樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

一年 山で葉枯らし

2007-11-30 | 新月の木
一日で紅葉の色が変化しています。

杉の植えすぎで広葉樹が少ないと言われていますが
実は 意外にあるんですよぉ。

この季節は、山を見てもナラ枯れかどうかが
わからないので 実は うれしかったりするんです。
くさいものに蓋をしてる感じではあるのですけどね。

ちょうど 一年近く前に伐採して 
山で葉枯らしした木が
貯木場に運ばれています。

これは、新月伐採した木だと思われます。

見た目は汚いけど 思ったよりも虫くいなどが
大丈夫そうに思える木もあれば
枝打ちがしていなくて ごっそり枝が中に入って
つまりは 節が多くて 節直径が大きいものも
結構あり 同じ手間ひまをかけても
建築材として 流通しがたいものもかなりあります。

製材してみると ほんとロス率の高いです。

手入れが どんなに大切か思い知ります。

やはり 20年位で 枝打ちをしないとだめですねぇ。

すでに 何もしないで40年以上たっている木が
これから ワンサカ出てくるのかなーと
丸太の切り口を見て 思いました。

山の工事の関係で こんなに長く山に置いていたのですが
さて その木がどうなんだか 新月伐採の効力が
あるのか ちょっと 楽しみにしています。

手入れ不足の木を製材すると どんな事になるのか 
ちょうど またまた こちらのブログ に書いているので見て下さい。

同じ会社とはいえ 部門が違うのに 血のせいか
関連したネタを同じ日に書く事が多いなぁー。

岩魚が生きられない水

2007-11-29 | 壊れかけてる森林
昨日 びわ湖の東側の森林の持続ある流通を
どうして行こうかなーという集まりに行った。

そこで 山の仕事をされている永源寺の方と話をした。

炭焼もされているそうだが 岩魚も育てておられるらしい。

岩魚は 清流にしか住めない。
永源寺は かなり上流で川に生活排水が流れているわけではない。

かなり前から 天然の岩魚は獲れなくなっているのは知っていた。
炭を入れから岩魚が育つようになったという事だ。

そんな上流の川の水質が悪いという事は 
森林から流れてくる水が ヤバイという事である。
それも かなり前から・・・。

今まで 結びついていなかったことに 愕然とした。
 
水は 水。 森林は 森林じゃなかったのよねぇ。

12月1日に ブックマークにある「炭は地球を救う」
炭作さんの奥矢作で「だいず先生…」の名古屋大の
高野先生が進行役をされてシンポジウムがある。

永源寺の方にも以前資料を送ってあった。
昨日 お会いして
「シンポジウムの事 教えてもらってうれしかった」と
言って頂いた。もちろん 参加される。
この方も 炭窯の近くの木が元気な事を実際に知って
いる人だ。

もう一人 霊山の山で仕事をされている方も
最近 山の樹に元気がない事に気がつかれとの事なので
炭を森林に還して 元気にしたいという話をしたら 
ぜひにと言われて 一緒に行く事になった。 

永源寺から 多賀 彦根に続く鈴鹿山脈で仲間が
少しづつ増えつつある。

シンポジウムの詳しいことは 炭作さんのブログ
ご覧下さい。

 

持続可能な木造建築の基本

2007-11-24 | 持続可能な社会

先日の どっぽ村プロジェクトの建築途中の写真。

基本的に、長持ちさせなくてはいけない社寺仏閣は
このような構造になっている。

どーんと 柱が直接 土台に載っている。

今の ガチガチの建築基準法から見ると

とても 危うい感じはするが 免震構造なのと

虫に食われたり 腐った時に直しやすい構造になっている。

実際 築70年の実家を以前直した時はこの構造だったので
一部の補修ですんだ。

長く 使える住まいにするには もう一度
建築基準法を 根本から考え直す時期にきているのではないかと
心底思う。


この大木で家 建ててみませんか

2007-11-23 | 地元の木
これは 多賀町一之瀬のこの間 新月伐採した杉の木です。
大きいでしょ。
まだ 計ってませんが 30M以上はあるんじゃないかなー。

