アイ!サラマッポ in フィリピン & ジャパン!

‐Ay! Salamat sa Pilipinas at sa Japan!‐
 フィリピン、そして日本にありがとう!

Philippine Nursing Licensure Exam Result (December 2012) フィリピン看護師国家試験の結果発表。

2013年02月02日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 フィリピンでは、1月30日(水)に、昨年12月16日と17日両日に行われた、2012年2度目のフィリピン看護師国家試験・Philippine Nursing Licensure Exam.の結果が発表されました。今回の合格者発表は、異例の早さです。↓

December 2012 Nursing Board Exam Result – PRC and NLE Results 

The Professional Regulation Commission (PRC) announces that 16,908 out of 49,066 passed the Nurse Licensure Examination given by the Board of Nursing in the cities of Manila, Baguio, Cagayan de Oro, Cebu, Dagupan, Davao, Iloilo, Laoag, Legazpi, Lucena, Nueva Ecija, Pagadian, Pampanga, Tacloban, Tuguegarao and Zamboanga last December 2012.

 昨年、受験前にしばらく私のケアに関わってくれた介護者、合格しました!世界遺産の棚田があるイフガオ州バナウエ出身。バギオ市のコーディリエラ大学・UCを去年3月に卒業後、6月末の国家試験を見送り、今回の試験にかけてきました。
Congratulations!

  ここバギオ市のセント・ルイス大学・SAINT LOUIS UNIVERSITY(SLU)が合格率93.33%で、大学としては7番目の高さでした。前回6月30日・7月1日の看護師国家試験では、受験者663人中656人が合格(6番目)と、ほとんどの受験者がパスしていますから、今回はリピーターを含め60人が受験、56人合格ということです。優秀ですね…。

 以下は、2005年12月以降のフィリピン看護師国家試験の合格者数、受験者数、合格率です。↓
Dec. 2005 - 13,108 passed out of 24,287 examinees 53.97 % passing rate

Dec. 2006 - 19,712 passed out of 40,147 examinees 49.10 % passing rate
Jun.  2007 - 31,275 passed out of 64,909 examinees 48.18 % passing rate
Jun.  2008 - 27,765 passed out of 64,459 examinees 43.07 % passing rate
Dec. 2008 - 39,455 passed out of 88,649 examinees 44.50 % passing rate
Jun.  2009 - 32,187 passed out of 77,091 examinees 42.12 % passing rate
Dec. 2009 - 37,527 passed out of 94,462 examinees 39.72 % passing rate
Jul.   2010 - 37,679 passed out of 91,008 examinees 41.40 % passing rate
Dec. 2010 - 29,711 passed out of 84,287 examinees 35.25 % passing rate
Jul.   2011 - 37,513 passed out of 78,135 examinees 48.01 % passing rate
Dec. 2011 - 22,760 passed out of 67,095 examinees 33.92 % passing rate
Jul.   2012 - 27,823 passed out of 60,895 examinees 45.69 % passing rate
Dec. 2012 - 16,908 passed out of 49,066 examinees 34.46 % passing rate(今回)
(試験年月日 - 合格者数    - 受験者数       - 合格率)

 今回は、受験者数が5万人を切るという少なさ…。その背景には、ここ3~4年、国家試験にパスして正看護師になったとしても、フィリピン国内で看護職に就くのが大変難しい、という事情があります。看護職に就けない正看護師が、現在約30万人いると言われています。また「看護師として海外へ…」というフィリピンのこれまでの看護職人気も、最近は下降気味のようです。

(参考)
Philippine Nursing Licensure Exam Result (June & July 2012) フィリピン看護師国家試験の結果が…。
(August 25, 2012)
フィリピン人看護師・ケアギヴァー(介護士)の現状…フィリピン・バギオ発

(June 22, 2012)


