土佐の民家風ログハウス、アイビーログ工房 

http://ivy-log.com/住みたい!!高知が元気になる家。アイビーログ工房の木の家には物語が生まれます。

松山市S邸の進行状況と、建築の価値。

2011年09月03日 11時41分01秒 | Weblog
台風のため、松山市のログハウスの工事は一時ストップして、高知に帰って来ました。何ともタイミングが悪い時に来たもんです。今家は、台風の眼の中にいるらしく、風もなく、雨も少し降っている程度で、台風の中心にいるとは思えない静かさです。松山のS邸の進行状況ですが中々手間取っています。

施主さん手作りの基礎ですが、型枠を使わずにやる工法で、鉄筋と小さく編まれた網目状の型枠でサンドイッチしたものを使っています。工期が早くなる予定だったのが、セメントが硬すぎると流れて入らず、緩すぎると流れ出てしまうので、スランプがきっちりしてないと旨く行かず、時間もかかったそうで、手伝いの業者さんから、これなら今までのやり方のほうが、早く綺麗に出来ると言われたそうです。でも彼の考え方には、共感できる所が多くあります。現在の生活は、多くは業者さんからの、一方的な情報で判断されています。建築でいうと、合板で作る方が効率的なので、地震に強い家とか、木の家と言いながら、クロスと、集成材の家だったり、今日の新聞だと、なぜ工場で家を作るのか?とあり釘一本まで管理して、60年以上安心して暮らせるようなことを書いてありましたが、家と言う物は、建てる土地の気候風土によっては状態も異なり、管理修正していかなくては、長くは持たないものです。CMには自社の良い所しか書かないのは当たり前のこと。自社の都合の良い実験だけでは、60年持つという事が言えないのは、先の大震災で原子力発電所の事故ことでも分かること。本当に安全なのは、自分で体験したことか、利益に関係のない人に聞くしかありません。自分でやってみる、Sさんの行動は、人には迷惑をかける事もあるでしょうが、大切な事だと思います。私はログハウスを建ててますので、ログハウスの良い事を言うのはあたりまえです。ログハウスの弱点。木の経年変化があり、動く事による気密性が保ちにくい事、色が変わる事、割れる事。しかしそれは、見方を変えれば長所に代わる事。時間を経る事により、美しく錆び、住む人の色に染まる家です。木は雨風に弱い素材です。だからこそ、その特性を知り、あった形にすれば、100年 ,200年愛される建築になり得ます。建築家の槇さんがこう言っています。「建築の価値を決めるのは、最終的には時だと思う。」私もそう思います。私たちが作る建築が認められるのは、100年先かもしれない。