新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・35(0067)

2014年08月12日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです。(2014.8.10配信)
第71回「がん哲学学校」
「その人らしいものが発動」~病気も個性の一つである~

朝日新聞の朝刊(2014年8月7日付け)に挿入されていたタウン誌「asacoco」に『自身もがんを抱える女性が立ち上げた 東村山に「がん哲学外来メディカル・カフェ」開設』(2014年8月16日 14:00~16:30 東村山市 市民ステーション「サンパルネ」コンベンションホールに於いて)の大きな記事が掲載されていた。筆者は、特別講演「がん哲学外来~病気も個性の一つである~」とのことである。『タウン紙が出てから申し込みが絶えず、個人面談の定員3名も既に埋まってしまいました。お申し込み用紙に「樋野先生の講演会に伺います」と先生のお話を待っていらっしゃる方が大勢います。』との激励のコメント頂いた。主催者の「役割意識&使命感」が心に深く響く。人間は苦難を通して、「その人らしいものが発動」してくるものであることの、深い学びの時でもある。

「近くで探すがん治療病院」(週刊朝日臨時増刊)の案内を頂いた(2014年8月8日発売)。「がんで困ったときの相談先」として「日本対がん協会の電話・面接相談」、「がん診療連携拠点病院の相談支援センター」と並んで『「がん哲学外来」とは?』も紹介されていた(198~199 page)。驚きであるとともに、さりげなく「現代の医療の隙間」における「がん哲学外来」の存在性を感じた。

週末の午後(2014年8月9日)定例の「<がん哲学外来>お茶の水メディカル・カフェ in OCC」が開催された。台風の接近にもかかわらず、「ほっと憩える交わり求めて」、会場は、満席のカフェ参加者と個人面談6組があった。順天堂大、東京医科歯科大の大学院生、看護師の参加もあり、「お茶の水メディカル・タウン」の中心に存在する共同体的なオアシス的雰囲気を痛感した。早速、「本日も素晴らしい3時間を有難うございました。先生のお話をいつもノートに取りながら繰り返し原点に帰り教えて頂けること感謝しながらお茶ノ水から戻りました。」、 『本日は豊かな学びのひとときをありがとうございました。いつもOCCでは新たな発見や気づきを頂き、自分が病気であることを忘れてしまいます。本当に「良き師、良き友、良き読書」との出会いに感謝です。』と、「涙なくして語れない」温かいコメントが寄せられた。また、旭川では、「三浦綾子記念 がん哲学外来・カフェ」が開設されるようである。歴史的な快挙である。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。