社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

3月11日(木)

2010年03月12日 19時32分20秒 | 2010年

  10時起床。朝食後、身支度を整えて家を出る。今日は、インテリジェンス(人材紹介会社)のキャリアカウンセリングを受けるのだ。場所は、東京丸ビル。晴れていたので、部屋の窓から富士山らしき山が見えた。私の担当になったキャリアカウンセラーは30歳くらいの男性の方で、説明も丁寧だしアドバイスも説得力のあるものだった。さっそく求人の案内もして頂き、その中からいくつかにエントリーすることにした。今後は、主にネット上の専門システムを使って求人の案内やエントリーの可否といったやりとりをしていくことになる。それにしても、人材紹介業のビジネスモデルは完全なる成功報酬型(採用が成功して初めて、採用する企業側に紹介料が発生する)だから、もっと手当たり次第に求人を案内されるのかと思っていたのだが、実際にはこちらの希望などもしっかりと聞いてくれた。一見当たり前のようだが、これってなかなかすごいことだと思う。

  家に帰ると、先日国会図書館で申し込んだ複写物が届いていた。さっそく、佛教大学社会学研究会が出している『佛大社会学』という学会誌(32号)に載っていた、井上未来「トランスジェンダーとフェミニズムの関係」という論文(というよりは研究計画書的なもの)を読んでみる。執筆者は、2007年当時修士課程に在籍していた大学院生のようだ。本論の要旨としては、「トランスジェンダーは家父長制を強化すると言われているが、反対に既存の性別二元論を解体する可能性も持っている」というものだ。しかし、私は元々「トランスジェンダーは現在のジェンダー秩序をぶっ壊すかもしれない」と思っていた人間なので、逆に「トランスジェンダーは家父長制を強化する」という考え方に目から鱗だった(どうやら本来この考え方は基本らしい…悔しいです!)。確かに、女性から男性へ移行した人がより「男性的に」振舞ったり、男性から女性へ移行した人がより「女性的に」振舞うことは、既存のジェンダー秩序を肯定・強化することになるかもしれない。執筆者は、今後もこのテーマ(「トランスジェンダーがジェンダー秩序を解体する存在になり得るか」)について突き詰めていかれるそうなので、結果を楽しみに待っていようと思う。ついでに言うと、おそらく正規の論文ではないからだろうが、執筆者が文中で「怒りを禁じえない」という熱い表現をしていたのが印象的だった。そんな表現もOKなのね。

  夜、昨日京都の一澤信三郎帆布で購入した鞄が届く。さすが名門だけあって生地も良く、使い勝手も良さそうだ。これで、近場の外出時のお供が出来た。