樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

忍者とワシントン条約

2008-05-24 | ひとり言
これは、母が風邪かなぁーと思ったら
煎じて飲む漢方薬です。

実家にいる時に 置き薬屋の 日野の岡平さんが
やってきました。

富山の薬売りが有名ですが 滋賀の歴史も古いのです。
織田信長の時代から もぐさなどが始まり
何せ 日野や甲賀といえば 忍者ですし…。

私は、商社 → 近江商人 → 忍者・山伏 → 木地師
ルーツをたどれば こうではないかと 思っていますの。
全国を歩ける 薬売り・猿楽・神社のお札 
山の7合目以上は、自由に使ってもいいと言われた木地師。

ロマン ですなぁ

あっ 話を戻さなければ・・・

置き薬は 使った分だけ、清算して また新しい薬を
置いていかれます。
後払いなので つい 気楽に使ってしまいます。
でも 助かります。

近江商人の 基本ですねぇ。三方よし です。



すごい ネンキが入っているでしょ。薬箱です。

「私が物心ついた頃から この箱だったような気がするわぁ」と
岡平さん( 会社の名前ですが…)に言うと

新しい箱に変えると なぜだか 使ってもらえなくなってしまうらしく
先代からの言い伝えで と申し訳なさそうにおっしゃってました。
何も せめていないのですが…。
それにしても 不思議な消費者心理ですね。


それと もう一つ。
今は、透明のパッケージもしてあるのですが やはり 湿気を防いでくれるので 薬には 木の箱がいいそうです。プラの箱だと 結露してしまったりして お薬の保存には イマイチらしいです。

皆さん 薬は 木の箱にいれませう。



うちの下段も ネンキものでしょ。ハハハッ。
何せ ほぼ築70年。

実に 便利です。このようにテーブルになったり イスになったり。


で 岡平さんは 赤とゴールドのシールがついた
「万病感応丸」を二つ並べ( 一番上の写真)

「ワシントン条約で、絶滅危惧種になって じゃこうが入手困難になり 成分が少し変わりました」

と すまなさそうに 説明をはじめられました。


「じゃこうって なぁに?」

「中国のシカです」

「日本の鹿じゃ ダメなの?」

何せ 最近は 鹿の害がひどいので 何かにできないかと考えてしまうんですよねぇ

「はい 中国のジャコウジカじゃないと…。煎じた時の匂いが脳に作用して。この薬の独特のにおいの元なんです…」

「ふーん????? 匂いねぇ」

「ムスクと同じ成分なんですが、漢字をご覧頂けば…

と 顔を赤らめた岡平さんを見てなんとなく、想像が…


麝香


それよりも 何よりも 海外旅行で「ムスク」を買ってきてと言った友達の顔が頭をよぎった。 知っていたのだろうか。原料を…。

話題をかえなくちゃ… とっさに

「祖先は 忍者 だったのですか

あまり 唐突だったようで 反応がすこぶる悪かったことは言うまでもありません。。。。。。


Wikipedia で 今 調べましたら 似てるけど違う場所だそうです。

こんど 岡平さんが来た時に 教えてあげようっと。

バックもネンキの入った木製でした。



紙をめぐる冒険 4

2008-05-20 | 持続可能な社会
山に生えている木は 建築材に使えるものばかりではありません。

写真は ナラ枯れの木を運んでいます。
薬剤で処理されたりもしています。

数台分ありましたので これでかなりの量の紙が作れます。

もちろん ペレット、薪、炭、更にはバイオマスエネルギーにも期待したいところです。

しかし それは すぐには 普及しません。

今 一番 すぐに切り替えて使ってもらえるのは 製紙業界です。

遠い国の原生林をきり開いて作られたであろう 樹の農場から運ばれてくる持続可能なバイオマス。

合法性が確保できるように メーカーも すごく苦労されてきたのだと思います。

紙も用途によって、広葉樹と針葉樹の配合率がかわるそうです。

広葉樹も 必要なんですよね。
大きくなった樹から 虫にやられて枯れているんです。
里山も 間引いて 更新しないと。



よくよく考えてみると 
古紙の配合率がどうのこうの、海外の熱帯雨林の違法伐採がどうのこうの責めるという 高飛車なやり方は そろそろ方向転換して

みんなで 日本の森林資源を使ってもらえるよう 
製紙業界にお願いするくらいの政策や 国民の「広葉樹は 伐っちゃだめ」という風潮をなくことを考えていかないと…と 思い始めています。


