『科学・社会・人間』(No.122)を読む(猪野さんより)
下記の所感をしたためました。ご参考までお送りします。
・・・・・
●『科学・社会・人間』No.122号 を読む
長きにわたる上記雑誌の第Ⅰ期が今号で終わり、次号から第Ⅱ期がはじまるとい
う。私は若いころから『科学・社 会・人間』の読者でしたが、この雑誌から、
はかり知れない多大の栄養をいただいてきました。長きにわたり編集責任者を務
めてこられた白鳥 紀一氏に、あらためて、心から感謝と御礼を申し上げます。
今号もまた実に読み応えがあり、集中して読了しました。先日の環境物理シンポ
でも申しましたが、私は目下、 「国会事故調査報告書」の読み込みに集中して
おります。そして、その後「政府事故調査報告書」を読む予定ですが、今号に掲
載されている、 吉岡 斉 「政府の事故調査・検討委員会とは何であった」は、
自ら委員の現場からの経過報告と所感は素晴らしかった。いつもそうですが、彼
の文章は 論理構成が明確で実にわかりやすく読みやすい。吉岡氏は「国会と政
府の両報告書の差異」も述べていますが、ともかく、先日のシンポの総合 討論
で私の質問に対して、会場から小沼通二氏は所感を述べられ、「テーマ別に数種
の報告書を読み比べることが大切で有意義なこと」だの指 摘をされました。ま
さにそのように思いました。あんな膨大な報告書は初めから最後まで読むのは至
難のことです。さらに国会事故調査報告書 作成に関わられた崎山比早子氏の
「国会東京電力原子力発電所事故調査委員会報告書から見る放射線専門家」も充
実した報告論文でした。痛々 しさをかんじるほどです。私がこれから両報告書
を読み継ぐに当たり、手引きとなる重要な論文だと思いました。
さらに、連載中の藤田祐幸氏の「シリーズ:日本の核政策史」は、科学史家・評
論家の吉岡氏の立場とは異なり、 長年、最前線の現場で闘う人々と共同する、
いわゆる活動家的物理学者の立場からの諸論文は、藤田氏がそのときどきにぶつ
かってきた核問題 に対する深い思いを込めた内容で胸に迫るものがあります。
私と同世代の藤田氏は最後までアカデミズムにおられ、その中にあっても厳しい
こ とに、「確信犯的活動家」であり続け、核被害者に寄り沿い限りない支援を
されてきた経緯を知る者には、心して熟読しなくてはならない論文 だと思いま
した。
以上簡単な感想を述べました。第Ⅱ期も引き続き購読する予定です。最後に、申
し上げるまでもなく、メルセンヌ (フランス)やオルデンバーグ(ドイツ人で
イギリス)という歴史的に傑出した編集者・組織者は、多数の奇人変人学者を束
ねることで、西欧 の多様な学者の知的交流が起こったことを考えると、私は編
集者こそ、実質的で本当の「思想や学問の創造者」であると思っております。所
感 まで。
--
猪野 修治(INO SHUJI)
湘南科学史懇話会・代表
〒242-0023神奈川県大和市渋谷3-4-1
TEL&FAX:046-269-8210
email:shujiino@js6.so-net.ne.jp
http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/home.htm
【補足】
事故調報告書を探すには
このサイトが役に立つでしょう
http://ameblo.jp/tokyowan/entry-11313004229.html
その後国会事故調報告書は市販されました。
お近くの本屋さんの注文されるか、アマゾンなどに注文するか
情報は
http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF-%E5%A0%B1%
E5%91%8A%E6%9B%B8-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9
F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%
BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4198634866/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1348722538&sr
=8-1
所が 要約版
http://naiic.go.jp/blog/reports/summary/
が便利なのですが市販された本にも添付されているCDにも載っていないようです。
ダウンロードされると便利です。
政府事故調は、市販されません
中間報告と最終報告の両方で一つです。
(中間報告を補足するのが最終報告です。)
中間報告は上のサイトに情報があります
最終報告 概要 本体 資料編は
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/actions/201207/23kenshou.html