第25回介護福祉士国家試験の筆記試験に、外国人介護福祉士候補者322人が受験(EPA)。

2013年01月28日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 昨日1月27日(月)、第25回介護福祉士国家試験の筆記試験が行われ、経済連携協定・EPAに基づいて来日しているインドネシア人とフィリピン人合わせて「322人」が受験したそうです。
 
筆記試験合格者は、3月3日に実技試験を受け、3月末に合格発表があります。

 今回は、2009年5月に日本に渡ったフィリピン人介護福祉士候補者第1期生にとって初めての挑戦。
フィリピン人看護師と介護福祉士候補者が日本入国-母の日に
(2009年5月10日 in アイ!サラマッポ in バギオ ) 

 2008年以降渡日したインドネシア人介護福祉士候補者にとっては2度目の挑戦です。昨年は、2008年8月に渡日したインドネシア人介護福祉士候補者第1期生が受験し、以下のような結果を残しました。↓
介護福祉士国家試験に、外国人受験者36人が合格!
(2012年3月28日 in アイ!サラマッポ in フィリピン

 今年は、試験問題の漢字すべてにふり仮名がふられたほか、試験時間も1.5倍に延長されたということです。
 また、2008年以来この5年間に、EPAに基づき来日したインドネシア人とフィリピン人の介護福祉士候補者は「933人」だそうです。
(NHKニュースを参考にさせていただきました。) 

(参考)
フィリピン人看護師・ケアギヴァー in アイ!サラマッポ in フィリピン

フィリピン人看護師・ケアギヴァー(介護士)の現状…フィリピン・バギオ発

(June 22, 2012)


第25回介護福祉士国家試験に、フィリピン人介護福祉士候補者第1期生が初挑戦。

2013年01月16日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 第25回介護福祉士国家試験が、今月末(筆記)と3月初め(実技・筆記試験合格者)の二度にわたって実施されます。↓
筆記試験 1月27日(日)
実技試験 3月3日(日)
介護福祉士国家試験 - 社会福祉振興・試験センター 

 今回は、2009年5月に日本に渡ったフィリピン人介護福祉士候補者第1期生にとって、初めての挑戦となります。
フィリピン人看護師と介護福祉士候補者が日本入国-母の日に
(2009年5月10日 in アイ!サラマッポ in バギオ )

 介護福祉士国家試験を受験するには、「特別養護老人ホームや介護老人保健施設の介護職員など、主たる業務が介護等の業務である方、介護保険の指定訪問介護事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)などで、介護等の業務に従事(在職期間が3年以上、実働日数が540日以上)した方」という要件があります。ですから、2009年に渡日し、同年末から受け入れ施設で実務を兼ねた研修を重ねてきたフィリピン人介護福祉士候補者第1期生…、4年目の初挑戦です。

 
昨年は、2008年に渡日したインドネシア人介護福祉士候補者第1期生が受験し、以下のような結果を残しました。↓
介護福祉士国家試験に、外国人受験者36人が合格!
(2012年3月28日 in アイ!サラマッポ in フィリピン

 インドネシア人介護福祉士候補者にとっては、二度目の挑戦となります。
 昨年、唯一のフィリピン人受験者で、一発で合格したマリシェル・オルカさん(Marichelle Orca・マニラ近郊出身・32歳女性)は、2009年5月に、EPAを通じて来日する以前に、すでに日本での半年間の勤務経験があり、「3年間の実務経験」という受験要件を満たしていると認められたのでした。
 大学の理学療法士・PT(5年間)を卒業後、国家試験にパス(合格率25%…これも難関)して資格を取得、フィリピン・スービックの日本人居住者向け介護付き施設に就職後、2006年に半年間愛知県の介護施設で働いた経験があったということです。


 この日比経済連携協定(JPEPA)を通してのフィリピン人看護師・介護福祉士候補者受け入れは、もう10年以上も前から日比両政府間で協議が続けられ、様々な分野の人々が議論をたたかわせてきた問題です。
 今月24日には、フィリピン大学アジアセンター・The Asian Center, University of the Philippinesと、長崎市の長崎大学の共催による、この問題についてのシンポジウムが、ケソン市のフィリピン大学で行われます。↓

