千葉県に偉人は大勢いるが、中でも伊能忠敬と大原幽学は優れて
偉い人だと思う。
最近、写真の整理をしていて思い出した。 以前、東総地区に住んでたことがあり大原記念館にも2-3
回行ったことがある。
ご存じと思うが、大原幽学は、世界で初めて農業協同組合(先祖株組合)を作り、当時としては見られない
農地改良・区画整理を行い、農業指導、生活指導、子育て指導などあらゆる指導を行っている。
凄い人だと思う。 彼の出自は、尾張藩の大身、大道寺家の出であることはほぼ間違いない様
であるが、確定はされていない。 自身も、最後まで隠したところがあり、反感を持つならず者が
教導所に乱入したことをきっかけとした取り調べも、このことが奉行所の疑念を強くして、有罪の
裁きを受けている。 彼の功績が必ずしも広く知られていない理由の一つと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/d2/ec6d4c0acde2a3b59bfb0769373e3779.png)
記念館は、普通にある展示館であるが、彼の書物、遺書、条福の書、差し料それに切腹したとき
の短刀等が展示してあったと思う。 自筆の書や遺書を見ると、もの凄い達筆でその教養の高さ
が感じられるし、特に、切腹した短刀の銘に「難舎者義也」(身を捨てても捨てられないのは正義
である)と彫られているのが印象的である。
その後、故あって鈴木久仁直氏による『大原幽学伝・農村理想社会への実践 アテネ社』を購入
し、その丁寧な記述に感銘を受けたことを思い出し、探したところまだ処分されることなく我が家
にあることを先ほど発見した。 興味のある方は一報を!
同時代の農業指導者、二宮尊徳との相違について鈴木氏は「大きな違いは幽学が権力とは無縁で
独力で指導するが、尊徳の指導は権力を背景とする。」と分析している。 私もある意味、幽学の方
が尊徳よりその業績は大きいと思っていたので、わが意を得たりである。
また、氏はその『あとがき』で「あまりにすがすがしく、清廉な日本人の生き方にふれた幸福を味わう。
誇り高く美しい日本人の生き方は再評価されるべきだろう。」とも述べている。 同感である。
まず、千葉県の人が、大原幽学の功績をどの程度理解し、どのように評価しているのか知りたい気持
ちがある。