樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

地場工務店のシェアが一番多いんですけど・・・

2013-01-06 | 建築と木材

皆さま、あけましておめでとうございます。

私の頭の中は、まだ2012年でして 昨年の宿題です。
途中まで書いていたものです。

色々な政策やら、木材や林業の事を心配されて プレハブメーカーがとても多いという思いこみで 色々な質問を受けたり、地場工務店が責められたりします(笑)
グラフなどを見ると、確かになんだか在来木造住宅が少ない印象を受けるものも多いのです。

統計のグラフなどを見まして、木材という観点から見ると気になるのは「戸数」で書いている事。

この「戸数」というのは、アパートやマンションや下宿の戸数も入っているのです。床面積は少ない。
そういう建物は、メーカーや鉄筋コンクリート造が多く、シェアが多く見えます。
木造は、戸建てが多いので 戸数は少なめに見えます。

木材を売りたい方にとっては、「床面積」の方がしっくりくるのではと思いまして、そんなグラフをば。

詳しいデータが公表されていないので ある数字はパーセンテージからひらったり
あるものは、最近の公的なデータなのにH14年のものしかなかったりもしましたので
正確ではありませんが、おおよそは こんなもんですというのを出してみました。

まずは、木造住宅の割合



木造住宅にも色々ありまして、
・地場工務店という中小零細な工務店・・・便宜的に,年間1戸~49戸までの工務店で分けました。

・年間50戸以上の在来木造の工務店
  これは、建売をバンバンやって 広範囲で営業しているパワービルダーやプレハブではないけど 私たちがハウスメーカーだと思っている工務店も入ってます。
・2×4( ツーバイフォー)
・プレハブに分類される( たぶん、プレハブ協会みたいな所に加入しているのかな)木造の建物

社)日本木造住宅産業協会(略称/木住協)という所の役員さんや会員さんを見ますと
上の図の左側の会社が多いようです。木造でも、国産材を普及する団体さんではありません(笑)
ハウスメーカーとか、建売屋さんが多い印象。
「認定低炭素住宅講習会」も、ここが主催しているようなので どうしても 木材の長持ちとか
直しやすさとかへの配慮が少ないのも 納得( 納得してないけど)

もちろん、すべてではありませんし、とても良い建物を建てられる所もありますが、安さを売りにする所は、国産材を使っていても安くなかったらつかわないもん とか 円が安い高いで仕入れ先を変える所、工法的に北欧の集成材と決めている所などもあります。
喧嘩は、売ってません(笑) わが社も、ニーズに合わせて色々です。
たぶん、無茶は言っていないと思いますが、ねぎりもします(笑)

残念ながら、地場工務店は、50%近いシェアがあるのに、結構 無視されている感じがしております。
小さな工務店の全国を代表する組織のように見える所もありますが、仕入れ先が違うと加盟しにくかったりと
まだまだのような印象を受けます。公的じゃないんやんって 感じかな。

では、次はマンションなども含めて、住宅建築全体でみてみましょう。
プレハブメーカーのシェアも床面積ですと少々少なくなります。
マンションも、いう程多くはありません。


もう少し、細かく分類すると


マンション・アパート・戸建て・分譲 ぜーんぶ合わせたシェアでも 小さな地場工務店が30%と
床面積が 一番 多いのです。意外でしょ。

大きな林産地は、別として 日本のどこにでもある普通の森林の地域では、どこをターゲットに
するのか、持続可能な森林を守る為にも ご参考にして頂ければと思います。

データは、こちらから 建築・住宅関係統計 
出来ましたら、もう少し詳しいデータが欲しいです(笑) ざっくりですので、つっこまないで下さい。

あーこれで、すっきり 新年が迎えられます。ハハハッ。


日本の森林

2008-11-28 | 建築と木材
今更 何をという話なんだけど

日本の今の森林は 歴史上で 今が一番多いというのを
以前 読んだ本を読み返して 知った。

その頃は 必要な所だけを拾い読みしたからと いう言い訳もあるんだけど…

なんで 知らなかったのだろう と 不思議で仕方がない。


凄いじゃない!

