新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・42(0077)

2014年12月06日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2014.12.6配信)
第88回「がん哲学学校」
内村鑑三・新渡戸稲造・吉田富三~がん患者の心の診療室~~

先週の日曜日の午後、都内の町田の教会で、特別講演会『が ん哲学への道~がん哲学外来から広がる、ことばの処方箋。内村鑑三・新渡戸稲造ら偉人たちと「がん哲学」~』をする機会が与えられた。会場は、多数の参加 者があり、講演後は、お茶を飲みながら参加者との、大変充実した懇親の一時であった。今後、「がん哲学外来カフェ」が、牧師夫人を中心に市民のスタッフ で、自主的に、常設されることが決まった。一周年記念には是非、参加したいものである。

「新渡戸稲造記念 がん哲学外来 メディカルカフェ in 盛岡」が開催された。新渡戸稲造の故郷での企画であり、筆者は、万難を排して参上した。盛岡メ ディカルカフェ顧問である加藤誠之先生(岩手県立中央病院がん化学療法科長)、杉山徹先生(岩手医大産婦人科学教授、腫瘍センター長)のご挨拶に続き、筆 者は、講演「がん哲学外来~新渡戸稲造に学ぶ~」をする機会が与えられた。会場は、患者さんを含め一杯で、熱気に溢れ、人生の忘れ得ぬ想い出となった。

都内のお寺で、『がん哲学外来・カフェ~「人間的な責任」で手を差しのべる』講演をする機会が与えられた。お寺の本堂で、講演するのは、初めての経験であった。筆者は、内村鑑三著『代表的日本人』の「日蓮上人~仏僧~」について、触れた。お坊様達が、熱心に聴いてくださり、大いに感銘した。その夜は、「国会クリスマス晩餐会」(ホテル・ニューオータニに於いて) に、wifeと参加する機会が与えられた。同じテーフルには、駐日外交団長 (サンマリノ共和国特命全権大使) と、駐日イスラエル大使と同席であった。とても大切な、国際的な文化交流の場であり、人間として「多様性の統一」を学ぶ貴重な一時であった。

福島県立医科大学で、医学生への「医療と社会(臨床倫理)」の授業で、「吉田富三 がん哲学外来~がん患者の心の診療室~」を講義する機会が与えられた。熱心に聴き入る医学生の姿に触れ、「がん対策推進基本計画」(第2期=平成24年閣議決定)の「5年以内の実施」で盛り込まれた「がん教育」の在り方を静思した。授業に先だって、患者・家族の方と、スターバックスのお茶を飲みながら「吉田富三記念 福島がん哲学外来」(臨床腫瘍センター)を実践した。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。