萌芽更新できない 大きくなりすぎた樹が多くなってきました。

将来 コストやエネルギーの使用を極力押さえた持続ある里山を残すには 今から対策をしておかないと まずいです。

20年から30年で根っこを残して 更新していくと 植林する手間もかからず 早く芽が吹くので 土壌や環境も守れます。

先進国でありながら、こんなにも森林が残せたのは 今まで海外の森林を使っていたからですよね。

もう、充分 育ちました。いや すでに 育ち過ぎました。

私たち生活者が、恩恵を受ける多様性のある森林環境を守るには、手間ひまがかかり コストがかかるという事を 消費者として 自覚しなくちゃねと思います。

国産材を使った紙を もう少し高く買って頂けるようにならないかと思います。


それは、製紙会社や林業の為ではなくて 私たちの環境を守ることにつなげる為に…。 

ほんとは、紙に国産材も使われているのですが 間伐材以外は なんだか こっそり使っている感じなんですよね。

もっと どうどうと 国産材を使っていると製紙会社の方も言って欲しいわん。

これで 紙の話は ひとまず 終わり。

紙をめぐる冒険 3

2008-05-19 | 持続可能な社会
紙をめぐる冒険 2
の最後の表です。

実は、これは 見慣れた放物線なのと
樹齢別の面積 と いうのが実に説得力にかけるとの指摘を受けておりました。

下の表が この後に続けたい 森林のあり方です。
いきなり バスッと森林の生態系を変えるとまずいので 徐々に若い樹を増やして行きます。



2030年頃の私がこうあって欲しいと願う姿です。
今 樹齢40年前後の樹が多く 森林の二酸化炭素吸収量はピークに近いらしいです。これから 樹も年をとっていくと 光合成の力も弱まり 新しい若い樹が育たないと 京都議定書的にも日本の森林の吸収量は落ちていくという話を聞きました。



そして これが 森林と人が共存していくと決めた場所のあるべき持続可能な姿ではないかと思います( あくまでも イメージです )

このグラフをご覧頂くと わかると思いますが すでに ここ長い間 針葉樹も広葉樹も伐採されず 新しい樹も育っていないので すでに 落ち込んでいる部分は 取り返しがつかないのです。

この話は、何度か ここでも出しているのですが

それで なぜ これが 紙と関係するか…。

伐採した木の使いみち。
使ってくれるところ 買ってくれるところがないと 伐れません。

山主さんにも 手入れしてくれと言えません。


つづく

48% 二酸化炭素 削減できました☆

2008-05-17 | 環境コミュニケーション
森林の話をしだすと 止まらないので
今日は 軽く 会社のブログの使いまわしです。

2050年を待たずして 2007年度の会社の
二酸化炭素排出量を集計したら 後 
少しで50% 削減です。


でも 以前と同じ形態で こんなに削減できた訳ではないのです。


スコン と チリ産材などの輸入材を使っていた
木箱やパレットの部門を やめたんですの☆


ウッドマイルズは まだ カウントしていませんが
それを入れると もっと削減量は増えます。

決算が 怖いけど。ハハハッ。


地元の木を扱いだして かなり価値感の違う計画が可能になってきました。


といっても… うちが作ってないだけで
他の会社にお願いしたので 県全体としては
木箱 パレットの環境負荷は 変わらないんですけどね。


ほんと この部門が近くの木を使って頂けると
ウッドマイルズ的にも 森林・間伐・林業も

すんごく よくなるのですが…。

がんばろーっと。

そうそう 今日の会社のブログに エノキという木を製材した話をUPしました。


ほんと ビックリ です。

製材して 数分もたたないうちに 反ってくるんです!

