写真は、カビで痛んだ病院の部屋。修復が必要なのがわかります。アジア協会アジア友の会のHPの昨年の冬季募金のよびかけの記事から。
説明文は「ネパールの山間の村、チョータラ。32万人を抱えるシンドゥバルチョーク郡の唯一の病院がそこにあります。昨年まで内戦により傷ついた建物はなんとか修復されましたが、雨期の雨で建物すでに蝕まれていました。カビがはびこり、とても村人たちの病気を治せる環境ではありません。病にかかった村人が命を落とすことがないよう支えとなる病院へ戻すことが急がれます。」
ネパール・チョータラ村母子保険衛生プロジェクト②
<チョータラ国立病院>
シンドパルチョーク郡はカトマンズの北東にあり、チョータラ村は首都カトマンズから約80㎞、人口約5万人で、商業、教育、医療、サービスの中心地でもあります。この病院はシンドパルチョーク郡唯一の国立病院で1960年代半ば頃、日本のODA-JICAによって建てられました。国から3人の医師が任命されていますが、交通の便が悪いため実際に赴任している医師は1人だけ。産婦人科は院内でも狭くたとえ病院で出産できても十分な産前、産後のケアができない状態でした。そこで、HARDに産院建設の協力要請が出され、JAFSにチョータラ国立病院産婦人科病棟建設の協力要請が寄せられました。
<産婦人科病棟建設>
これを実現するために1997年に郵政省国際ボランティア貯金の協力も得て、10月より建設に取りかかり、98年夏にはほぼ完成しました。医療機関の不備による乳児・妊産婦死亡が多い状態であり、それを解決するために母子医療を充実させました。またその有効利用とアフターケアを計る為に98年11月には日本のベテラン助産婦を講師として派遣し、*TBAの研修会を行いました。 *TBA(Traditional Birth Attendant)-出産介助ボランティア 正式な助産婦の訓練を受けているわけではないが、国が村でお産を扱っている人達に10日~2週間くらいの講習をします。いわゆる出産の世話経験をもつ“取り上げ婆さん” 発展途上国では、農村部の95%、都市部の70%の出産がTBAの介助によるものと言われています。
<TBAセミナーの実施>
病院スタッフのみを研修し、地域に巡回させる方法は徒歩以外の交通手段しかもたないこの地域には、あまりにも効率が悪く、時間と経費がかかりすぎます。そこで農村部に広く活躍するTBAに保健衛生意識の向上と安心して出産が出来る環境をつくらせるために、TBAの制度に着目しました。彼らに研修の機会を与えることが最も有効であるとの結論から“TBAセミナー”を実施する計画をたてました。これまで2回のTBAセミナーを行ってきたことにより、参加者に大きな励みと感銘を与え、栄養、衛生、家族計画への理解を深めることができました。また派遣された助産婦は大きなカルチャーショックを受けると共に、今後のセミナー継続の必要性を訴えていました。
<助産婦のビマラさんの話>
チョータラ病院産婦人科病棟建設ワークキャンプに地元から参加したビマラ・ナピット(当時16歳)さんは1998年カレッジを卒業。チョータラ病院の助産婦として働く母親と同じ道を志し、準看護婦・助産婦の資格を取るために、同年9月からカトマンズの専門学校で18ヶ月間の訓練を受け、授業料・寮費はネパールの若者の職業訓練を目的としたJAFSの「岩佐昭フレンドシップ基金」から奨学金を提供しています。2000年8月11日見事に第1ランクで準看護婦、助産婦の資格を取得、カトマンズの産婦人科病院でトレーニングも受けました。その後2001年度大阪府技術研修生として来日し、約7ヶ月間大谷助産院にてトレーニングを受け、帰国後はチョータラ国立病院の専任看護婦となり、産婦人科病棟のスタッフとして地域の母子保健衛生向上のために働いている。 今回は、その働きがしっかりと地に足の着いた活動となっていき、自然分娩のさらなるスキルアップの為に再度の研修を日本で受ける為に2009年4月に再来日した。
<今後の動き>
・目的の推進していくための普及活動と維持・TBAの継続支援。あわせて知識、技術のレベルアップをはかり、自然かつ安全なお産をするための研修セミナーの継続(“治療より予防”の意識)を行う。=ビマラさんが実施していく。
・多産をなくす(=妊婦・乳児の死亡率を減少させ、平均寿命を向上させる)ため家族計画、農業生産活動の計画をどのように女性に教育していくかということを考えていく。=ビマラさんが村周りを計画・チョータラ病院産婦人科病棟の地域母子保健センターとしての機能させていく
<チョータラ基金(支援会)>
この基金は、山間地であっても生命の誕生であるお産が少しでも安全な中で迎えられるよう、母子保健の向上のために支援をする会とします。そして、チョータラ病院産婦人科病棟の地域母子保健センターとしての機能強化を支援します。ビマラさんのような地元の若者を看護婦として育成することを始め、助産婦の人材育成、TBA研修の開催、その他環境設備や設備補助などの支援を実施します。
支援方法 ① 年間一口1 2,000円(1,000円×12ヶ月) ② その他、随時ご希望金額の支援 皆様の支えにより、ネパールのお母さんが豊かで人間らしい、そして安全なお産ができ、元気な赤ちゃんが育つことができます。~ご協力お願いいたします~ 社団法人 アジア協会アジア友の会大阪市西区江戸堀1-2-16 山下ビル4F TEL:06-6444-0587/ FAX:06-6444-05681 ホームページ http://www.jafs.or.jp 2009/4改訂