樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

びわ湖の森を元気にするコピーペーパー アマゾン発売

2012-06-30 | kikito など

今から、8年前、はじめてつくったEA21の環境活動レポート。その冊子の裏に、こんな事を書きました。

その後、この冊子が環境コミュニケーション大賞を頂き、ウッドマイルズの本に少し文章を書かせて頂いた、その出版パーティーでの出会いから、kikitoへの活動につながっています。そのkikitoで間伐材を直接、山主さんから買い 製品になったのが 写真のコピー用紙です。

実際には、私はほとんど動いていないのだけど、願えば、かなうものである。と。
kikitoのメンバーに感謝感謝です。
そして、昨夜、アマゾンでご購入頂けるようになりました
とりあえず、UPした状態ですが・・・ぜひ、ご覧 じゃなく ご購入下さい

 アマゾン

グリーン購入、日本の森林を元気にする紙としは 結構 安いです。
500枚×5冊 2150円 安い訳は、最後に・・・w

「びわ湖の森を元気にしたい」と始まったkikitoの活動。
今、日本の森の木の価格は安く、手入れをしたり間伐したり植林したりする資金が、森林に還っていません。「安い」というのは、消費者にとっては「比較」でしかないのだけれど、実際に必要なコストに全く見合っていないのです。

紙の原料となる「木材」ですが、海外で違法な伐採により安く製造されたコピー用紙が日本の流通価格を下げています。国と国との約束で海外からの輸入もしなくてはならないらしく、私たちが大切にしたい「びわ湖」の水と木を守る「森」の為にはどうすれば良いのか考え行動した結果が、この「木になる紙のkikitoペーパー」になりました。

 紙は、大量生産、木のチップが安定供給されないと、流通価格に合いません。
私たちの地域で森林を守りながら1つのブランドをつくるのは、森を壊すことにつながります。
そこで、既に日本の間伐材を使った(株)ファイルさんの「木になる紙」に、びわ湖の森の間伐材を一部使って頂く事で、お買い求め頂きやすい価格で提供できるようになりました。

箱の左上に貼ってある白い紙がびわ湖の森の木の証明です。

私たち自ら、通常の価格より高く間伐材の買取をして、直接、森林の持ち主さんにお支払いしています。

こんな風に、軽トラで運んでこられたり

手で降ろしたり・・・。このおじさんは、毎回コンスタントに山から降ろして運んできて下さいます。
つまり、山の手入れがされる面積が増えている事になります。
紙になるチップにするには、細い木や短い木もOKなので 林業専門の機械がなくても 一般の個人の林家でもなんとかなるのですが、そりゃ山の斜面を降ろしてくるので、大変なんですよね。


で、その場で重さを計り( たまたま、弊社の土場横が土取場で、計量機があり借りています)
その場で、キャッシュで支払います。働いた結果がすぐに見えるのは、悪くない。
皆さん、うれしそうです。銀行振込に必要な資金や手間が、kikitoのような団体には大変なので、コストも押さえ、みんな うれしい 近江商人の極意ですな(笑)

この間伐材が入った紙をつくって、kikitoで販売をして、その資金で 又 森林の手入れがすすめてもらえるという「森と人をつなげ、森林の循環ができるコピー用紙」ができたのです。

目的は、間伐をすすめてもらうことと、苦労が報われない(お金にならない)為に 自らの森林に感心がなくなった 地域の山主さんや その次世代の担い手の人にもう一度、森林に目を向けてもらうこと。
山主というと、すごい! と思われる人もいますが 一人が所有している面積はすごく少ない。
そんな、小さな面積を持っている多くの人の山が集まって、森になっているのです。

色々な森林の認証制度もあるけれど、それには資金や人出も必要で、まとまりのある取組みを公的機関ではない私たちがする事は、現実的には不可能に近い。
又、一度 伐ったら植林や草刈り、間伐に資金が必要で 何十年後にしかお金に変わらないのに、それを個々の山主さんに経費の負担を頼むことは、現時点でできない。 

認証をとる事で生まれるメリットと、私たちの地域の森林事情でできる事を考えると コストアップになり 紙が売れず 森林整備が進まない事はさけたい。

だけど、ちゃんと顔も その木が伐られた森も知っている関係で、消費者の方に納得して使って頂ける情報も出していきたいと思っているのです。それが、小さな地域のメリットだしね。

