苦笑い

思いつくまま記録できたらいいね

百田尚樹 夢を売る男

2014-06-25 14:09:22 | 読書

   百田尚樹氏の本を読むのは「錨を上げて」「風の中のマリア」に次いで3作目になると思う。

   何か月前かに図書館に申し込んで置いてやっと届いた本です。

       夢を見る男    百田 尚樹著  太田出版

    内容は、ジョイント・プレス方式(出版社と著者が費用を分担して本を出版する事)を中心に

    している会社の編集長とその周りの人々、そして出版を持ちかけられた著者との間の出来

    事を通じて、出版業界の裏事情を浮彫りにした異色作品(この人の作品はどれも異色…

 

    百田さんの本は、どれも文章が読みやすく、分かり易い。 だから短期間で読める。 のが

    特長ですが、その上でこんな事を感じました。

     この人の書く内容は、何でも有りでタブーとされるものが見つからない。

    例えば、編集者が作者に文章の訂正を迫る場面では、登場する編集者が「このオ〇〇コと

    言う言葉は卑猥語なのでダメです。」と言っていながら、そのカタカナ四文字がこの本の中

    にはハッキリと書かれている。 ドウシテ「夢を売る男」の本では許されるのか不思議です

     この本のあちら此方に、百田本人の本音が語られている。

    「毎日ブログを更新するというような人間は、表現したい、訴えたい、自分を理解してほしい

    強烈な欲望の持ち主なんだ。」(ボケ防止で始めて、訪問してくれる人に悪いからなるべく

    書く様にしている人間もいるが… 、いずれにしても語られているのが彼の本音だろう。)

    「いい文章と言うのは、読みやすく分かりやすい文章だ。それ以上でも、それ以下でもない」

    (これも本音で、彼はこの事を実践しているように思える。)

     主人公は、一読するとぶっきら棒の様に見える性格であるが、その底流に血の通った

    温かみのある人間像が垣間見える。

    「俺は部下の編集者が、どうしてもこれを出したい、何が何でも出したいと言ってきた本なら

    必ず出した。」という台詞に表れている。
    これで予約していた本3冊は全て読んだ事になる。           

    今度は遠慮しないで、いっぱい予約しようと思っている。 

    手許に届くのは何時になってしまうか分からないが ‽‽ … そう決めている。

 

 

    

 


朱夏・禁断 今野敏

2014-06-09 07:02:35 | 読書

 晴耕雨読と言いますが、こう雨の日が続くと出掛けることも庭いじりも

出来ないので、やむを得ずTVを見たり本を読んだりして過ごしています。

そんな座りっぱなしの生活をして居ると、人間おかしなもので、何のやる気も起きてきません。

これは、これから益々加齢を重ねる上の警鐘だと思い、少しはシャキッとしようと思っています。

先日、読み終わった本を返そうかと思って土気の公民館に行って車から降りようとしたところ、

ナ、ナント勢いよく下ろした足のくるぶしの辺りまで水につかってしまいました。

そうです、駐車場の一番端で雨水がはけ切れずに溜まっていたものです。

本は返さずに片足濡れただけで帰って来てしまいました。

 

ところで、最近読んだ本は今野敏の警察小説2冊です。

1冊目は、「朱夏」  幻冬舎   

捜査一課の係長(ハンチョウ)樋口は警備部長襲撃予告の捜査に翻弄されていたが、

妻恵子が突然行方不明になり連絡が取れない。 

樋口は友人の氏家の協力を得ながら、捜査を続行するとともに、妻の所在を懸命に探す。

やがて、この二つの事案が意外な展開を見せて一致することになる。

 

「朱夏」は娘の「青春」に比べて、夫婦の「私らも負けずに夏の時代を生きなきゃな…」の

会話から取ったものの様だ。  改めて年代の分け方を思い出して確認してみた。

青春 16歳~30前半   朱夏(前半)30前半~40後半、(後半)40後半~50後半

  白秋 50後半~60後半     玄冬 60後半~                        

    やっぱり、どう見ても我々の年代には、~マークがあるだけで、後が無い事を物語っています。   

 

  2冊目は、「禁断」   徳間書店 

横浜みなとみらい署暴対係長の諸橋が同僚の刑事たちと中国人売人や関西暴力団と

地元のヤクザ者等が入り乱れて、横浜戦争になろうとするのを必死で阻止しようとする。

題名の「禁断」はtabooとルピがふって有るところからも、薬の売買・ブンヤや子分の殺害・

他の組織への不義理など、やっちゃいけない事に手を出した暴力団の組長を指しているものらしい。

 

