新しく家を建てる事は、本当に大変な事だと思う。施主が土地を選び、その土地に住まう事で得られる、新しい夢を想う。子供の夢。妻の夢。自分の夢を重ね、建設を決断するのだから、われわれの責任は大きい。要望は、せっかく建てるのだったらと、あれもこれもと、ついつい予算オーバーになる事が多い事。あまり無理をして、経済的に無理をしすぎるのも本末転倒。私も実は折角建てるのだったらと、少々家が大きくなってしまった経験がある。しかし子供が自立すると、生活はたちまち変わる事もある。私が今思っている建築は、最小限のスペースから初めて少しずつ足して行く方法だ。北欧の人達は、気に入った土地があると、まず小さなキャビンを建てるそうだ。そこで週末等休暇を過ごして見て、気にいると必要な施設を少しずつ造っていくのだそうだ。この方法が良いのは、金銭的にも無理が無く、余裕を持って楽しめる事で、所得が低い高知県等には、合っていると思う。ただ立てるキャビンは、その地元の素材で、ゴミなるべくにならない本物の素材を使う事も大事だと考えている。そうすれば経年変化を楽しめ、飽きず、尚且つ、トータルでみると、コストも安くなる。今の建築が絶望的なのは、早く、安くを追及しすぎて、住みたい家にはなっていないような気がしている。出来合いの建材を効率良く使って建てても、家に愛着が持てなければ、ゴミをつくっているに等しいと言う事を、理解する必要がある。今、本当に家に求められているのは、安全で健康な空気で、空調や、機械を使わずても安心して暮らせる家だ。近頃24時間換気、気密住宅、断熱材が高性能等等。色々なキャッチフレーズがあるが、良く考えると、地元の安全な素材で、暖かく暮らしやすい家を創る事の方が無理が無い。新しい素材は一部では高性能だが、捨てる時弊害があることが多く、結局安全でない事の方が多い。一生に一回の夢も良いが何回にも楽しめるのも良いチョイスだと思うけれど。。。
さてこの場所にはどんな家が良いのか。今から建てるのが楽しみだ。