社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

10月10日(日)

2010年10月12日 00時11分01秒 | 2010年

  7時起床。今日は、Jリーグヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦、清水エスパルスvs.サンフレッチェ広島の試合を観に行く。当初、この試合を観に行くつもりはなかった。このカップ戦は、決勝を除いてホーム&アウェイ2試合の合計スコアで争われ、1戦目はアウェイで1-2で敗れている。つまり、今日の試合はそもそも開始の時点で1点負けている状態から始まるのだ。しかし、ルール上、今日は1-0で勝てばスコアは2-2となるがアウェイゴール数で上回り、決勝進出が決まる(もちろん、それ以上のスコアなら尚良い)。そして、こういう苦しい時こそ応援するのが真のサポーター(と初めて自分を呼ぶ)だろうと思ったのだ。更に言えば、こういう逆境を乗り越えて勝利する喜びは、いつも以上に大きいはずだ。

  9時20分新宿駅発のJR高速バス(駿府ライナー)に乗り、一路静岡へ。当初は雨が心配されたが、幸運にも天気は回復に向かっていた。ちなみに、いつもは東京駅発の東名高速バスを使うのだが、最近は負けが続いているので、私なりにジンクスを考慮に入れて行き方を変えてみた。車内では、昨日購入した上野先生の著作を読みながら過ごす。


休憩も、いつもとは違う鮎沢PAだった。

  静岡駅到着後、昼食は抜きにしてすぐにアウトソーシングスタジアム日本平へ。キックオフの2時間前に着いたので、試合前の様々なイベントを見ることが出来た。以前は「スタジアムに入るのは試合開始の直前でいいじゃん」と思っていた私も、いつの間にかこんなに早くからピッチを眺めるようになってしまった。


この「LA12」は、ここぞという試合の時にお目見えするらしい。

  15時キックオフ。前半早々からエスパルスが攻め込み、何度か決定的なチャンスを作るも決めることが出来ず、前半はスコアレスで折り返す。そして後半19分、反対にカウンターから失点。その後、終了間際に小野選手が執念の同点ゴールをあげたものの、そのまま1-1で試合終了。2試合の合計スコアが2-3となり、準決勝敗退が決まってしまった。結果だけ見れば本当に惜しかったし、シュートを20本以上放っていたことからも攻撃的なサッカーが出来ていたといえる。しかし、スタンドから見ていた人間としては、この試合には怒りを覚える。90分間フルに走り続けたのは、小野・ヨンセンの2人だけ。ベテラン勢がこれだけ頑張っているのに、小野選手に限っては足を引きずりながらも懸命にボールを追いかけていたのに、なぜ他の若い選手が同じことを出来ないのだろうか。特に、失点の起点となったカウンターの場面、ガラ空きの右サイドを猛然と攻めあがる相手がいるのに、なぜ一番近くいた山本真希選手はダラダラと戻るだけなのか。終盤の追い上げにしても、本当に全員攻撃を仕掛けたのは残り5分を切ってからで、それまでは相も変わらず後ろでチマチマとボールを回しているだけ。その時点で勝つために最低でもあと2点必要だということがわかっていたのか、そもそも本当に勝つ気があったのか。最後まで全力を尽くしてボールを追いかける最高のお手本が目の前にありながら、なぜそこから学ぶことができないのか。これまでも負け試合は見てきたし、内容的には今日よりはるかにひどいものもあったが、観に行ったこと自体を後悔したのはこの試合が初めてだ。私は結果には執着しない。結果に執着する姿に執着するのだ。私から見る限り、今日その姿を見せてくれたのは小野選手とヨンセン選手だけだったように思う。彼らのプレーは私に感動を与えてくれるが、彼らだけではサッカーはできない。


それにしても、小野伸二という選手は素晴らしい。

  試合終了後、エスパルス通りにある洋食屋「サンライス」で昼食兼夕食。注文は、「清水みなとカレー」。桜海老ライスの香ばしさと、マグロのフライのジューシーさが印象的だった。私はあまりマグロの刺身が好きではないが、火を通したマグロは好きだ。以前紀伊勝浦で食べた血合い肉の焼肉も美味しかったし、このフライもかなりいけた。白身魚が火を通すと淡白になるのに比べて、マグロは火を通すことで旨味が増すような気がする。また、今回は「清水っぽさ」を求めてこのメニューにしたが、この店には他にもたくさんのおすすめメニューがあるようなので、少しずつ試していきたいと思う。


デザートは、カシスシャーベット。

  清水から静岡(正確には、新清水から新静岡)へは、せっかくなので静鉄(静岡鉄道)を使ってみる。これがなかなか味のある車両で、鉄道オタクとしては嬉しい。また、沿線や各駅にも昭和の雰囲気が漂っており、時の流れがゆっくりと感じられた。まあ、実際にもJRなら10分で走る区間を20分以上かけて走っているのだが。


今時こんなにアルミ感丸出しの車両も珍しい。

  静岡駅前20時15分発の高速バスに乗り、新宿へ。帰りも、ひたすら本を読んでいた。静岡の往復で一度も眠らなかったのは初めてかもしれない。帰宅は0時過ぎ。