三連休で お時間のある方は 下の写真で樹齢数えてみて下さい。
私は 今日も仕事でお疲れさんざんす。



先日 ブログに書いた これまた太いケヤキ
土に見えるけれど 株はもう少し広く 1.2m位あるかなー。



生えていたイメージは こんな感じかな。
わっ 赤フン みたいになってしまった。
はずかしー



赤フンで いまいちわかりにくいですが
ほんと こんな太い木をどこに倒したのか不思議なくらい
土壌もきれいなままで 抜き伐りされていました。

ゴロゴロしているのは、枝です。
枝といっても とても太い。
実は、枝の方は虫にやられていて ちょっと製品には
使えない感じでした。

しかし こんな大きいケヤキの樹齢はいかほどなのでしょう。
私たちの地域は 石灰質で あまりに長く水を吸ってきたので
株の中心にある白い筋は その石灰らしいです。



ちゃーんと 土壌の水分を吸い上げているのですねぇ。

滋賀県職員や行政にお勤めの方を誉めてあげてください

2007-11-22 | ひとり言
もう少し前に 滋賀県の財政が危ないという事で
知事と対話する会があり 半ば だまされて行ってきた。

実は、そんな会が滋賀県で催されるのは 初めてらしく
県の職員の方も ちょっと緊張気味だったらしい。

対話と言っても 最初半分は どんなに大変かという話があり
途中の15分間の休憩時間に 質問を簡単に書いてと言われ
それに対して 抜粋して 知事が質問に答えるというものなので
ディスカッションをするという風なものではなかったので
「ぜんぜーん」心配無用な段取りにもなっていた。

さすが 行政マン ! やるなーと 妙な所で感心した。
ふと 株主総会みたいだとも 思ったけど。ハハハッ。

内容は ともかく

いや 本当は「造林公社」の問題は 直に関係してくるのだけど
自分の中で まだ消化できてないので いつかの機会に…。

知事の話は、さすが大学の先生をしていらっしゃっただけあって
たとえを出して わかりやすく ソフトだった。
少し 煙にまかれた気もしたけど 何かを変えようとする思いは
伝わった。

でも 一番印象に残ったのが 最後の方に 
「行政の人は、文句を言われる事が多いので 
もし 良い事をしたなーと思ったら 誉めてあげて下さい。」
と 言われた事だった。

確かに そうだなぁ。
誰だって 誉められれば がんばっちゃうし
もんくばかり言われたら 卑屈になる。

もんくを言われるのだろうという前提があると
つい 構えてしまうのもわかる。

今日も 会議があって県職の人が一緒だった。
会議なので意見を言ったけど 言ってる私は
その担当の人を責めているわけではないのだけど
なんとなーく そんな風に受け取られていたかもなーと
少々 反省した。

実際 よくやってくれている人はたくさんいるし
自分では どうしようもない事もいっぱいあるだろう。
基本的に みんな町を良くしたいとか
町の為に役に立ちたいと思って その仕事を
選んだ人も多いのだと思う。

悪い事は、マスコミで取り上げられやすいし
確かに 困った人もいるけれど
ほんと もし よいことがあったり 助けてもらったりした時には
ぜひ これからは 皆さん どんな些細な事でも「ありがとう」と言ってあげて下さい。

文句だけの投書(メール)だけじゃなくて
よい事をしてもらったメールが届くと
きっと また がんばってもらえて 活気があって
前向きな行政になるんじゃないかと思った次第です。

今まで お世話になった行政の人 ありがとう。
これからも 期待してるぜぇ。

森林と農業をつなげる "どっぽ村"

