
長明発心集 第四 或る女房、臨終に魔の変ずるを見る事
或女房臨終見魔變事 或宮腹の女房世を背けるありけり。病をうけて限な りける時善知識にある聖をよびたりければ、念佛すゝむる程 に此人色まさをになり...

長明発心集 第四 玄賓、念を亜相の室に係くる事 不浄観の事
玄賓係念亜相室事 不浄觀事 昔玄賓僧都いみじうたうとき人なれば髙きも賤も 佛の如く思へりける中に、大納言なる人なん年比ことに 相憑み給たりける。かゝる間に僧都そこ...

長明発心集 第四 肥州の僧、妻、魔と為る事 悪縁を恐るべき事
肥州僧妻爲魔事 可恐悪縁事 中比肥後國に僧ありけり。本は清かりけるを、年半た けて後、めをなんまうけたりける。かゝれどなを後世の事 を思放たず。理觀を心にかけつゝ、そ...

長明発心集 第四 叡実路頭の病者を憐れむ事
叡實憐路頭病者事 山に叡実阿闍梨と云て貴き人有なり。御門の御な やみ重くをはしましける頃召ければ度々辞し申けれど、 かさねたる仰せいなもかたくて、なまじゐに罷ける 道に、...

長明発心集 第四 永心法橋乞兒を憐む事
永心法橋憐乞兒事 永心法橋と云人近比の事にや、清水へ百日まいりける時 日暮て橋を渡りけるに、河原にいみじう人のなく聲きこへ ける。なに物のいかなる事をうれふる...

長明発心集 第四 浄藏貴所鉢を飛ばす事
浄藏貴所飛鉢事 浄藏貴所と聞ゆる善宰相清行の子並びなき行人也。山 にて鉢の法を行ひて鉢を飛しつゝ過ける比或日空しき 鉢ばかり歸來て入る物なし。あやしく思程に此...

長明発心集 第四 三昧座主の弟子得法華経験の事
發心集第四 鴨長明撰 三昧座主弟子得法華經驗事 中比義叡と云て此彼をこなひありく修行者ありけり。 熊野より峯に入て、三嶽へ出る間に道をふみたがへて十 日餘り...

長明発心集第四 目録
發心集第四目録 一 三昧座主弟子得法華經験事 一 淨藏貴所飛鉢事 一 永心法橋憐乞兒事 一...

長明発心集 第三 松室童子成仏の事
松室童子成佛事 奈良に松室と云所に僧ありけり。官なんどはわざとなら ざりけれど徳ありて用られたる者になんありける。そこに をさなき兒のことに...

長明発心集 第三 親輔養兒往生の事
親輔養兒往生事 中比壹岐前司親輔と云人取子をしてをさなくより はぐゝみ養けり。此兒三と云ける年、ずゞを持てあそびと して更にこと物にふけらず。父母こ...