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樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

色々な木が体感できる オープンハウス

2012-01-13 | 近くの山の木で家を建てる意味

すごく、のんきなペースの更新ですが 今年も どうぞよろしくお付き合い下さいませ。

今日は、CMです。 色々なメディアで お知らせしているので 「しつこいんだよーー」と 思われる方もお見えかもしれませんが、お許し下さいませ。

明日 2012年1月14日(土)15日(日) と 滋賀県の多賀町多賀にて オープンハウスを開催します。

ここで、使われている何本かの木は ほんと近くの森の木です。
育てて頂いた山主さんも 生えていた場所も知っています。

長い時間をかけて、自社で伐採し天然乾燥させてきました。

杉・桧・地松・栗・欅・桜・もみ・栃・松・桐・漆・和紙・土・・・
合板も集成材も、滋賀の木や日本の木。

適したものがなければ、輸入木材もつかう。でも、ほとんどは この国で育った木。

適材適所と 大胆な「木づかい」。
木材と ひとくくりにする建築って おかしいと心から思える。
金属にも 鉄・アルミ・銅 とあるように それぞれの樹種はそこに適する性能として選ばれ、一番 適した形に加工され、家を構成する部材となる。

「近江の森と樹を活かす家づくり」

心から、取り組んでよかったと思える 住まいが完成しました。

明日14日(土)の朝の湖東地域の新聞に折込チラシが入ります。
チラシのPDFを含め、地図等は こちらをご覧ください。

マルト イベント情報 



もっと、詳しくは ブログをどうぞ。

 

 


住まいの温暖化防止と生物多様性とのバランス

2010-12-22 | 近くの山の木で家を建てる意味
Twitterを見ていたら、枝廣淳子さんが 自治体の長の方のプレゼンを実況中継して頂いている間に挟まり、松の木を枯らすマツノザイセンチュウを雨でも 雪でも追いかけているんだぜ!と いう林業青年のお叱りのつぶやきが入った。

松枯れも ナラ枯れも 直接原因は 虫かもしれないが、根本原因は 違うと個人的には感じているので(過去ブログ参照)
短くしかかけないので『虫のせいではない』と 書いたのが失礼にあたったのだろう。

むずかしい…

せっかく、育て、育った木を自らが伐採し、障害木として放置、もしくは処分しなければならない時の気持ちは察するに余りある。

ピークオイルが 2006年にきていたと 発表があったそうだ。

何%削減や今の省エネは、通過点でしかない。家は 何十年も持つし 木は 育つのに何十年もかかる。

エネルギーと資源を輸入に頼っているわが国で仕事をしている限り、想像力を働かせて リスクに備える必要があると思っている。


松は粘り強く、建築外でも大切な資源だ。物心ついてから、米松は身近にあったが、これからずっと米松は輸入出来るのか、集成材は石油がなくなっても製造出来るのか…コストは?

他国の思惑や、自営手段に振り回されなくても済むように、ヤッパリ地松は大切な資源として、先手を打って育てて頂けるとありがたい。

海外に頼らずとも、地域で住居を作れるように整えておく事。煮炊きと暖に必要なエネルギーは最低限 地域で準備できて それに対応出来る家にしておく事。

今、建てる家も後に地域で手には入る素材で直しやすいように作っておく事。

そんな事を考てみると、いいのかこれで!?と思う事も多々ある。

何より、最近 心配なのは 白アリ。昔の家は 見た目 虫に食べられていても、芯までやられている事は少なかったが 最近、増改築が必要になった少し古い近年建てられたら家で、柱や梁が原型がない位、白アリにやられているのを目にするようになってきた。

白アリのいない地域の木を使っていてもいいのか
国産材でも、元々ある防蟻防虫成分を揮発させる乾燥の仕方をしてもいいのか。

断熱 気密を重視するとエネルギーの消費は減らせるが 人間にも白アリにも 快適な家を作る事にならないか

今、現在の計算で強い構造でも、木が劣化したら 元も子もない。

建築も生物多様性と温暖化防止を同時に考えなければと思った2010年でした。

製材工と 近江八幡の構造見学会

2009-11-29 | 近くの山の木で家を建てる意味
今日、構造見学会があります。

「見えないところも男前!」骨太住宅構造見学会

よろしかったら ご興味のある方は こちらを

実は 普通 構造見学会ってとても面白くないのでどうしたものかと
今まで みんなが撮った写真や ブログを見直しておりました。
 
製材工なんて職業があるのを弟が書いたブログを読むまでしらなかった製材屋の娘なのですが、もし 製材工になりたいという若者がいたら ぜひ 読んでみて欲しい

って そんな人はいないか…


木造の家を建てたい人や 木や森林 林業に興味のある方はぜひ
下記のブログをサラッと見てから 現地に行って頂けると
何倍も おもしろいです !

