入道前関白右大臣に侍りける時の百首哥に忍恋 ちらすなよしのゝは草のかりにても露かゝるべき袖のうへかは 詞めでたし。　初句は、もらすなよの意なるを露の縁 にて、ちらすなよと...

　 　 　 　   　 　 　 　 雨のふる日女につかはしける　俊成卿 おもひあまりそなたの空をながむれば霞をわけて春雨ぞふる 四の句、たゞ何...

　 　 　 　 　 　 　 恋のうた　　　　　　　　　　　　殷冨門院大輔 もらさばや思ふ心をさてのみはえぞやましろのゐでのしがらみ めでたし。　四の句やまじと...

　戀歌二 五十首ﾉ歌奉りし寄雲戀　　　俊成卿女 下もえにおもひ消えなむけぶりだに跡なき雲のはてぞかなしき めでたし。　上二句は、煙の縁にて、忍ぶ戀にこひ死ぬる 意。...

        隠名戀　　　　　　　　　俊成卿 海士のかるみるめを波にまがへつゝなぐさの湊を尋ねわびぬる 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...

　 　 　 　 　 　 百首哥の中に忍恋　　　　　　式子内親王 玉の緒よたえなば絶ねながらへばしのぶることのよわりもぞする めでたし。上句めでたし。　も°ぞ°のてにをはの ...

新古今集美濃の家づと四の巻 　恋歌一 和歌所歌合に久忍恋　　　　　　摂政 いそのかみふるの神杉ふりぬれど色にはいでず露も時雨も 結句は、露にもしぐれにもと意なり。されば三の句は、...

　 　 　 　 　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　家隆朝臣 旅ねする夢路はゆるせうつの山関とはきかずもる人もなし 下句、ことさ...

　　 　 　 　 　 入道前ﾉ関白ﾉ家ﾉ百首ﾉ歌に旅のこゝろを 　　　　　　　　　　　　　　　　俊成卿 難波人あし火たく屋に宿かりてすゞろに袖のしほたるゝ哉 め...

　 　 　 　 　 　 羈中ﾉ夕　　　　　　　　　　　長明 枕とていづれの草にちぎるらむゆくをかぎりの野べの夕暮 三の句、ちぎらましとしぞいふべけれ。らむにては...