Migration of Filipino Nurses under the Japan-Philippines Economic Partnership Agreement (JPEPA): Trends and Challenges

日時: 1月24日(木) 8:30am
会場: フリピン大学ディリマン校
     GT-Toyota アジア文化センター講堂
内容:「このシンポジウムでは、政策担当者、看護の専門家、社会科学者らが一同に会し、JPEPAの運用の向上の可能性に関して意見を交換する場として企画された。JPEPAの問題点を、看護学、保健学、歴史学、移民研究、言語教育学等、学術的なアプローチを通して得られた実証的なデータを元に検討する。」
Symposium on Filipino Nurse Migration under JPEPA
(フィリピン大学アジア文化センター)
http://www.am.nagasaki-u.ac.jp/hirano/dl/news_20130124.pdf
(長崎大学) 

 
 当ブログでも、経済連携協定(JPEPA)を通しての外国人看護師・介護福祉士候補者受け入れについて、何度か取り上げてきました。↓
フィリピン人看護師・ケアギヴァー(35)
参考までに…。


フィリピン人看護師候補者受け入れ機関(日本サイド)と応募者との意識の違いが…。日比EPA

2012年12月23日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 今日12月23日付のまにら新聞に、このような記事がありました。↓
「フィリピンと日本の経済連携協定(EPA)に基づくフィリピン人看護師、介護福祉士の受け入れ事業で、国家試験に合格できなかったなどの理由で帰国した第1陣看護師62人のうち、来年2月の看護師国家試験に再挑戦する候補者がわずか2人であることが22日、分かった。渡航・滞在費などの経済的負担に加え、日本以外の海外就労先に関する情報も多いフィリピンで、日本語能力、試験に対する意欲を維持するのは難しく、再受験者が少なくなる要因になっている、とみられる。」 

 私が、以前当ブログで書いたこと…。↓
「…ただ、その後、インドネシア人の介護福祉士資格試験合格者の帰国…という事態もあり、受け入れ側と、外国人応募者の意識の違いも表に出てきました。
 ここフィリピン現地での自分の感覚では、おそらく看護師候補者は3年の内に、介護福祉士候補者は4年の内に、仮に合格できずにフィリピンに帰国、ということになったとしても、それはそれでよい…、といった感覚の応募者も少なくないような気もします。
 人口の1割以上が海外で就労する出稼ぎ大国フィリピンの、海外就労の雇用契約は、通常2年から3年といった短い期間のものです。(フィリピン国内での雇用契約も「6ヶ月」といった短い契約が少なくありません。)
 EPAを通じて日本の看護師・介護福祉士候補者に応募する人たちも、3~4年日本での看護や介護の経験を積めればよい、それで日本語研修後の受け入れ機関での就労を兼ねた研修ではお給料も出るから、まとまったお金を家族に送金したり持ち帰ったりして、フィリピンでのファミリー・ビジネスの資金に…などといった感じで…。
 実際に、今年、介護福祉士の試験に合格後に帰国を決めたインドネシア人は、「当初から、日本で介護の経験を積みたかった」、「4年経ったら、インドネシアの家族の元に戻るつもりだった」などと話していました。
 今回、日本側の求人数増加の背後には、やはり特に介護の現場での人手不足と人手の確保が厳しい…という実情があるように思えます。そしてまた、フィリピン人ケアギヴァーの介護が日本の介護の現場で通用する、外国人のスタッフが加わることで相乗効果が期待できる、といったことなども現場が感じ始めているのではないかと思います。
 今後、ますます介護現場での外国人の人手も必要になってくるでしょう。

 自分としては、個人の雇用契約でのフィリピン人介護士(ケアギヴァー)受け入れといったことも、今後視野に入れていってほしい…と期待しています。」 

フィリピン人看護師・介護福祉士候補者、2013年度の求人数が増加…。(日比EPA)
(Aug. 20, 2012 in アイ!サラマッポ in フィリピン)
 


