藤沢周平の「漆の実のみのる国」上・下を読みました。
上杉鷹山の業績を中心に当時の米沢藩の歴史的、社会的、人的状況を其々の角度から
つまびらかに述べて、読者に説明する著者の姿勢は変わらない。
装丁も重厚な漆の実が実る国
あらすじ 小国、日向高鍋藩から米沢15万石の養子に向かえられた直丸(上杉冶憲)
号 鷹山、米沢藩は財政上問題を抱え、苦しい藩運営をしていることを知り、家老、執政
の竹俣当綱や近習の莅戸(のぞき)善政などの手助けを受けながら藩の財政改革に取
り組む。 困難な事業は中々目立った成果を上げられない。
作品評 上杉鷹山を取り上げた小説は何冊か読
でいるが、関係する人間像を細やかに詳述している点ではこの人の右に出る人はいま
い。 この小説が藤沢周平の最後の作品になったとの事。
その為か終わりの章が、改革が道半ばで幕を引いているのは如何にも惜しい気がする。
それにしてもこの有名な言葉も鷹山の言葉だった
のですね。