やねうら日記

~日常の中にある幸福

文章を書くこと

2010年06月22日 | 日記
文章を書いて食っていきたい、と憧れていた時期がある。
大学は理系で今はエンジニアの端くれだが、十数年経った今でも、何故こんな仕事をしているのだろう? 何故給料を貰えているのだろう? と不思議に思ったりする。算数も物理も苦手なのだ。
反面、理系の学生でありながら、詩を書いたり、塾や家庭教師で国語を教えたりしていた。
事もあろうに高校生の塾の講師! 思い出すと冷や汗が出る。

最も好きな作家である村上春樹の最も好きな「風の歌を聴け」に文章を書くことについての記述がある。

「文章を書くことは自己療養の手段ではなく、自己療養のささやかな試みに過ぎない」
「文章を書くことに必要なものは感性でなくものさしだ」

正確な表現は忘れたが、そんな文章だったと思う。

僕が文章を書くことに見い出した意味は、自己療養を超えて存在意義の確認作業だった。文章を書くことだけでしか過去と未来を繋げられなかったひどく病んでいた時代もあった。

今は文章を書くことは自由だ。オッペケペーだ。楽しむだけで良い。
ただし小説は書けない。想像力と精度の良いものさしが欠落しているのだ。


***

「風の歌を聴け」は50回以上は読んだ。
そして読む度に、古くからの友人と堤防で飲んだビールと熱い日差しを何故か思い出させる。言葉も歌も、記憶にくっついて離れない。

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