今野敏さんの本に共通している事は、登場人物の描写が実に巧みで、

その事がこの種小説の殺伐とした内容に人間味を加える結果となっている。

 

庭のホタルブクロも雨にぬれて重そうに頭を下げています。

この花は八重だったのですね。

 

    

                


 

 


本 確証

2014-05-15 09:15:13 | 読書

     最近読んだ本は、これらの3冊です。 昔の様に速読は出来ません。

   読みながら寝てしまうことも有ります。

    

    

 

 

   そして、そしてこのブログの主役はこの本です。 読んでみる価値がある本です。

    

   あらすじは、捜査三課の刑事荻野を相棒の女性刑事秋穂を後継者として大切に指導しているが、

   渋谷や赤坂で宝飾店、高級時計店を対象に関連があると思われる強盗・窃盗・強盗殺人事件が

   発生して荻野と秋穂も捜査本部要員として召集される。

 

   警察小説大はやりで、警察ドラマも毎日の様にやっている昨今ですが、中にはあり得ない組織や

   上下関係、捜査方法など誇張にしても納得できない内容のものが多いと感じます。 その中でこ

   小説は或る程度実際に即して、登場する人物の考え方や思いが丁寧に語られていて分かり易い。

      今野敏さんの小説は、底流に人に対する暖かさが感じられて文句なく面白い。

   この話はTVドラマにもなっていたんですね、     


時代小説

2014-04-21 06:19:43 | 読書

    最近は乱読から、やや時代小説に傾いているようです。

   沖田総司 壬 生 狼   鳥羽亮   徳間書店  

   新撰組に関する本は、何冊か読んでいますが、この本も沖田総司の剣への向き

   合い方とそれを通しての新撰組の成り立ちから終わりまでを描いていた内容です。

   新撰組については、定説の内容となっていて特に新鮮味はありません。

   青年剣士、総司の生き方には爽やかなものを感じるが、この著者の特徴で感情を

   表現する部分がほとんど無いので、切なさや哀しさは伝わってきません。

   その分、さらっと読めるのも良いものだと思いました。

     家 康 の 置 文    黒須紀一郎   作品社 

   水戸光圀の国史編纂は何故行われたのか、その謎に迫る意欲作品と言えます。

   下総・上総などを中心に旧家、神社・仏閣などで水戸・彰考館(歴史編纂所)員と

   思われる者たちによる謎の発掘、調査が行われる。 不審を持った幕閣の柳沢

   吉保は隠密裏に実態の解明に乗り出す。

   光圀が藩財政の1/3の経費を使い、民衆に大変苛烈な政治を布いてまで、国史

   の編纂を行ったのかが最後になって明かされる。

   千葉県出身の著者だけに県内の時代考証が綿密に行ったと思われる、県内の

   古い地名なども頻繁に登場して興味をそそる。

   また、この本を読んで水戸光圀の悪い一面や綱吉・吉保の好印象等、これまで

   の既成概念が一変してしまったことにも驚きです。

   意外なところに名著が存在するものです。      


本2冊

2014-03-31 12:34:49 | 読書

      読書と言えるかどうか疑問ですが、パラパラとめくってみたと

    言うのが正しいかもしれない。  2冊の本です

    罪深き新自由主義  高杉良・佐高信 共著  出版社金曜日  

    第1部 として高杉良と佐高信の対談による、新自由主義の糾弾、この中で象徴的な

    のは「小泉・竹中虚構改革で得したのは米国だけ」と題するコーナー。

    第2部 は、佐高信が誘う高杉良の世界、つまり高杉の本を佐高が内容の解説を含め

    て紹介する。 例えば、使命感に燃えた男の凄絶な生きざま  「生命燃ゆ、虚構の城」

           図解雑学 性格が分かる県民性  八幡和郎著  ナツメ社

     県の特長や県民性等を述べているが、この本は著者個人の見方と割切るべきだろう。

     例えば、千葉県の欄には ✠ 長嶋茂雄の明るさは何処から来た 「ほかの関東人に

     ない南国的明るさ、豪快さ、おおらかさ、現実的な利益へおおっぴらな執着などがある

     が、これらはいずれも太平洋の波乗ってきたと思えば分かりやすい」 〈 としているが

     紀州と縁が深い事は否定しないが、これの答えとして、千葉県が有数の農業県であり

     漁業県で、気候温暖で、生きる事に比較的厳しさを感じさせない環境で有る事は説明

         されていない 〉   

    日本国中の事情を説明するには、これだけの頁では無理があると思いますが…

     

    中身は有りませんが、簡単な感想に止めます。