一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

10.伊東温泉 「共同浴場」

2005-12-20 23:05:18 | 静岡
伊東温泉は、東京駅を出発して、電車でがたごとと揺られて2時間弱で着いてしまうお手軽な温泉で、温泉というより海水浴などのマリンスポーツや登山といったものや海の幸などの天然資源が豊富な、温泉に興味のない人でも通ってしまうほどの魅力的な土地柄である。
 冬でも温暖な地域で、日本ならここで暮らしたいと思わせるが、ここ伊東は何度か足を運んで見て解ったが、漁業を生計とする方たちが多いのか、海の匂いを感じる街でありちょっと田舎臭いのも、ここ伊東という街の魅力なのかもしれない。

 伝統的な文化を楽しむのも私の湯巡りの楽しみの一つで、温泉のいきさつなどの歴史的文化を肌で感じるのも楽しみにしている。伊豆半島の入り口ではあるが急峻な岩場や断崖の多いこの地は、最近では交通の便もよくなっているが、本格的な観光の夜明けとなったのが昭和初期の、JR伊東線の開業からではなかったかとと思う。

 新しい温泉地というのは、伊豆全体にいえることではあるが新興温泉地では当然共同浴場といったものは少ないが古くからある温泉場では、共同浴場中心に温泉街が形成され温泉地独自の温泉文化が花開いたのが、私の温泉への回顧的なものである。
 伊東温泉は、関東の共同湯とは、異にしており温泉の配置からして関東の共同湯(銭湯)にみられるような湯船と洗い場が別といったものではなく、関西風な湯船の周りを取り囲むように洗い場があり、その形態が温泉文化の違いなのかもしれない。7つ(実は8つ)の観光客が入浴できる共同湯も、別府の共同湯などと同じく、アパートの1階や公民館に付帯するような場所が面白い、近くの関東圏の熱海や箱根の共同湯のような独立した建物でないのも関西風で楽しい。
 なにも飾らず気取らず、ありのままの温泉に入浴してくださいといった合理的な考え方に、大変感銘うける。

 私は伊東の共同浴場8箇所全て制覇したが今回は評判のよい、伊東温泉の代表的な歴史のある古湯である和田湯(寿老人の湯)と芝の湯(毘沙門天の湯)について紹介したい、ここは2つの共同浴場は、一番の特徴はいついっても混雑している点であろうか、確かに芝の湯は駐車場も完備しており建物も公共施設の併設されたもので新しいがそれだけでないようなきがする。なんと言ってもお湯の良さが人々に愛されている由縁なのである。 温泉は弱アルカリ性の単純泉であり温泉に詳しいひとはああパスかなと言ってしまうほどありきたりな温泉なのである。

 しかも伝統的な共同湯の微塵もなく共同湯というよりも小奇麗なセンター系で、温泉ファンには見向きもしない雰囲気で中途半端な感は否めない。だが、ここはお湯が良いのである。ひっきりなしの入浴客(地元の方だが)がそれを物語っている。お湯はなんといっても貴重な芒硝泉系のお湯、塩化物泉と比べて特徴はなんといってもる塩化物の匂いに近いのだが、音楽で言うと1オクターブ高いような軽さがのこり、ほのかな温泉臭というべき花の匂いなのかもしれないがともかくよい香りがして、温泉らしい匂いなのである。温まり感が心地よく、入浴中も入浴後もしっかりとした味わいのある温まり感が何時までも持続しており、この芒硝泉系のよさがわかる方が、少ないのが残念でならない。

 伊東温泉によさは文章に纏めるのは難しい、ある面日本全国の多くの温泉に入浴して見て、ああこの湯が一番良い湯だと感じる湯の代表的なものかもしれない。静の温泉である、昨今の温泉ブームの火付け役となったスーパー銭湯的な湯でもないし、その前の秘湯ブームにも取り残された感も否めない、しかし伊東温泉は本当の本物の温泉であることは断言出来る。釣りの用語にふなに始まりふなに終わるといった格言がある。これは、子供のころ近くの小川でふな釣りで釣りの楽しさを覚え、最後もへらぶな(?)釣りで終わる、釣りの楽しさを凝縮した名言である。
 海水浴でもよいし、味覚狩りでもよいが、是非とも帰りに伊東温泉に入浴してほしい。只の水を湧かしたのでなく、温泉なので実感してほしい。

 芝の湯(毘沙門天の湯)
源泉名 混合泉 泉質 単純温泉 泉温50.1℃ PH8.3 Na=154.2 K=3.7 Ca=71.7 Cl=78.4 SO4=368.8 HCO3=20.3 CO2=2.9 メタケイ=60.2 メタホウ=2.4

 和田湯は分析表の書き忘れ、芒硝はこちらのが強かった。
文/画像 ガメラちゃん@takayama