわからなくて、最近コナラを「ホウソ」と言っていることが判明して やっと ありそうな場所が特定できそうなんです。むふふ。


里山と言うと家の近所のイメージですが、おっちゃんたちの話を聞くと日本の場合 ほとんど奥山も里山なんだと気が付きます。人の手が入った山=里山という定義では まずいんですかねぇ。


とにかく すごくタイムリーな話題をありがとうございました。 
28日(昨日)の読売新聞の一面(関西だけかな)に 少しミズナラ樽の話が出ています。

また、サントリー ミズナラで検索して頂ければ色々出てきます。

なんやかやと 講釈をたれてしまいましたが
後40年は生きられないと思うけど せめて20年ものの樽材が生えていたとこから知っているウィスキーを飲むのが「夢」なもんで ついつい長くなってしまいました。すみません。

動き出せという 天の啓示かも。ハハハッ

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自分のブログでも ながい。。。


製材工と 近江八幡の構造見学会

2009-11-29 | 近くの山の木で家を建てる意味
今日、構造見学会があります。

「見えないところも男前!」骨太住宅構造見学会

よろしかったら ご興味のある方は こちらを

実は 普通 構造見学会ってとても面白くないのでどうしたものかと
今まで みんなが撮った写真や ブログを見直しておりました。
 
製材工なんて職業があるのを弟が書いたブログを読むまでしらなかった製材屋の娘なのですが、もし 製材工になりたいという若者がいたら ぜひ 読んでみて欲しい

って そんな人はいないか…


木造の家を建てたい人や 木や森林 林業に興味のある方はぜひ
下記のブログをサラッと見てから 現地に行って頂けると
何倍も おもしろいです !

  
これ勧誘じゃないんです。手前味噌のようで恐縮で その道のプロの人からはどう言われるかわからないけれど 今まで知らなかった世界なんですよね。


山仕事・製材


たから、林業はダメなんだ とか言う人も多いのですが
建築して 長く家や木を使って頂こうと思うと
製材工が 伐採や玉伐り 建築を知っているってすごく大切なのだ気がつきました。

建てた家に対して 責任を持つという事は 最初の資源の採取(うちの場合は木材なんだけど)から 加工にいたるまで ちゃーんとしなくちゃいけないと改めて思いました。ちゃーんとする事と ニーズに応えたり 競争力を持つことは違うんですよね。

ほんと 見えないところが 男前なんですよね。

お施主さんが うらやましくなってしまいました。


自分の会社のブログなのでいつも読んではいたのですが 
今回の建物とリンクして見ると すごく勉強になるんです。

木を扱うって ほんとはこういう事なんだなぁーって。

また どういうことか いつか書こうと思います。。。。。

いつか・・・