誰を誉めていいのかわからないけど

やるやん ちょっと昔の日本人!
って 感じになった。

木材業界をなんとか…と 思ってる人程
国際競争力とか コストダウンとか 効率化とか

自然環境系の方は 杉の植えすぎだとか
手入れが出来てないとか、動物がすめなくなってひどいとか

とにかく、林野行政も含め林業側の人が
体たらくだったと非難している情報だけが入っていたので

私も素直に、あかんやん、なんとかせなぁと思ってたけど

案外、やしやし(方言だなきっと)思う程の事ではない気がしてきた。


既に日本に森林は いっぱいある。

毎年 成長した分だけを使わせて頂く。
うろ覚えだけど 人工林の1% で今の建築に使われている分は充分いけるらしい。

昔に比べ、こんなに人口が増えて、核家族になって建築戸数が増えているにもかかわらず、まかなえる面積があるなんて、素晴らしい!


と いう事は 100年で ひとまわり。

樹齢100年の木ならば それこそ 効率よく 色々な部材に利用が可能だ。

地球規模で化石資源に規制がかかり、景気より生死に関わる水の方が問題になるだろうと言われている今

持続して行ける量の未来の国家的資源である森林の準備があるというのは
なんと ありがくて安心な事でしょう。

ん?
エネルギー入れたらどうなるんだろ?

1%の根拠のデータの
実際の現場では、実態が把握できてない所の方が多く
山の場所も知らない小面積の山主に判断が委ねられていているのが
私の近所の現状なので まぁ目の前は 問題山積ですけれど。


少し 広い規模 長い時間軸でみてみると
今 ほんとに やらなくてはいけない事も見えてくる。

景気が悪いって いったって 諸外国に比べれば
お財布は 豊だ。

せめて 何でも自分の所でまかなえるように段取りしておけば
心が 豊になるやもしれない。

とりあえず、歩いていける場所から コナラあたりの実生を
探して あいてる土地に ドングリも巻いて 踏んでおこう。

何本くらい いるかなぁ。。。。

ちょうど 年くっても伐れる太さには 育ってくれるだろう。
これは 冬の暖炉用。

ご飯もお風呂も これは 杉で充分だし。

上流の住民は 少ないし下水設備の上流だし。

自業自得だけど 山の水はちょっと望めないから
小水力発電は むりかなぁ。

なんて 考えてると ちょっと ワクワク楽しい。

山に 住むって 悪くない。

これ書くのに 三日 かかってしまった・・・・・

木材を天然乾燥させる訳

2008-07-22 | 建築と木材
写真を撮った時は、カエルちゃんがメインだったのだけど
この 丸太を見て下さい。

これは、昨年の秋に伐採されたケヤキの木の枝です。

枝といっても 直径は20cm以上あります。
つまり とっても大きなケヤキだったのですね。

これくらいだったら いつか木地師の人に頼んで
お椀とか作ってもらえるかも…と思って
山から持ち帰りました。
今は、私の外での休憩用のイスになっています。

このカエルちゃんが 座っているところを
白太(しらた)と言います。今は 黒いですが…。
雨上がりなので 特によく差がわかると思うのですが
すでに、微生物たちの食料になっています。
昔は、この部分が全部分解されるまで 山に置いておき
それから 製材をして 更に何年も乾かしてから
使いました。

真ん中の赤いところは、虫や菌にやられないのです。

今でも みごとに分かれてますでしょ。

ケヤキだけでなく 杉も同じで真ん中の部分は
日本の虫や菌に強い成分があるのです。

住宅金融公庫や建築業者の資金の回転をよくする為に
家を早く完成させるようになりました。
柱を壁で覆う 大壁工法が主流になりました。
土壁の家は 時間がかかるのです。
柱は隠してしまうので 何でもよくなりました。

