新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

「病室に残された詩」と「慈しみ」(0047)

2014年04月04日 | 外来待合室
2つともとてもいい詩(言葉)と思いましたのでお節介ながら紹介いたします。

①病室に残された詩
大きなことを成しとげるために
力を与えてほしいと神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと  弱さを授かった

より偉大なことができるようにと
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた

幸せになろうとして 富みを求めたのに
賢明であるようにと  貧困を授かった

世の中の人々の賞賛を得ようとして
成功を求めたのに
得意にならないようにと  失敗を授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
いのちを授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた

神の意に添わぬ者であるにもかかわらず
心の中で言い表せないものは すべて叶えられた

私はあらゆる人の中で 
もっとも豊かに祝福されていたのだ

       ニューヨーク州立大学病院の壁の落書きより


②慈しみ
一切の生きとし生けるものは
幸福であれ 安穏であれ 安楽であれ
一切の生きとし生けるものは幸いであれ

何人も他人を欺いてはならない
たといどこにあっても他人を軽んじてはいけない
互いに他人に苦痛を与えることを望んではいけない

この慈しみの心づかいをしっかりとたもて

東方学院院長 中村 元 譯
(オリジナル:ブッダの言葉・スッタニパータ 8慈しみ)



がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。