最近、更に製紙用チップの買取価格を下げるという通達がありました。日本の森林側に価格を決めるインセンティブはありません。輸入材の7割の価格なのに です。
それでも、山主さんに還す 買取価格は変えないと 主要メンバーは腹をくくったそうです。

安いコピー用紙と比べると、ほんの少し高いですが 出来るだけ皆さんにお求め頂きやすい価格設定にしています。それは、利益というよりも 少しでも広く多く使って頂くことで 山を手入れする面積を増やしたいとの思いのからです。

個人的には、安すさ競争をすると 自らの首を絞めることにつながる事と 全国的に木材の価格が下がる事は山が手入れされない事、丁寧な木の生産されない事につながり 建築業としては複雑です。

又、最初に書いた「わが社」のチップは、まだ紙になって 私のところに戻ってきていません。
国産の木の製材時に出る端材で出来た同じ用途に使うチップでも 更に すごく安いのです。
で、チップの生産はやめました。つまり、お金に変わっていないという事になります。
( 敷炭の炭にしていますが・・・)
廃棄物処理業者から出る木のチップは、既に 処理費をもらった上でのチップ価格ですが
丸太を購入している製材屋は、端材の部分にもお金を払っているのです。そこが、お金に変えられないと、丸太も高く買えないという悪循環がうまれています。

燃やしてはいけない、廃棄にお金がいる、使える所がないとなると 製材屋は大変です。
私たちの地域では、地域の木を活かせる(そこそこの価格で買える)製材屋が、ほとんどなくなってしまいました。本来ならば、その端材部分を如何にお金に変えるかか やっとの利益だったのにです。

廃棄物処理法やグリーン購入、間伐材のみの推進が 通常の木材生産のコストに影響しているのです。これも、縦割りの弊害、川上と川中 川下とがつながっていないからなでしょう。んー。

実は、省エネ政策で その日本の木材を活かす建築方法が、できなくなりつつあるという問題も出てきていますが、これは また・・・。

ついでに、今は どこでも見られない最初の環境活動レポート。
ほんと、この時は 間伐材入りの紙を手に入れるの 大変だったのよねー。
進歩 進歩。


電気って、お天気次第だったのね。

2012-06-08 | 環境コミュニケーション

朝のことさえ、忘れるのに 昨年の夏に節電をどうしていたかという事が思い出せない。

このグラフは、弊社の事務所のものなで どなたの役にも立たないし 誰かに見せる為に作った訳ではないので 参考にはなりませんが・・・

まず、15%削減基準となっている2010年と、ごっそり少なかった昨年の比較。
ただし、時間ごとや毎日の電気の使用量がわからないのと、関西電力全体でどうだったのかという事がわからないので、厳密に2010年8月9日の最高需要時との比較はできていない。

青の低圧電気が、エアコン用。赤が従量、電灯とPC プリンター複合機と 小さな冷蔵庫に使う。
気温が影響するのは、エアコン。確かに、昨年は涼しい夏ではあったが、30% 削減しているじゃないの。私は、忘れていたけど 数字は正直である。ちゃんと、節電していたのね。
気温に関係ない従量電気が減っているのが、何よりの証拠である。
しかし、二年間だけで判断するのは、片手落ちだ。本当に、気温が低かったおかげで 知らず知らず電気を使わなかっただけかもしれない(笑)

エコアクション21に取り組んでいたので 2000年からのデータがあったので彦根の気象データと重ねてみた。



青が、エアコン。赤が、事務用機器。緑がその合計。
黄色の点々がその月の毎日の中の最高気温を平均した気温。
見事に、気温とエアコンはリンクしている。

ただし、2011年は違う。
同じような気温の年と比べて、低圧も従量もあきらかに少ない。
やはり、節電してたのね・・・。みんな、えらい。と、数字は教えてくれる。

これを見ると、しかし、従量も気温で少し変化している。
更に、実は目標をあげて節電していた頃は、気温とほとんどリンクしていない。

うーーーー。何が影響しているのか、わからない。

もうひとつ、気をつけないといけないのが 彦根と大阪・京都は 気温が違うこと。
もっか、再稼働なしのばあいは「2542万kW」を関西全体で、超えない事が大切になる。

やっと「でんき予報」の意味が わかった。ただ、15%削減しても意味がない。

「やばい時は、暑い時。明るい時。」ライフライン・命に関係するものをのぞいて
「そん時は、スイッチを切ってもOKだぜ」と、宣言する事業所を確保すれば 結構いけるかも。

あーしかし、2010年並に電気を使うことって、よくあるのね。

涼しい夏になる事を祈る。