家は 長持ちしなくていい。そんな風潮でした。

土壁の時は、ある程度水分があっても 建築中に
日本の四季を体験して それなりに乾燥しながら
動きながら 家のカタチにあわせて行きました。

でも 大壁になって金物で固定するようになると
それもかなわず 急げと言われるまま 
乾いていない木も出荷しました。

トヨタ方式の在庫を持たないのが 経営の極意に
なって行きました。

すると 家が傾いたり 柱が腐ったりする家が出てきました。

建築業者に 10年の瑕疵保障という制度が課せられました。

木の含水率が問題になったのです。数字です。

とにかく 建てる時にちゃんとしてましたという証明が必要です。
10年で いいのです。と いっても 最初 みんなわかりませんでした。
乾燥している事のみが 大切だったのです。
おまけに 乾燥している方が 強いという実験データがありました。
建築業者も反省しました。もうみんな 乾燥乾燥と躍起になり
人工乾燥をはじめました。

長持ちについては 未だにほとんど議論は出てきていません。
強さも どんな強さなのか。ねばるのも 強さだと思うのだけど。

どちらにしても よかれと思ってやっている事です。


しかし

わが社では 炭を焼いているので その時に出来る木酢液の
成分を調べました。防腐効果のある成分が中にかなり含まれていますが ある一定の温度でその成分は 揮発してしまいます。

普通の気温にない温度を加えると、木からなくなってしまうのです。

竹酢液では、変化を示さない ヒルやムカデが木酢液をかけると
縮んだり 避けたり 苦しがったりします。

母と実験してみました。これは ほんとです。


木は 動けないし 長く生きていかなくてはいけないので
虫などから 自分を守る為にその成分を作っています。

人工乾燥をさせると、それが抜けてしまいます。
また 細胞も壊れます。
細胞を潰して 均一にして くせをなくしてしまうので
おとなしい柱になりますが 中身がなくなるので
先ほどの成分だけでなく 極端な言い方をすると
スポンジ状になって 釘が利かなくなったり
木と木がガツっと結びつく力も弱くなります。

これは、大工さんに聞きました。

木酢というぐらいですので 酸性の物質が作られます。

釘は 錆びやすくなります。

木が腐るのは、元の柱だけが悪いだけではありません。
結露というのは 温度差で生じます。
割れやそりは、湿度差で生じます。

外気とかけ離れた室温や湿度で暮らすのが
快適とされています。

暮らし方からも 考えて頂かないと どんどん 悪いものに
ふたをするように 建物が重装備になっていきます。
そう 捨てる時に困るものの塊になってきているのです。


建築材は 伐った後植林して その木がまた 同じ
大きさになるまで 育たなければ 持続ある森林にはなりません。

80年生のヒノキって そんなに太くはないです。

梁には かなりの太さの木材が必要です。


大抵 何かをやろうというと 反対する兄弟ですが
小さい頃から ほんとの木を見てきて
人工乾燥された木に接し やはり 天然乾燥しなければ
という思いは おのおの話さずとも感じていたようで
天然乾燥した木が、すこしづつ 貯蓄されています。

伐った後 すぐに人工乾燥させれば 虫に食われることもなく
割れや カビに苦労することもなく どんなに
効率がいいことか しみじみ感じる昨今ではございますが
乾くのに3年かかっても 3年以上 きっと 家は長持ちすると
信じて( 信じなくても 昔の家が証明していてくれますけれど)
消費者という 消えて費やすという感覚ではない
お施主さまが たくさん増える事を願う昨今でもあります。