から入れます。
下記の所感をしたためました。ご参考までお送りします。
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●『科学・社会・人間』No.122号 を読む
長きにわたる上記雑誌の第Ⅰ期が今号で終わり、次号から第Ⅱ期がはじまるとい
う。私は若いころから『科学・社 会・人間』の読者でしたが、この雑誌から、
はかり知れない多大の栄養をいただいてきました。長きにわたり編集責任者を務
めてこられた白鳥 紀一氏に、あらためて、心から感謝と御礼を申し上げます。
今号もまた実に読み応えがあり、集中して読了しました。先日の環境物理シンポ
でも申しましたが、私は目下、 「国会事故調査報告書」の読み込みに集中して
おります。そして、その後「政府事故調査報告書」を読む予定ですが、今号に掲
載されている、 吉岡 斉 「政府の事故調査・検討委員会とは何であった」は、
自ら委員の現場からの経過報告と所感は素晴らしかった。いつもそうですが、彼
の文章は 論理構成が明確で実にわかりやすく読みやすい。吉岡氏は「国会と政
府の両報告書の差異」も述べていますが、ともかく、先日のシンポの総合 討論
で私の質問に対して、会場から小沼通二氏は所感を述べられ、「テーマ別に数種
の報告書を読み比べることが大切で有意義なこと」だの指 摘をされました。ま
さにそのように思いました。あんな膨大な報告書は初めから最後まで読むのは至
難のことです。さらに国会事故調査報告書 作成に関わられた崎山比早子氏の
「国会東京電力原子力発電所事故調査委員会報告書から見る放射線専門家」も充
実した報告論文でした。痛々 しさをかんじるほどです。私がこれから両報告書
を読み継ぐに当たり、手引きとなる重要な論文だと思いました。
さらに、連載中の藤田祐幸氏の「シリーズ:日本の核政策史」は、科学史家・評
論家の吉岡氏の立場とは異なり、 長年、最前線の現場で闘う人々と共同する、
いわゆる活動家的物理学者の立場からの諸論文は、藤田氏がそのときどきにぶつ
かってきた核問題 に対する深い思いを込めた内容で胸に迫るものがあります。
私と同世代の藤田氏は最後までアカデミズムにおられ、その中にあっても厳しい
こ とに、「確信犯的活動家」であり続け、核被害者に寄り沿い限りない支援を
されてきた経緯を知る者には、心して熟読しなくてはならない論文 だと思いま
した。
以上簡単な感想を述べました。第Ⅱ期も引き続き購読する予定です。最後に、申
し上げるまでもなく、メルセンヌ (フランス)やオルデンバーグ(ドイツ人で
イギリス)という歴史的に傑出した編集者・組織者は、多数の奇人変人学者を束
ねることで、西欧 の多様な学者の知的交流が起こったことを考えると、私は編
集者こそ、実質的で本当の「思想や学問の創造者」であると思っております。所
感 まで。
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猪野 修治(INO SHUJI)
湘南科学史懇話会・代表
〒242-0023神奈川県大和市渋谷3-4-1
TEL&FAX:046-269-8210
email:shujiino@js6.so-net.ne.jp
http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/home.htm
【補足】
事故調報告書を探すには
このサイトが役に立つでしょう
http://ameblo.jp/tokyowan/entry-11313004229.html
その後国会事故調報告書は市販されました。
お近くの本屋さんの注文されるか、アマゾンなどに注文するか
情報は
http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF-%E5%A0%B1%
E5%91%8A%E6%9B%B8-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9
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=8-1
所が 要約版
http://naiic.go.jp/blog/reports/summary/
が便利なのですが市販された本にも添付されているCDにも載っていないようです。
ダウンロードされると便利です。
政府事故調は、市販されません
中間報告と最終報告の両方で一つです。
(中間報告を補足するのが最終報告です。)
中間報告は上のサイトに情報があります
最終報告 概要 本体 資料編は
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/actions/201207/23kenshou.html
から入れます。