  
これ勧誘じゃないんです。手前味噌のようで恐縮で その道のプロの人からはどう言われるかわからないけれど 今まで知らなかった世界なんですよね。


山仕事・製材


たから、林業はダメなんだ とか言う人も多いのですが
建築して 長く家や木を使って頂こうと思うと
製材工が 伐採や玉伐り 建築を知っているってすごく大切なのだ気がつきました。

建てた家に対して 責任を持つという事は 最初の資源の採取(うちの場合は木材なんだけど)から 加工にいたるまで ちゃーんとしなくちゃいけないと改めて思いました。ちゃーんとする事と ニーズに応えたり 競争力を持つことは違うんですよね。

ほんと 見えないところが 男前なんですよね。

お施主さんが うらやましくなってしまいました。


自分の会社のブログなのでいつも読んではいたのですが 
今回の建物とリンクして見ると すごく勉強になるんです。

木を扱うって ほんとはこういう事なんだなぁーって。

また どういうことか いつか書こうと思います。。。。。

いつか・・・



のってるじゃん。マルトのブログ

2008-02-05 | 近くの山の木で家を建てる意味
手前味噌な感じで 恐縮ですが
会社のブログが おもしろい !

社員といっても 弟たちなのですが
それぞれの現場の事とか 書いているんです
 

ほほっー そんな事まで やってたのー。
すげっー★ なんて 思いながら読んでいます。


大黒柱( 丸柱 )の端材を飾りに使ったり
いやー 込み栓まで 自家製なんですよぉ。

下の写真の山の樫の木を製材して 作っているらしいです。




勉机の長ーいカウンターの脚も 
ケヤキの枝(直径7cm)って書いていたいたから 
きっと 滋賀県 多賀町一之瀬のケヤキだろうと思います。

いやー いい感じ。

近江の森の木を 存分に活かしてくれています。

ほんと 建築士やデザイナーの方も 山にいけるとおもしろいですよ。

林業の人が、捨ててくるものの中に ウホウホするような素材って いっぱい落ちてるんです。

わが社の場合は、拾ってきていても 父ちゃんが炭にしてしまいますけどね。ハハハッ

お暇なら のぞいてみて下さい。

あっ 私と社長は とてもカタイですが 後のやつらは ゆるーくかるーいので とっても読みやすいので ご安心を。


近江の森と樹を活かす家づくり…マルト


そうそう 父ちゃんといえば 今 東京ギフトショーに行ってるんです。

全国商工会のブースにいます。

竹炭パウダーを どうやって ギフトに…?と疑問もありますが
ドイツからも 話がきたりして 張り切ってます。

小細工して 竹炭のパッケージにカーボンオフセット 1kg と書いておきました。

もし 行かれるついでがあれば ビシバシ突っ込んでやって下さい。

でも 二時間 捕まる覚悟は必要です。

200年住宅と天然乾燥 2

2008-01-22 | 近くの山の木で家を建てる意味
昨日の続きを書くのに
集成材を使った建物の 現存する一番古い建物を調べてみた。

まだ 50年位 らしい。



前に この本の最後に「ちょっと悲しい実例集」と
いうのがあって 時間がたって接着剤がはがれた
合板や集成材というのを見た。

今は 改良されて 半永久的にもつ接着剤が使われているから
大丈夫と書いてあるが 接着剤はもっても 薄くスライスされた木材と その緊密度は どうなのだろうと疑問が残っていたりする。

