ぢろーらものおもちゃ箱:引っ越し後

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画像の主観(目視)評価

2010-11-24 20:08:56 | IT(その他)

学生時代のことなのでもう何年も前の話となりますが、大学内ではなく外部の企業でお世話になって研究をしていた、という話を以前したかもしれません。そのときのテーマは動画像の圧縮。要するに「少ないデータ量で高画質を送りましょう」という話です。

画像を圧縮する、ということは、その分画質は悪くなります。たとえば、http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/jpeg.html などにあるように、「モスキートノイズ」といって画像の輪郭部分に蚊の大群が飛んでいるようなノイズがのったりします。

まあ、横文字にしてしまうとわかりにくいんですけど、よくデジタルテレビだったりとかカラオケのバックの画像とかで、人の輪郭部分に雑音(たくさんのちっちゃい四角)がのっててちょっと違和感・・・ということはあるかもしれません。それのことです。

そうすると「じゃあ、どこまでなら圧縮させてもいいか?」とか「2つの圧縮方式のうちどちらが優れているか?」という場合に、「じゃあ、どうやって評価、比較したらいいのか?」という疑問がでます。1つは数値的な計算をする方法もあるのですが、もう1つ「主観評価」といって、実際に大勢の人が目視して評価するという、いたってアナログな方法です。

数値的に計算すればいいだけであれば、http://mf-atelier.sakura.ne.jp/mf-atelier/modules/tips/index.php/program/algorithm/a12.html などにあるように、雑音の大きさをもとにS/N比を計算し、それが大きければ高画質となるわけです。コンピュータで実現するのであればそれほど難しくありません。

ただし、S/N比の大小は必ずしも人間の主観とは比例しません。なぜなら人間は「画像が平たん(色の変化が少ないところ)な部分にのったノイズには敏感だけど、あらい部分(色の変化が大きい)にのったノイズに対してはそうでもない」というように、人間の主観評価を数値化しようと思うと非常に大変です。それこそ、そういう分野の研究開発を専門にやっている会社さんもあります(http://www.kmw.co.jp/index.html など)。

人間の感覚の数値化(自動化)というのはそのくらい難しい話になるので、本当に「主観評価」をしようと思うと、実際に人を集めて「この画像はいいか悪いか?」を評価する、ということをするわけです。

今日は「ぢろーらもは以前主観評価に参加したことがあります」という話をします。

その日はぢろーらもとその企業さんで派遣のプログラマをされていた方の2人で、某放送関係の研究所まで行きました。朝10時集合くらいだったかな?我々のほかにも何人か集まってましたね。全部で何十人かはいたと思います。

確かその日、大学で授業があったのですが、先生に話して休ませてもらいました。こういう話だったので、先生もすぐにOKしてくれました。

で、実際やること、それは「10~15秒程度の動画を次から次へ見せられて、その画質の良しあしを、自分が思ったとおり1~5の五段階評価で採点していく」ということです。もちろん、ずっと画面みてたら疲れてしまうので、適当に休憩ははいります。確かに見てみると、きれいな画像と若干ノイズがのって荒い画像といろいろです。

同じような画像がいくつかのパターンであって、それの繰り返しなんですけど、印象に残った画像は「富士山の着ぐるみをきた外国人さん(アメリカ人?)がステージで歌ってて、しかもその富士山が噴火している」というインパクトの強い画像ですぢろーらもはその画像を勝手に「ちゅどーん」と呼んでいました(笑)。

本当に至って単純な作業の繰り返しで、しかも採点は「各自が適当にしていい」のです。だから、当然採点基準は各人ばらばらのはずですよね。当然、けっこうなばらつきがあると思います。ぢろーらもも”適当”に点数をつけてました。

でもこれが不思議なことに、ここまでゆるいしばりにしても、ある程度の人数を集めて統計をとると、平均値は割と妥当な結果になるそうです。その企業の研究者の方がおっしゃっていました。ふーん、それは面白いな・・・

途中昼休憩もあり、昼ごはんは支給されます。たしか、研究所の食堂の食券かなんかもらったかな・・・。その点はラッキーでした。

午後もひたすら同じ作業でした。「あ、また”ちゅどーん”だ」とか、そんなことを楽しみにしてたりして・・・で、その作業も夕方には終わりました。頭使わなくていいけど、やっぱりずっと画面みてるのは疲れるね・・・。

いっしょにいた派遣プログラマさん、いつもはけっこう残業が多いのですが、この日は珍しく「明るい時間に帰れた」そうです。「たまにはいいかな・・・」と・・・

まあ、そのデータ自体がどのようにまとめられたのか、一般公開されたのかあくまでその研究所の内部資料になったのかはわかりませんが、一応お役に立てたのであればよいことにします


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