川沿いだったそうで かなり無理して 生えていたのでしょうねぇ。

おーーー やっと 開放されたぜ!
暴れまくってやるぜぇー という感じでした。

ついでに 写真 のせておこーっと。



お暇な方は、こちらをどうぞ。

エノキとケヤキの違いもUP してますぜよ。

更新ができない・・・

2008-05-17 | ひとり言
あー 書きたい事は 山ほどあるし
続きや 宿題もあるのに なかなか更新できなくて

竹が どんな勢いで成長するか 写真に撮っていたら
だいず先生のブログに 書いてあったので 写真もアップしたいのだけど…。


また ブログを つくることになってしまって!

kikidas 「湖東地域材循環システム協議会」

会社のブログと 同じところなので ついつい
たたき台にと つくってみたら 担当にさせられて

でも うれしい。

やっと 地元の森林に係わる 色々な立場の方々との
ネットワークができました☆

川上から 川下 一歩 手前まで

仕事が違えば、同じ木を扱っていても 見かたも苦労も違います。

もちろん 同業者もいらっしゃいます。

お互いの事を理解することが まず 第一歩

そして 途切れていたものを つむぎなおして 更に新しい仲間も加わって
地域のみんなで 森林と人との共存を模索していくという感じでしょうか。

ほんと 勉強になります。

仕入れたことは また こちらでご報告しますねぇ。

紙をめぐる冒険 2

2008-05-13 | 持続可能な社会
木材チップの価格が 平成19年度は
輸入広葉樹が 12500円 だとするとと
輸入針葉樹が 10000円
国産広葉樹が  9000円
国産針葉樹が  5000円

わが社では、あまりの安さにチップの製造は
やめた。その頃は外材も樹皮も混在していたので
更に 国産針葉樹の1/3から1/4 の引取り価格だった。
電気代もでなかったくらい。

相場をしらなすぎた。。。。
インターネットのおかげである。
もう一度 やってみる価値はあるかもね。

これも 流通が複雑になっていたからなんだろう。


安いのに 使われていない 国産材。
安定供給の問題もあるが これから
不安定になるであろう輸入木材よりも
先を見れば 安定した国内資源の需要に向けて
体制を整えた方がよいと思うのだが
森林伐採は いけないという 刷り込みのせいで
国内の山に手がつけられない状態なのかもしれない。


グリーン購入に関しては、今回のエコ偽装問題から
バージンパルプは、間伐材等が使ってあるものはOKと
いうお達しが もうすぐ出るそうだ。

でも それも 古紙100% と 同じ問題を含んでいる。

間伐材偽装が生まれる。

間伐材と偽装する人の問題ではなく てね。

日本の森林資源である間伐材を入れて頂いたことは ありがたいが
本当には「森の環境」「森の時間」「森の人」と
現状の流通や 木材 紙という素材について熟慮した上での
対策だとは思えない。