大丈夫だと言われても 実際 長期に使われてきた実績がないから 自信を持って進められないの。

それと 炭を焼いているので木材に熱を加えると 木酢液というかなりの酸性の液体ができるのを知っているので 人工乾燥で熱を加えると木材が酸性化するのは理解できる。

燻煙乾燥も 昔のようにあまり釘を使わない工法だと 囲炉裏のある昔の家は燻されて 虫がつかず長持ちするという説には 納得するけど

今のように バリバリ釘を使う工法の場合 錆びが気になる。
ステンレスなら いいじゃんというかと そうでもない。
少し 錆びる方が抵抗ができていいらしい。

でも 強度の酸性の場合 かなり錆びると大工が嘆いていた。

それと 高温 いや かなり気を使って低温で乾燥させても
木の繊維が壊れる。

表面はきれいでも 木の中が頼りない感じなの。
つまり 釘や 木と木どおしでも「効かない」感じらしい。

これも 大工がトンカチの感覚でわかるらしい。

200年 家を持たせるというのは 強くすれば良いわけではない。

昨日の続きのブログを書いたので ご興味のある方は
こちらを・・・

おまけブログ   

滋賀の木で 家を建てる

2007-11-06 | 近くの山の木で家を建てる意味
滋賀県産材「びわ湖材」を半分以上使って建築される方には
木の香る淡海の家推進事業で 上限で「柱が100本プレゼント」されます。
写真は、それを使ってますよぉーという看板です。

今、建築中の「大黒柱の家」 は 大きいので スギ20本、桧80本と100本 バッチリ頂かれました。

大黒柱が すえつけられた様子は こちらをどうぞ。


このように 柱に頂いた「木」だとPRの意味もあって
貼るように指導されています。
右上の マークが見えますか?
びわ湖材のマークです。
ほんとは 焼印にしやすい簡単なマークにして欲しなーと
応募したのですが 却下されてしまいました。グスン。
やっぱり こんな事になってしまうのですよねぇ。
ごみになるじゃん。


今風の家ですが ちゃーんと伝統の技が活きています。
免震構造についての説明は こちら
以前のブログの 栗の木の土台が使われています。
柱が割れているのは「背割り」と言って
簡単にいうと木材の収縮を吸収する為にわざと入れます。
強度には、問題ないです。完成すると見えません。
これも 長持ちをさせる昔からの知恵ですね。



この写真のバックにうっすら見えるのが 鈴鹿山脈です。
山と家が こんな近くで繋がるのが とても うれしい。



上の二枚の写真の中に たまにリンクを貼っている「裏長男No5」やほんとの長男(社長)がいます。No5 というのは 五番目という意味で 実はこの写真の中に私の兄弟が五人いるんですねぇ。
アットホームな会社でしょ。上棟の時は、みんな 総出です。
ウォーリーを探せ! みたいな感じですねぇ。

お施主様も、建築関係の工事の方なので参加されています。
お施主様自身が 自分の家を造るというのに何かしら
参加して頂くという風な 住まいづくりを心がけています。



上棟後 しばらくたってからの写真です。
上にちょこんと出ているのは 越屋根もどきです。

持続可能な住まいとは、このことぞ! 1

2007-10-08 | 近くの山の木で家を建てる意味
昨日 当社で上棟させて頂いたE様邸です。
ご先祖が植えられて、お父様を含め丁寧に手入れされてこられた
ご自分の家の山の木と 滋賀県の柱100本プレゼントで
建築された この辺りの伝統工法の住まいです。

お施主様のお父さんは「洋風の家でいいやないか」と
おっしゃったそうですが、30代のお施主様が
このような伝統工法で建てたいと おっしゃったそうです。

うれしいですねぇ。

又 おいおい工事の進み具合で報告していきます。

しかし、大きなお宅です。
お施主様自身 お寺みたいやなーとびっくりされていました。

きっと、伐採された山も植林され 又 まだ見ぬ子孫の為に
伝えられていく事でしょう。

建設地は 米原町下丹生で この辺りは仏壇の彫刻が盛んなところです。
偶然にも 以前「0(ゼロ)から始める家づくり」でおじい様が植えられたという木で建築させて頂いたHさんとお施主様は 同級生でした。

木の文化が残っていたり、ご家族が山を大切にされてきたのを知っている方の木や山を思う気持ちは、たとえ今 直接 山にかかわっていなくてもきっと受け継がれていくのではと思いました。

もう一つ大切な事。

この地域でも このような伝統工法は少なくなってきました。
どーんと松の丸太の梁が使ってあり、壁も竹小舞を編んで
土壁を塗ります。

これは すべて土に還る素材です。
呼吸する家でもあります。化学物質もありません。
何百年という耐久性が日本で唯一立証されている工法です。

でも 最近建てらる軒数が少ないので 
技の伝承が大工も左官にもされずにいます。
これも 絶対 途絶えさせてはいけません。

今の建築基準法の歴史など とても浅いのです。
又 地方の気候風土により 建方は違います。

今回、私が小さい頃から知っている棟梁と その息子さんが
一緒にいらっしゃいました。
棟梁が息子さんに教えていらっしゃる光景を目にし
すごく うれしくなりました。
しっかり 覚えてくれよぉーと 心の中でエールを
送っておりました。