 日本サイドの、フィリピン人看護師候補者受け入れ機関(病院)と、フィリピン人看護師の応募者との意識の違いが、改めて浮き彫りとなった気がしました…。


フィリピン人看護師事情-バギオ発- 「採用おめでとう!」の後に…。

2012年12月18日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 今日のお昼ごろ、私のところで専従介護者として関わってくれている正看護師の一人から、「バギオ市総合病院・B.G.H. –Baguio General Hospitalでの採用通知があった…。」という連絡が入りました。
 彼女は、2010年3月にバギオ大学(U.B. 私立)の看護学部を卒業後、同年12月の看護師資格試験にパス。その後、看護師としての就職活動をしていましたが、ボランティアの仕事に就くことさえもできず、去年からのべ8ヶ月間、私のケアに当たってくれていました。よかった…。心から「おめでとう!」
 このバギオ市総合病院・B.G.H.は、バギオ市内の大きな公立の総合病院で、私も一度「診断書」を出してもらいに行ったことがあります。↓


Taken on Feb. 28, 2012 @ 15:49
 

 ずっと正看護師については、採用どころかボランティアの受け入れもしていなかったバギオ市総合病院ですが、先月中旬に「300名」の正看護師採用の公募があり、約700名の応募者があったそうです。
 
そして、私のところで「助っ人・Reliever」として関わっていたあと二人の正看護師の一人も、バギオ市総合病院で採用が決まり、もう一人は同じD.O.H.(Department Of Health)の公募によって、地域・コミュニティの病院かクリニックで働くことに…。
「よかった、よかった…。」とメールを入れながら、どうも来年の年明けにもトレーニングが始まると知り、こちらはやや不安に…。いつも厳しいクリスマスと年末・年始の介護体制、今年は余裕がありましたが、もう今年のうちにも次の介護者を探してトレーニングを始めないと…。
 でも、家族の事情等で続けられなくなったり、本人が病気になったり…と、諸事情で急に辞められたりすることの多かったこの一年の大変さを思い起こすと、まだまだ余裕です。時間にゆとりがありますから…。(なーんちゃって…。ダイジョウブかなぁ…^^;;) 

 ところで、フィリピンでは、16日(日)と17日(月)両日、今年2度目となるフィリピン看護師資格試験・Philippine Nursing Licensure Exam.が行われました。
 
今年、しばらく私のケアに関わってくれた介護者二人も受験しました。ここ2、3年合格率35%前後と低い12月の試験…、今回の合格者発表は、来年2月末頃です。

Philippine Nursing Licensure Exam Result (June & July 2012) フィリピン看護師国家試験の結果が…。
(Aug. 25, 2012 in アイ!サラマッポ in フィリピン)


フィリピン人介護福祉士候補者二人(日比EPA・第4期生)からのメール from Osaka

2012年11月07日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 日比経済連携協定・JPEPA(ジェペパ)を通して5月に日本へ渡った、このバギオ市近郊コーディリエラ地方出身の二人の介護福祉士候補者(2012年度の第4期生)…。
フィリピン人看護師・介護福祉士候補者第4期生(2012年度)が5月27日に日本へ。

(May 20, 2012)

 日本(大阪)での6ヶ月間の日本語を中心とした研修をもうすぐ終え、11月22日に徳島の施設へ移るとのメールが一昨日届きました。↓
…about radiation, we don’t have problem here in Osaka... We are staying countryside of Osaka... its not too crowded here but if we are going to Umeda or Namba its too nigiyaka...so I prefer to stay countryside...like Baguio. 
It’s getting cold here...it’s hard to wake up… hihi (^0^)
-Jovy on Nov. 5-

 二人とも元気そうで、また大阪での生活をエンジョイしているようで安心しました。 

フィリピン人看護師・介護福祉士候補者第4期生99人が日本へ。(5月27日)
(May 28, 2012)
 


