新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・64(0101)

2015年06月03日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.6.2配信)
第113回「がん哲学学校」

第5回がん哲学外来コーディネーター養成講座in 大阪 ~人間学の法則~

先週は、常陸宮殿下ご夫妻ご臨席の下、「第18回比較腫瘍学常陸宮賞」授賞式(クラブ関東に於いて)に出席する機会が与えられた。受賞講演:東京大学大学院 <http://www.asahi.com/topics/word/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2.html>理学系研究科教授武田洋幸『小型魚類を用いた脊椎動物の器官形成原理の解明』を拝聴した。『生物学の法則』は、日々勉強である。

 

週末は、「第5回がん哲学外来コーディネーター養成講座in 大阪」(実行委員長:東英子/大阪がん哲学外来メディカルカフェあずまや・あずま在宅医療クリニック院長)(クロス・ウェーブ梅田に於いて)(【主 催】一般社団法人がん哲学外来市民学会http://www.shimingakkai.org/)に出席した。今回の【テーマ】は、『生から死、そして死後に寄り添う』であった。養成講座は、医師、看護師、医療従事者、患者、市民と多種の参加者があり、会場は、熱気溢れる、満席の大盛況であった。改めて、関心の高さをと時代的必要性を強く実感した。

ガイダンス:『がん哲学外来コーディネーターとは』(村島隆太郎/佐久市立国保浅間総合病院院長)、講座『苦しみとは何か ~ 聴くこと・語ることの本当の意味~』(佐藤泰子/京都大学大学院 人間・環境学研究科研究員)、特別講演『共に支え共に生きる』(沼野尚美/市立宝塚病院 チャプレン)、パネルデスカッション『地域の力とがん哲学外来』、グループワーク『私の考えるがん哲学外来の寄り添いの在り方』、2日目は、『グループ発 表』、『総括』(安藤 潔/東海大学医学部 血液・腫瘍内科教授)、引き続いて『各地のがん哲学外来カフェのひとこと紹介』が発表された。各グループの真摯な姿には感動した。「丁寧な、心優しい、本 質的な人間の見直し」である。次回は、石巻赤十字病院で、開催される。

筆者は、「一般社団法人 がん哲学外来理事長」として、『修了証授与と閉会挨拶』の機会が与えられた。『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子著;ノートルダム清心学園理事長)の 文章・エピソードを紹介した。一見、不条理に見える、人生の辛い出来事にあっても、境遇に関わらず『置かれた場所で咲きなさい』とは、まさに、「がん哲学 外来コーディネーター養成講座」の『人間学の法則』である。明朝、「ノートルダム清心学園」を訪問するタイミングが与えられている。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。