雁行の腕


雪深い地域なので、軒を支えます。
「雁行の腕(がんぎょうのうで)」と読みます。
検索しても出てこないので この地域の独特の言い方なのかもしれません。

設置する前は、こちらを参照してください。アートです。

ついでに 上棟までの過程は こちら

とても大きな家なので 二日がかりで日も暮れるまでかかりました。

やっと 形になって ほっと一息された棟梁やお世話になる工事の方々です。

おとこ前を揃えました。ハハハッ

柿の木を建築に使う

2007-09-24 | 近くの山の木で家を建てる意味
これは、弟の家の和室の床の間の写真です。

正面に見えるのは、地元の多賀の柿の木の板です。
板の裏に間接照明がしこんであります。
掛け軸かわりに、とてもいい インテリアになりました。

屋久杉などの中が腐って、ボコボコ穴の開いた板も
欄間などに使われたりします。

きれいな木だけでなく、一見傷害があるというものも
活かして風情を楽しむしつらえです。

地元の木を活かすのは、杉や桧だけではないのですね。



これは、すでに私のお腹の中に入ってしまった 前のブログの柿です。

箸置きは、黒柿で出来ています。
東京ミッドタウン価格で 2100円。杉の丸太より 高い。
箸置きに置いてあるのが、梅の小枝で出来たフォーク。
500円だったかなー。
柿が置いてあるのは、たぶん熱圧処理がしてある杉のコースター。
床板にも利用するのだけど、杉の中の成分を熱と圧縮で耐水や汚れ防止のワックスの役目をさせているすぐれものだ。

高いと思うか、安いと思うか…。

仕入れ原価から運賃とか モロモロを引くと作る人はどれ位で作っているのだろう。そこから 更に 木の値段を考えると…。

\100ショップは、サイフにはありがたいけど 海外で作らせて運んでくる。
国産の割箸も、わざわざ国産材を中国に運び 作らせて 又輸入しないと採算が取れないらしい。
輸送で二酸化炭素ばかりでなく 酸性雨の原因物質も排出して 温暖化や森林を壊している事に気がついてから \100ショップにお買い物にいけなくなっている今日この頃です。

なるべく近くでとれて 近くで作ったものをと思うけど これが又 売ってないのですよね。

エコと住まいと「輸送距離」

2007-06-28 | 近くの山の木で家を建てる意味
「1人、1日、1kg CO2削減のために~私のチャレンジ宣言~」

というのが 環境省で取組まれています。
「チャレンジ宣言」というところで 何をしたら どれ位削減できるか計算できます。ご参考に…。

そこには、のっていませんが 
近くの山の木で家を建てる意味を考えていた時に
ウッドマイルズ」に出会いました。



研究者ではないので、アバウトな数字ですが
毎年、滋賀県で家を建てる軒数分の「柱や梁といった構造材」だけでも
近くの森林の木を使ってもらうと 輸送に消費されるエネルギーが
滋賀県の家庭部門の二酸化炭素の総排出量の 3.5%
削減できるという数字が出ました。

個人に置き換えると 昨年 地元(ご自分の山)の木で家を建てて頂いた方は
遠く海外から木材を運んできた今の普通の住宅に比べて
輸送に消費されるエネルギーの差が ざっくりですが、
その家庭の50年分の削減量をすでにクリアーしたという数字にもなります。

なかなか 頭に入ってこない表現しかできなくて申し訳ない

ご自分の山なので、その後 ご家族も一緒に伐採した所に
植林しました。これで 持続可能な森林にもなりました。
森林の吸収源としても カウントできます。

若い木は、また ガンガン二酸化炭素を吸収してくれる事でしょう。

で その話をお施主にしましたら 運送関係のお仕事をされているとの事で
とても 複雑な心境のようでした。

うーーーん。

経済と生活にも配慮した心配りが必要なのね…と 肝に銘じるとともに
そのように 環境貢献してもらった方に 何か少しでも
ご褒美が 差し上げられるような仕組みが出来ればよいのにと
思っています。

個人的には、鎖国になっても生きていける環境が整えられると
とても安心して暮らせるのになーと ポヨンと思っていますが
不便なところに通っているので 毎日 車で通勤しています。

偉そうに言わない 謙虚さも大切ですよねぇ。ははっ