先日、近所で見つけたミッキーマウス・Mickey Mouse?…「バナナの花」です(^^)。↓

Taken on Oct. 31, 2012 @ 15:16


Philippine Nursing Licensure Exam Result (June & July 2012) フィリピン看護師国家試験の結果が…。

2012年08月25日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 フィリピンでは、一昨日の8月23日に、さる6月30日と7月1日両日に行われたフィリピン看護師国家試験・Philippine Nursing Licensure Exam.の結果が発表されました。↓

June & July 2012 Nursing Board Exam Result – PRC and NLE Results

 ここバギオ市のSAINT LOUIS UNIVERSITY(SLU)が合格率98.94%(受験者663人中656人合格)で、大学としてはフィリピンで6番目。ラ・トリニダードのBENGUET STATE UNIVERSITY(BSU)が、98.84%(受験者86人中85人合格)で8番目に入りました。

 個人では、バギオ市のUniversity of The Cordilleras(UC)のVanessa Joy P. Gasatさんが84.80%で、全受験者中5番目という好成績でした。
 
昨日の夕方のローカル・ニュースの中で、そのヴァネッサ・ジョイさんは、「医療が十分行き届いていないコーディリエラ地方の僻地で看護を提供するのが夢…。」と話していました。海外就労志向が強い看護課程修了生にしては、珍しいことで、頼もしく感じました。「海外に出稼ぎに行くことだけが、この国の看護師としての道ではない。」と…。

 さて、通常4年間という大学の「看護課程・Nursing course」を卒業するのも、フィリピンではその授業料の高さなどからなかなか大変なのですが、その後、この看護師国家試験に合格して「正看護師・Registered Nurse」になるのも年々難しくなっています。そして、正看護師になった後も、現在は看護職に就けない人が、フィリピンには30万人近くいると言われています。厳しいですね…。

 以下、2005年12月以降のフィリピン看護師国家試験の合格者数、受験者数、合格率です。↓
Dec. 2005 - 13,108 passed out of 24,287 examinees 53.97 % passing rate
Dec. 2006 - 19,712 passed out of 40,147 examinees 49.10 % passing rate
Jun. 2007  - 31,275 passed out of 64,909 examinees 48.18 % passing rate
Jun. 2008  - 27,765 passed out of 64,459 examinees 43.07 % passing rate
Dec. 2008 - 39,455 passed out of 88,649 examinees 44.50 % passing rate
Jun. 2009  - 32,187 passed out of 77,091 examinees 42.12 % passing rate
Dec. 2009 - 37,527 passed out of 94,462 examinees 39.72 % passing rate
Jul. 2010   - 37,679 passed out of 91,008 examinees 41.40 % passing rate
Dec. 2010 - 29,711 passed out of 84,287 examinees 35.25 % passing rate
Jul. 2011   - 37,513 passed out of 78,135 examinees 48.01 % passing rate
Dec. 2011 - 22,760 passed out of 67,095 examinees 33.92 % passing rate
Jul. 2012   - 27,823 passed out of 60,895 examinees 45.69 % passing rate (今回)
(試験年月日 - 合格者数    - 受験者数       - 合格率) 

 現在、バギオ市で私のケアに関わってくれている3人はみんな正看護師…。これまでは、介護士養成課程(Caregiver course・通常6ヶ月間)を修了したケアギヴァーが一人はいて、あとはメディカルの課程でないハイ・スクール卒の人だったり、別の課程の人だったり…、ということが多かったのですが…。看護課程を修了した人でも、国家試験にパスしていない未資格の人はいました。それが、ここ2、3年のうちに、正看護師の応募者が増えてきました。
 
実際には、「看護・Nursing」と「介護・Caregiving」は同じメディカルのフィールドではありますが、仕事の内容はずい分違います。自分自身も、資格や経歴にあまりこだわらずに介護・ケアできる人を入れてきました。「正看護師」だから都合がよい…、ということではなく、今たまたま「正看護師が3人」という状態になった、ということでしょう。
 