2007-11-22 | 森林と樹と人
ここ数日間は、山三昧

これは、湖北町上山田にある「大戸洞舎(おどふらしゃ)」

ここでは 農と建築から「自分らしく生きる」を見つめ、職人を育て・サポートすることを目指す“どっぽ村”プロジェクトが始まっています。

自分で家が建てられて お米や野菜が作れるよう
つまり「独歩(どっぽ)」出来るようにと
大戸洞舎の松本さんと半農半大工の清水さんが中心に
活動されてます。

いや ほんに ほっこりする場所でした。

くくくっ。ほんと 色々つながります。
樽材も 見つけちゃったもんねー。

生き物の基本を 認識させられます。

自分で家を構えて 自分で食料を獲る。
考えてみたら ツバメもやっている事が現代の私たちには
出来てないですもんね。

生活のベースが確保できるというのは すごいです。
鎖国になっても 生きていける・・・・。ハハハッ 


昨日は、伊那に行く途中 三段紅葉?した雪をかぶった駒ケ岳を見て



今日は、愛荘町の宇曽川ダムの少し上の
明治砂防を見てきました。



又 詳しく書きますね。

壊れかけているローバー114

2007-11-19 | ひとり言
いつからなのか 駐車場にポタリポタリと緑の丸ーいわっかが…

車を降りると 甘酸っぱい においがぁー。

数日前 やっと重い腰をあげて ディラーに電話をして日曜に点検の予約を入れた。

その帰り、コンビニに寄って出てくると とても親切な方が「パンクしてますよ」と教えてくて 自分の応急処置用のスプレーみたいなので空気を入れてくれた。
翌朝、タイヤ交換をしたけど それも危うい状態なので 車の点検のついでにスタッドレスに替えてもらう事にした…。

うーーー。

やはり、ラジエター周りが二ヶ所 やられている。



このように土場でも山でも ガンガン乗り入れるし
まともに磨いた事もないんだけど
1995年 英国生まれの可愛いやつなのよねぇ。

二度目に 私のところへお嫁入りしてきてくれたんだけど
それでも かれこれ7年のお付き合い。

外観は、今時の軽自動車よりちっちゃいし
なーんか最近良く似た日本車もあるけど
いっちょ前に ブリティシュグリーンで
ちっちゃなエンブレムが こそっと誇らしげなのよね。

