新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・38(0071)

2014年10月14日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.10.11配信)
第80回「がん哲学学校」
『いい覚悟で生きる』~「人のために進んで何かをする」~

月曜日〔10月6日〕は、台風到来で、幾つの予定がキャンセルとなった。翌日は、台風も去り、羽田国際空港から国際病理アカデミー(IAP)(Bangkok, Thaikand)に赴いた。バンコクの空港には、Mahidol 大学の病理医が、2人、出迎えて下さった。親切なおもてなしには、本当に感激した。交通渋滞の時間帯の為、電車とタクシーで、IAP会場の近くの宿泊のホテルに向かった。翌日の午前中、シンポジウム「Environmental Pathology」で、筆者は、「Environmental cracinogenesis; Asbestos-related mesothelioma」を話す機会が与えられた。Mahidol 大学、National Cancer Institute(Bangkok, Tailand)の病理学者と今後の「環境発がんの国際交流研究の展開・推進」を相談した。午後は、市内のJICA(国際協力機構 タイ事務所)を訪問した。次世代のアジア貢献として、「環境発がん」は、重要な、大切なテーマであると、痛感した。筆者は、その深夜の便で帰国した。

今回は、一泊2日とう短い学会出張であったが、街の中を歩きながら、路上で悩める姿にも触れることが出来て、両極端の人生に触れ、マザー・テレサが脳裏に浮かんだ。まさに、「良きサマリア人のたとえ」(ルカの福音書10章25~37節)、「愛は近きより(Charity begins at home)」、「人のために進んで何かをする」、「丁寧に生きる」を、具体的に静思する深い学びの時が与えられた旅であった。
今月末に発刊される 『いい覚悟で生きる』(小学館)がタイムリーに思える。

10月9日「アスベストの健康被害で国の責任を一部認める。泉南アスベスト訴訟で最高裁判決」(朝日新聞速報) で報じられたとの連絡が入った。筆者は、某新聞記者の取材に、『最 近では、血液検査で特定のたんぱく質を調べることで発症の兆候をつかむ技術が開発されている。腫瘍が小さいうちに切除できれば根治も期待できるといい、 「石綿を扱った企業や元従業員らに対し、国はこうした検査の受診が進むよう強く働きかけるべきだ」と、また、「国は過去の被害者に賠償するだけでなく、治 療法の研究・開発への支援を充実させるべきだ」』と指摘した。環境リスクの重要性を伝える教育やがんの正しい知識を正しく伝える「がん教育」は、日本のみならずアジアの人々が「安全に安心して健康な生活を送ることの出来る社会の構築」にも、寄与する時代的なテーマであろう。

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