そのうち、助っ人・Relieverとして少しの間関わってくれた正看護師の一人は、もうじきリビア・Libyaに渡り、公立病院で働く予定です。
 
日本人の感覚だと「エッ!リビア?」と驚きますが、そこは平気で「何か問題ある?」というところがフィリピン人の危うさでしょうか?つい先日も、首都トリポリで反政府勢力(カダフィー派?)による爆弾テロで死傷者が出たところです。以前よりはましでしょうが、政情はまだまだ不安定です。
 
でも、彼女が渡航・就労を依頼したマニラのマカティ市のエージェンシー・Agency(斡旋・仲介所)での手続きの内容を聞くと、確かに条件は悪くないようです。お給料こそ月815リビアン・ディナール(2万7千ペソ・約5万円余り)と高くはありませんが、彼女は5月にそのエージェンシーに申し込んだばかり…(早い)。そしてエージェンシーに支払う諸経費も(リビアでの)1ヶ月分の給料だけ、ということです。その病院では、何人ものフィリピン人看護師が働いている、ということで彼女はそれほど心配していないようです。
 
そういえば、極めて異常な内線が続くあのシリア・Syriaでも、まだ約9千人のフィリピン人就労者がいるそうです。
「リビア…hmmm…Take care!」 

(参考)
Philippine nursing board exam 2012 on June 30 & July 1 フィリピン看護師国家試験
(2012-07-01| フィリピン人看護師・ケアギヴァー)
 

フィリピンの看護師事情。「正看護師」(Registered Nurse・RN)が…。
(2011-03-02| フィリピン人看護師・ケアギヴァー)


フィリピン人看護師・介護福祉士候補者、2013年度の求人数が増加…。(日比EPA)

2012年08月20日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 18日のまにら新聞によると、
「比日経済連携協定(EPA)に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の日本就労で、受け入れ調整機関である国際厚生事業団(JICWELS)は17日、2013年に訪日する第5陣の日本側病院・福祉施設の求人数は176人と明らかにした。求人数は減少、横ばい傾向が続いていたが、2年ぶりに増加。前年比3割増で、増加幅でも過去最高となった。」
…ということです。そして、その理由として、
「制度運用が始まって4年が経過し、国家試験の合格者増、受け入れ施設側の経験の蓄積、国による支援体制の改善…などが背景にあるとみられる。」
…とありました。 

 確かに、今年初めに行われた看護師国家試験と介護福祉士資格試験の結果では、政府の外国人受験者への配慮もなされて、予想以上の合格者を出しました。↓

介護福祉士国家試験に、外国人受験者36人が合格!
(2012-03-28 17:38:55 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー)

 ただ、その後、インドネシア人の介護福祉士資格試験合格者の帰国…という事態もあり、受け入れ側と、外国人応募者の意識の違いも表に出てきました。
 
ここフィリピン現地での自分の感覚では、おそらく看護師候補者は3年の内に、介護福祉士候補者は4年の内に、仮に合格できずにフィリピンに帰国、ということになったとしても、それはそれでよい…、といった感覚の応募者も少なくないような気もします。
 人口の1割以上が海外で就労する出稼ぎ大国フィリピンの、海外就労の雇用契約は、通常2年から3年といった短い期間のものです。(フィリピン国内での雇用契約も「6ヶ月」といった短い契約が少なくありません。)
 EPAを通じて日本の看護師・介護福祉士候補者に応募する人たちも、3~4年日本での看護や介護の経験を積めればよい、それで日本語研修後の受け入れ機関での就労を兼ねた研修ではお給料も出るから、まとまったお金を家族に送金したり持ち帰ったりして、フィリピンでのファミリー・ビジネスの資金に…などといった感じで…。
 
実際に、今年、介護福祉士の試験に合格後に帰国を決めたインドネシア人は、「当初から、日本で介護の経験を積みたかった」、「4年経ったら、インドネシアの家族の元に戻るつもりだった」などと話していました。

