先日、間違って「トロイ ザ・ウォーズ」という映画のDVDを借りてきてしまいましたが、その後、あらためてブラットピット主演の映画「トロイ」を鑑賞しました。
壮大なスケールの映画で、風景も美しく(マルタ島で撮影されたそうです。)、話の筋も分かりやすかったため、家族みんなで楽しめました。
この映画の主役はもちろんブラットピット演じるギリシャの英雄アキレスです。
しかし、私にとって最も印象深かったのは、エリック・バナという俳優が演じたトロイの王子ヘクトルでした。(もちろん、ブラットピットもアキレス!という感じで良かったですが。)
戦士としての技量と、それをふまえた抜群の統率力。
国を想い、父を想い、妻や子の行く末を案じ、出来の悪い弟とその恋人を庇い、自分を犠牲にしてもすべての人を守ろうとする優しさと強い義務感を持ち合わせています。
詩人ホメロスの「イリアス」の中でもヘクトルは人材豊富なギリシャ勢に対し孤軍奮闘という感じで大車輪の働きをしていますが(ただし、時折、人間らしい弱さも散見されます。)、この映画のヘクトルは、パリスが「兄上は最高の男だ。」と言うように、理想的すぎる男として描かれています。
銀色に煌く美しい鎧兜がとても映えていました。
この映画の監督であるウォルフガング・ペーターゼンという人は有名な映画「Uボート」を撮った人ですが、私には、この映画、人気者のブラットピットを主演としつつ、実は理想化されたヘクトルをこそ描きたかったのでは、とすら思われました。
(そういえば、映画「Uボート」の頼もしい艦長とこのたびの映画のヘクトルとは顔立ちまで似ていたような気がします。)
そんなヘクトルをみて、うちの男の子達も大きくなったらあんな風になりたいと思ってくれないものかとちょっぴり期待してしまいましたが、全くそんな感じはなく、うちのお子ちゃま達、ヘクトルなんかよりのび太のほうがいいみたいです。
よくよく考えてみると、子供にとって、アキレスに惨殺されてしまうヘクトルなど決して共感の対象となりえないのは当然かもしれません。
親としても、ヘクトルの死を嘆き悲しむ父王(プリアモス)の姿を想うと、子供があまりにも立派過ぎるのは考えものなのかもしれませんね。
(今のところ全く心配無用・・)
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