あー また 長くなっちまった。
いつもと よく似た内容だし。すみませんねぇ。

と いうことで 少し 目をさわやかに

いや ほんと 植物ってすごい という写真。
これまた きれいでしょ。

きゅうりのつる。体を支えるために 巻きつくとこを
探しているところを 撮りました。



彦根 楽々園 地震の間

2008-01-23 | 建築と木材
1月17日に… という数日前に書いたブログに「彦根 楽々園 地震の間」が出てくる。

いやー そしたら うれしい事に高校の恩師である市川先生が その写真を撮りに行って ブログに載せて下さった。

ぜひ 皆さん 見てくださーい。
詳しい説明も 建物の写真もありますよぉ。

彦根トピックス 

いやー ほんと いつまでたっても先生は先生だわぁ。

市川先生 ありがとうございます。

リンク しとこーっと。

建築士として 1月17日に思うこと

2008-01-18 | 建築と木材
お正月から いっぱいブログに書きたい事があった。

ほんとは「もみじのたたき」より こっちが先だよねぇ。

阪神大震災の時 昔 沼だった所に建っている 絶対 耐震構造ではないであろうと推測できる年に数センチ 地盤沈下のおきているマンションの最上階に住んでいた。

彦根は震度5だったけど いつも1割増し位には揺れる。
今でも 地震の直後にプロポーズをされれば 絶対 すぐにウンというだろうと思う位 怖くて 心細かった。

被害といえば 大好きなワイングラスなんぞが割れたくらいだったけれど それまでデザインとか便利さとか 暮らしやすさだとか そんな事を中心に家の設計をしていた私は すごく 反省した。

ほんの数日後 新聞に 彦根の玄宮園の地震の間の研究発表があると小さく載っていた。大震災がおこる前から企画されていたらしい。

その「地震の間」というのは 地面のどこにも固定されていなかった。
揺れれば 揺れるのである。

彦根の教育委員会の説明には 耐震構造 とあるけどが たぶん間違いで 免震構造というか 制震構造 なのだと思う。五重の塔もこれと同じ原理だそうだ。

よくできている。構造計算するのは 大変そう。

そう 昔のお役人や大学の建築の先生は この日本の誇り高き木造建築の構造がわからなかったのだと思う。

とにかく 外国のまねをして ガチガチに固める「耐震」が法律になってしまいました。

そして 今でも それは続いている。
今 新しく発表されている大手の建築会社の地震に対する構造も 実は 昔の日本の木造建築の考え方がベースになっていたりする。

壊れないように ガチガチに作られたものは 壊れたら元に戻らない。

天災の多い日本の先祖は その天災と戦うのではなく 共存する方法を考えていた。まず命は 守る。そして その後 生きる為、復興しやすいような構造になっているのだ。

2×4や○○工法といった構造の建物も設計してきたが 持続ある つまり直しながら環境に負荷を与えない素材で長持ちさせる事も加味すると 伝統工法は ほんとによくできていると感心する。

「樹」と「木材」の間

2007-11-05 | 建築と木材
最近 森林環境についてとか 地元の木の流通についてとか ざっくりとした企業と「環境」についてとか 色々な集まりに出かける事が多くなった。

その度に 森林と人が遠くなった事を思い知らされる。

私自身も、建築を中心に仕事をしていたので 実際に数年前に自社で伐採を始める前は 山や森林は ただの風景だった。

80年以上前に 祖父が製材業から始めた会社なので もちろん「木材」は小さな頃から見ていた。
市場から 仕入れたり 素材業者さんが運んできたりするので 丸太の場合もまっとうな木だったし 
そもそも ごく最近まで 既に四角く製材された製品や 更には 一軒丸ごと パカパカッと組み立てられるように「プレカット」といって 加工済みの木材を発注して 自社の工場は通過しないで 直接建築現場に納入するという事がほとんどだった。今でも 半分以上は そんな感じである。



伐採を始めたという事は この図で行くと 山主さんから樹を買ったり お施主さん自身の山の木を伐採して 製材を自分の所でして 建てるという とても「流通カット」が出来るシステムが出来上がった事になる。

が これは とんでもない事に手を出してしまったかなーと思う時がある。

例えば、樹を買う時は 生えている状態で判断するので中身は見られない。
おおよその検討はつけているらしいけれど ざっくり中に穴が空いていたり
後から 虫がウジョウジョ出てきたり…。

何にもいかせない樹もそのままにしておく訳にはいかないので伐採して持ち帰らなくてはならない。枝を払って 持って帰れる長さに伐って…。
枝の始末だけでも たいへーん。

先の方は、枝がいっぱい付いているので 節だらけだし。
「樹を活かす」のが モットーなので 炭にして建築させて頂いく家の床下の敷炭にしているけれど コストを考えれば「やってられない」かもしれない。