間伐材の定義じたいが あやふやなのと
そもそも もう 間伐材キャンペーンは終わりにしてくれないと
森林の持続ある更新ができなくなってしまう。



森林も高齢化して 多様性が失われてしまう。

つづく

紙をめぐる冒険 1

2008-05-12 | 持続可能な社会
最近の私の頭の中は、紙と土と森林組合に占拠されている。

未知の領域だ。

持続ある森林・環境を考えた時に 
目を向け、変化がおきるキッカケづくりが
必要なところだと思っている。

まずは、紙。

長いと 友達からクレームがきたので 分割しますね。
ご覧頂く方は、ボチボチ 読んでください。

エコ偽装といわれたなんやかやがあったけれど 
元々 古紙100%じゃないと
グリーン購入にしない! とした方が 無茶な話だった。

ごまかしは いけない。うそもいけないけど
同情もしてしまう。

製紙メーカーさん 文具メーカーさんと
最近 お話する機会があり ほんと どこも大変なのだと
慰めあいたい気持ちになった。


ほんとかわいそうになる。
特に 製紙業界は フラフラではないかと感じる。

安すぎる。最近は、コピーの機械をリースすれば
おまけに ついてくるという感じさえする。

なぜか。
最終的に紙を消費者に届けるのは、製紙メーカーではない。

エンドユーザーと直につながる販売メーカーは
価格競争にさらされるのと 企業努力が要求されるので
仕入れる製品をなるべくコストダウンしようとする。

すると製造メーカーは、原材料をなんとか抑えようとする。

つまり 紙の場合は 木材 である。

熱帯雨林の違法伐採に関与しやすい分野なので
最近は、ユーカリなど 5年で収穫できる
合法的な素材に切り替わりつつある。

価格を見て 驚いた。
原料が高くなっているのに 私の印象では
紙は 安くなっている。

続く・・・


水をめぐる冒険

2008-05-08 | ひとり言
事務所の隣の小川の水が とても 少なくなった。

井戸から引いている水道の水も 何気に一定に出てこない。

うーん。田植えだぁー。と 気がついた。


これは、先日 オープンハウスをさせて頂いた家

家側から見ると こんな具合



多賀町土田

多賀という地名の近くには、必ず 土田という村があるらしい。
これは、神様の日本統一と関係があるのだろう。

 
多賀大社の鎮守の森を通っている太田川や 
鈴鹿山脈から流れている芹川の水が引かれているのだろう。

太田川は、WWFとブリジストンが 
びわ湖生命の水プロジェクトで自然観察会をされた
メインの川だ。

ブリジストン

WWF

気になって、水をたどった。

久しぶりに 土田の村の中を通ってみた。

すると びっくり! 普通の側溝の幅なのに 水車が…


大きそうに写っているが 私の身長より低い。
さらに いくつか 小さな水車も



途中、芹川に流れていくほうと、
南の犬上川に流れていくほうと
巧みに 分水している。リスク管理かなぁ。

こんな風に 今も水が利用されていた。


よくよく考えてみたら、芹川と犬上川に挟まれた
短い距離の中に 土田はある。
もちろん 水田が一面に広がる。
最近は、そば畑も・・・。

そして真ん中にある太田川は、わざと多賀大社を
通るように創られた川らしい。

何で 水車があるのかは まだ不明だけど
土田の人にとって 水がとても大切なのは
複雑な構造の水路を見て よくわかった。

今度は、歴史が気になってきたぞぉー。

って ブリジストンの活動報告を見て 反省。
同じ企画に 弊社も参加して チラッと写ってるのに
何も どこにも 載せてない。キャー

伏見 銘酒ラリー5

2008-05-07 | ひとり言


黄桜の中庭です。かろうじて ちょこっと 黄色の桜の花が残っていました。



こちらで 酒ソフトクリームを頂きました。


英勲 齊藤酒造

ここが、私の好きな「やどりぎ」を作っているのですが
「やどりぎ」は 普通の酒屋さんでは売ってないそうです。

タンクを指定して 特別に…というものらしいのですが
同じベースのお酒があるという事で それが「古都千年」らしいのです。

でも なんか 違う。絶対 違う。
と いう事で ほとんどの 英勲のお酒を飲んできました。




蔵元直営店でしか 飲めないという
「醪音(もろみね)」シリーズ

私的には このシリーズの真ん中クラスの香りが
どうも 一番 好みなので やどりぎに近い気がするのだけど…。



こちらの 油長という酒屋さんでは 伏見のお酒が
ほとんど 揃っていて お猪口 一杯づつ 利き酒が
できます。





伏見 銘酒ラリー4

2008-05-07 | ひとり言
ほんとに 久々にヒットな企画でした。

ほんとは スタンプ 押してないので ラリーに
企画名を変更しました。

蒼空(藤岡酒造)

ちょうど 写真の真ん中あたりの杉玉の上に

どなたでしょうか お守りいただいていました。


これが 今回のラリーで一番最初に頂いたお酒です。


このポストカード 結構 私がのんでる時に似てるかも…




このバックに見えるホウロウのタンクが 
昔は下のように木樽に わらで 
こんなにキレイに断熱されていたようです。
日本の造形美です。

かなり 大きい樽なのですが(月桂冠)