中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

一般社団法人ロード1様にて「職場のハラスメント対策」をテーマにお話をさせていただきました。

2022-03-01 11:55:51 | 組織開発・社風改革

皆さん、こんにちは。荒木です。

真冬の寒さが続いていましたが、一転して日中の陽射しは暖かく季節は確実に歩みを進めているのを感じます。そんな2月24日の午後、ロードサービスの事業者様向けに、一般社団法人ロード1様主催の “職場のハラスメント対策”をテーマとしたオンラインセミナーにて、髙橋と荒木が講師を務めさせていただきました。

ハラスメントというのは、「悩ますこと、困らせること」を意味する英単語です。国は、労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)でパワーハラスメントを防止する措置をとるようにと、事業主に義務を課しています。正確には、これまで中小企業は「パワハラ防止の努力をしてください」と言われていたところ、この4月からはこれが義務化されることになります。会社が従業員の人間性を尊重しつつ、従業員に良好な職場環境を用意するためには、最低であっても法が定める基準をクリアする程度のパワハラ防止措置をとる必要があって、それさえクリアできないのであれば、助言、指導、勧告、企業名公表という行政指導を受けることになるわけです。

ところで、一口に“パワハラ”といっても、これは刑法の犯罪行為レベルから企業秩序レベルまでさまざまなハラスメント行為を総称する言葉として用いられています。ではパワハラ防止法の対象は何か、というと、労働行政法令レベルのパワハラ行為です。国は雇用の安定と労働生産性の向上を目的に掲げ、その達成のために事業主にハラスメント防止措置義務を課し、従わないのであれば行政指導をします。行政指導をする以上、どういった行為がパワハラとなるのかを明らかにしないと困るから、パワハラ防止法やパワハラ指針、パワハラ通達によって該当するパワハラ行為を定めているわけです。パワハラを、刑法や民法や、企業秩序レベルの問題行動とは異なる視点からとらえているとも言えます。このように考えると、一口にパワハラ行為と言っても実は異なるレベル感があって、まずは会社での就業環境が乱されて困るというレベルがあり、その延長線上に、行政指導が入るレベル、民事裁判のレベル、刑法上の犯罪レベル、という構造が見えてきます。となると、職場のハラスメント問題を考える第一歩は、会社が自らの会社の秩序を維持する力を発揮させて、行政指導の水準をはるかにクリアするようなルール作りと体制づくりをしっかりと行っていくことだと思います。

職場のハラスメント防止対策が目指すのは、経営者が従業員ひとりひとりの人間性を尊重しているからこそ、ハラスメントを受けていると感じる者が一人もいない職場をつくること。従業員が人知れず悩み、場合によっては法的措置に訴え、辞めていく職場ではなくて、従業員から選ばれる職場をつくることです。そのためには、経営者は日頃から、職場の見えないメンタルヘルス状況を見える化するような対策をとって、健康経営を意識することが大事です。さらに、組織開発の視点に立って、職場内の見えない関係性を見える化する努力をしながら職場の人と人との関係性に働きかけて、対話のある職場文化をつくりだしていくことが大事になってくると思います。

間もなく、規模を問わず全ての企業がパワハラ防止措置を講ずる義務を負うことになります。経営者の皆さまにおかれましては、就業規則を整備し、社内におけるパワハラ防止を周知し啓発し、相談窓口を設置し、万が一パワハラ事案が起こってしまった場合の適切な対応体制を整えてください。そしてこれらのパワハラ防止対策を、義務違反による行政指導や民事裁判で訴えられることを恐れてのものではなくて、ES経営(人間性尊重経営)の一環として行っていただきたいと願います。対話のある職場づくりを行っていく延長線上に、ハラスメントのない職場が現れるのです。

 

さて、青空が眩しかった本日、セミナーを終えて携帯電話のマナーモードを解除したときに飛び込んできたのが、ロシアによるウクライナ侵攻のニュースでした。国連安保理常任理事国のロシアがウクライナに軍事侵攻…主権国家の主権が力によって侵される現実が、今、この間にも起きているなんて。数時間前とは異なる世界の在りようが現れたことを私はどうとらえればよいのだろうと、CNNが映し出す映像の前にぺたんと座り込んで絶句しているところであります。


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