ロス率なんて 真っ当に計算したら とてもやってられる商売ではない。

普通の日本のどこにでもある これからは特に手入れされていない森林を活用していかなければならない事を思うと「いや ほんと バクチだわぁ」と気がついた今日この頃です。

しつこいけど 森林複合汚染の影響も 今後 心配だし。

ほとんどの方は 生えている「樹」と 製品になった「木材」しか目にされないので 森林保全だとか 安くしろだとか言われけど 「樹」から「木材」にする過程というのは、年々状況が悪化している。

製材所も 最近はプレカット工場すら 少なくなってきている。
そろそろ 国産材の出番だというのに…。

流通をカットしても 活かせるものは活かしても 人件費をへずっても 実は それでも大変なんですよぉ。

すぐに 大型設備を導入して システム化してコストダウンという話になるけれど 皆さんの税金を投入してもらっている所でさえ まともな経営はなりたっていないのではと思う。(失敗したという話もよく聞くし…)

設備にお金をかけすぎると 全国にわれ先に大量に売らなければならなくなる。
日本全体の持続ある森林の事を思えば そのやり方は いかがなものかと思う。
公的な お金が投入されて 回転する為に薄利多売で 市場価格を下げてあげくにつぶれてでは真っ当に商売しているものは たまったものではない。
又 公社などから大量に出された木材が 市場価格を下げる事もある。

買う立場でもあり 売る立場にもなる わが社は複雑だけど 風がふけば桶屋が儲かるの逆バージョンで 税金の使い方が悪循環を呼んでいる気さえする。
 
近くの森林の成長量に合わせて使い 足りない分やないものは 他の流域からわけてもらうというスタンスで守らないと その土地の自然は守れない。 

ちょうど わが社は 川上と川下を結ぶ仕事でもあり、それぞれの立場の当事者でもある。

川下の要求を林業の人に押し付けるだけでなく 川上の「事件は、会議室で起こっているんじゃない」という声なき声を伝え 流通過程のそれぞれの大変さや「理由」をお伝えして 持続ある日本の森林資源の循環をしていくには どうすればよいかという事を考えて頂く為の情報を伝える事も 大切な私たちの仕事かもしれない。

簡単な話が、森林を手入れする労働に見合った資金が 山を守っている人に還元できる消費者価格になればいいのですけどね。

森林を守れない国は 滅びていくというのは 歴史が証明していてくれるのに いつまで のほほーんとしているのでしょうねぇ。
そろそろ 政治家の英断が必要な時期だと思うのですが いかがなものでしょ。

ガソリンも上がって、木材まで値上がりして 輸入材が入らなくなると 建築業は大変になるし 日本の景気は悪くなって 政権交代と言われるでしょうが
それでも まだ 日本の体力があるうちに手をうたないと 突然 ガクッときちゃうような気がするんですが…。

世界に誇れる森林大国なのに 森林がある事が当たり前すぎるのでしょうか。 

手抜きなブログ

2007-10-19 | 建築と木材

これは、以前のブログで使ったグラフです。

わが一家No.5(裏長男)のブログを読んで 思い出しました。

間伐材を使おうと 盛んに言われていますが
( ほんとは、小径木 と呼んで欲しいんだけどねっ)
以前は、建築工事で 建物の周りを囲ったり
外部の工事をする為の「足場」を組むのに
間伐材が たっぷり使われました。

それで山主さんにも手間賃程度だったかもしれませんが
山の手入れをする資金が還元できました。

今は 鉄鋼?製です。

ところが 少しでも建築工事に間伐材を…と思っても
手に入りにくいし 高いのです。

足場に組むのは、細い木です。
そう 最近 植えられていないので足場向きの細い間伐材が少ないのです。

なぜ 高いか… ふふふっ 中国です。

ほらね、ちゃーんと 長い目で持続可能な森林経営をしていれば
建築ラッシュの中国に いっぱい間伐材が売れたかもしれないのに…。
鉄も木も中国は不足してるんだから…。