ほんとは ルノーの5が一番好きなんだけど
これは もっと昔に製造は終わってるし…。

これ見よがしじゃない 外観も好きなの…。

ミニとは違って 引取り手がなくて 
何年か前に メーカーがつぶれてしまった。

内装はウォールナットの本物の木のパネルだし
本皮のシートなの。

こいつの最後を見届けるまでは…
一生 添い遂げてあげるぜ と 約束したのに…

心が とても揺れているダメな私…。

修理代は 15万位。
でも 治しても次々 色々 出てきますよーと
ディラーには 脅かされている。

そんな事 知ってるもん。
その前は シャフトが折れて 30万したし

前の前の サンクなんて クラッチバンが
割れて 床から雨が降るまで 乗ったんだからぁー。

車検までは 一年ある。
今 手放せば 確実にスクラップ。
普通で 12km/L 高速や長距離 走れば 14km/L

そこそこ 出来のいい子なの。

でもね でもね タイヤ替えたとたんに
今朝 初雪だったの。伊吹山も多賀の山も…。


これは 伊吹山の今朝の写真。

なんだか もうちょっとガンバルから
おそばに おいてねって 言われてるみたいでしょ。

確かに プリウスの燃費はいいけど あるものを
ナガーク 使うのも大切だし
プリウス買った時の消費税分だと思って 治すかなー。

あー 山に行く事もあるから ジムニーかぁー。
四駆だし 雪にもドロにも強い。

と ふりだしに戻ったりする フラチな今日の私くしでした。

そうそう 壊れる時は 色々一気にくるのよねぇ。
テレビだったり 身体だったり って 思っていたら
今日は 本社が 壊れてました。ハハハッ

激突の跡は こちらをどうぞ…

お昼にいつも私が車を止めている所なので
「しまった ローバー置いておけば…」と
一瞬 思ってしまった イケない私でした。ハハハッ。

鎖国になっても生きていけるねぇー。

2007-11-16 | 

自社の工場に行ったら おっちゃん(私のほんとの叔父でーす)が
こんなものを 作ってました。

何 ゆえにと そんなものを作っていたのか 聞きそびれましたが

「おっちゃん これがあったら 鎖国になっても生きて行けるねぇー」

「おーーー いけるぞぉ」

火が着くのに 3分から5分かかるそうです。ハハハッ

災害やアラブの石油王がイケズした時の為に
薪とこの道具のセットは いかがでしょう。
着火に必要な 杉のカンナ屑と 小枝が
もれなくついてきまーす。

なんと 杉のカンナ屑は 多賀大社の絵馬と
同じ 木を使用。ごりやくもあるかもー。

今 ご契約頂ければ お安くしときまっせー。

なんてね。ふふふっ。

鹿がなぜ 増えたか

2007-11-16 | 壊れかけてる森林
今日は ずっと山の仕事をされてきている
まさに「山を守り 育てるプロフェッショナル」な 
おじ様とお話してきました。

鹿がなぜ増えたか。

この間、木を伐採する事を仕事にされている
素材業者の社長には、普通は年1回しか子供を
産まない鹿が 年 二回 出産すると聞きました。

今日は、鹿の子供が死なないからだと聞きました。
動物愛護からだと良い事に聞こえますが
温暖化で私たちの町も 以前と比べて
ずいぶんと雪の降る量が少なくなり
昔は、10匹中5匹位しか冬が越せなかったのに
今は とても生存率が高いそうです。

前回のブログのリンク先にもありましたが
フィンランドでは、温暖化が原因で土壌が凍らず
木材の搬出が大変だそうです。

今まで フィンランドからの建築材の輸入は とても
多かったのです。

ミサワさんをはじめ フィンランドからの輸入に
頼っていたハウスメーカーさんは 大丈夫かしら、
ありゃ もしや うちも入れてたりしてぇ~~~

じわり じわりと色々な所に影響が出はじめてますね。

そうそう 話を鹿に戻すと 実際に 小鹿が根っこの方から 
杉の樹皮をめくり 樹液をなめているのを目撃されたそうです。

樹皮がめくられると その木はほとんどダメになってしまいます。

これは 餌の問題だけではなく やはり山の水でしょうねぇ。

それと スギカミリの話をしましたら
最近は ○○ダニ(正式名称を聞きそびれました)も
ひどいぞー と おっしゃっていました。

たぶん これも後から問題になってくるんだろーなー。

ケヤキも枯れてきているそうです。あー悲しい。

ナラ枯れの研修に行かれたそうですが
やはり 思ったとおり 枯れた木をどう始末するか
又 薬のやり方や 伐採した木の殺虫の方法の
レクチャーだったそうです。

殺虫剤まいて、後の廃棄物処理は どうするのでしょう。

炭にすれば 虫は死ぬし その炭を せっかく
それまで育ててくれた大地にありがとうの意味もこめて
還せばいいのにねっ。

って 多賀大社なんだけど もしかしたら動き出すかもしれません。
鎮守の森だし なんとかしたいのよねぇ。
おじ様も 実際に炭焼窯や小屋のあった辺りの樹が とても元気だというのを 肌身でご存知なので「そりゃ ええことや」と言って頂きました。

それと ずっと 山を見てこられた方は やはり時間のスケールが違います。

営林署の方が、もう森林はぜんぜんだめですわーと嘆いているのを
「何 言ってるんや。1本1000円やったとしても すごい金額やし
何年かしたら すごい財産になるんやでぇ」と 言われたそうです。

私も そう思います。

今までと 今しか見ていないと 悲惨ですが 少し先を見ると
森林環境の悪化と 後継者の問題を抜きにすると
日本の森林の未来は とーーーって明るいと思います。

今 その二つの手を打つのが 一番大切なのではないでしょうか。