あーもったいない もったいない。

**********
もうすぐ、上棟させて頂くお家は すごく健康や自然素材に配慮された住まいになります。もちろん、地元の木です。

上のリンクと合わせて、ご興味のある方は
こちらも ご覧下さい。

自然でっせ

大黒柱(このブログ内) 


大黒柱と書斎と家主とローン

2007-10-13 | 建築と木材
これは、もうすぐ上棟させて頂くT邸の大黒柱です。

ドドーンとLDKにそびえる予定です。

以前は設計をしていましたので お客様とお話する機会も多くあり 間取りの希望をおうかがいすると ご主人は 遠慮がちに 書斎が欲しいとおっしゃいます。

結局 奥様に「そんなん何すんの。物置になるだけやん。」と軽くあしらわれ、結局 そこはウォークインクローゼットになったりします。

小さい頃、成績表を頂いた後などはワザワザ座敷に座らされ 父親に怒られたような記憶が少々ございます。ハハッ

今は 和室すらない家も多くメリハリがないと言えばない家が多いかもしれません。真っ先に削られるお父さんの居場所。
敷地も予算にも限りがあるし、自分はガマンしても…という感じでしょうか。
居場所がないと 存在感さえなくなってしまうかもしれません。

家の設計というのは、使い勝手やデザイン・強度や耐久性 その他もろもろ考慮して考えますが 一番大切なのは 家族がどんな関係でいたいか、どんな子育てがしたいかという見えない事を手助けする為の舞台装置を仕組む作業ではないかと思っています。

が、それはさておいても なんだか 一生懸命働いてローンの返済の為にお小遣いはへずられ くたくたになって帰っても・・・なんて話を聞くと ほんとお気の毒でしかたがありません。

せめて、疲れた日 ビールを飲みながら 俺は( もちろん「私は」もありです)一家の大黒柱なんだと励みにする為にも 家の中心の象徴でもいいのですが

1家に1本 大黒柱はいかがでしょう

上の写真は 本当に建物を支える大黒柱ですが、構造には関係なく「なんちゃって大黒柱」を取り付けることも可能です。

軽量鉄骨でも、コンクリート造でも可能です。
ハウスメーカーさんも そろそろ国産材を使おうという動きが出始めています。CSR 企業の社会貢献として 地元との関わりも 環境に取組んでいるという事も 森林貢献するという事も企業が存続していくのに大切になってきます。

地元の木のトレーサビリティー付きで 記念の植樹なんかも企画して
オプションにひとつ「大黒柱」を加えられたら 結構いい宣伝にもなると思うのですが…。とても 温かみのある住まいづくりになると思いませんか?

父親や主人としての立場の復権は 心がけ次第ではありましょうが 
大黒柱を見て ニタッと笑って こそっと うまい酒は飲めるような気がします。

うれしいー。栗の木の土台

2007-08-27 | 建築と木材
今日、工場に行ったら なんと栗の木土台を発見した。
もうすぐ、上棟のある若いお施主さんの家の材料だ。
久しぶりだ。栗の土台を見るの…。
きれいでしょ。ずっと、前から私たちの地方では
土台に栗を使っていたの。


ちょいと横を見れば、梁材に込栓の穴がぁーーー。
地震と共存してきた、世界に誇れる日本の匠の技術だ。
その若いお施主さんは、二年以上前からプランにかかり
地元の木と伝統工法を選んでくれた。ウルウルする。



込栓というのは、とても小さな部材ですが
建物の形を調整したり、地震の時にはエネルギーを吸収分散して
持ち堪えられない力がかかった時には、自らが壊れる事で
梁や柱を守ります。
程度にもよりますが そうやって、建物が傾いても又小さな込栓を
新たに準備するだけで家の骨格が補修できるようにもなっているのです。
昔に学ぶ事は たくさんあります。







あー 久しぶりに建築の話が出来ました。
これも、育った年月以上 木を活かして
持続可能な森林環境を守り続くけていくのに
大切な事です。

あーでも気になるなぁ。
ナラ枯れと一緒に 栗の木もやられているらしい。