 今回、日本側の求人数増加の背後には、やはり特に介護の現場での人手不足と人手の確保が厳しい…という実情があるように思えます。そしてまた、フィリピン人ケアギヴァーの介護が日本の介護の現場で通用する、外国人のスタッフが加わることで相乗効果が期待できる、といったことなども現場が感じ始めているのではないかと思います。
 今後、ますます介護現場での外国人の人手も必要になってくるでしょう。

 自分としては、個人の雇用契約でのフィリピン人介護士(ケアギヴァー)受け入れといったことも、今後視野に入れていってほしい…と期待しています。 


 さて、18日(土)には、バーンハム公園近くのJapanese Memorial Garden(日本庭園)へお参りに行って来ました…。
 

Filipino-Japanese Friendship Memorial Shrine in Baguio City
The Baguio War Memorial Monument

Taken on August 18, 2012 @ 10:07
 

Japanese Memorial Garden symbolizing Filipino-Japanese Friendship and World Peace in Baguio City

Taken on August 18, 2012 @ 10:03

(参考)
フィリピン人看護師・介護福祉士候補者第4期生(2012年度)が5月27日に日本へ。
(2012-05-20 12:05:20 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー)


Philippine nursing board exam 2012 on June 30 & July 1 フィリピン看護師国家試験

2012年07月01日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

Philippine nursing board exam 2012 on June 30 & July 1...

 昨日6月30日と今日7月1日の2日間にわたって、フィリピンでは看護師国家試験が行われました。
 
現在、フィリピンでは、約25万人もの「正看護師」が看護職には就けない…という極めて厳しい状況下で…。




(看護師国家試験合格者の宣誓式 in 2010)


 フィリピンの看護師国家試験は、毎年7月(以前は6月だった)と12月の2回行われますが、500問の試験問題の合格ボーダーラインは「75%」です。つまり、375問以上正解だと合格です。

 以下は、2005年12月以降のフィリピン看護師国家試験の合格者数、受験者数、合格率です。↓
Dec. 2005 - 13,108 passed out of 24,287 examinees 53.97 % passing rate
Dec. 2006 - 19,712 passed out of 40,147 examinees 49.10 % passing rate
Jun.  2007 - 31,275 passed out of 64,909 examinees 48.18 % passing rate
Jun.  2008 - 27,765 passed out of 64,459 examinees 43.07 % passing rate
Dec. 2008 - 39,455 passed out of 88,649 examinees 44.50 % passing rate
Jun.  2009 - 32,187 passed out of 77,091 examinees 42.12 % passing rate
Dec. 2009 - 37,527 passed out of 94,462 examinees 39.72 % passing rate
Jul.   2010 - 37,679 passed out of 91,008 examinees 41.40 % passing rate
Dec. 2010 - 29,711 passed out of 84,287 examinees 35.25 % passing rate
Jul.   2011 - 37,513 passed out of 78,135 examinees 48.01 % passing rate
Dec. 2011 - 22,760 passed out of 67,095 examinees 33.92 % passing rate 
(試験年月日 - 合格者数           - 受験者数             - 合格率)


 今回は、新卒者が多いため、昨年12月の看護師国家試験の「34%」という過去最低の合格率よりも、多少は高くなると思われます。
 が、以前と比べて「看護師養成課程」(4年間)を志望する学生は、最近激減しているようです。
 合格発表は、通常約2ヶ月後です。

 ちなみに、日本では、今年2月19日に行われた第101回目の看護師国家試験(2012年・2011年度)、全体の受験者数53,702人のうち、合格したのは48,400人で、合格率は90.1%でした(再受験者、インドネシア人、フィリピン人などの外国人受験者を含む)。
 新卒者に限って見れば、合格率「95.1%」…受験者数49,336人中、合格者数46,928人でした。

 
(参考)

フィリピン看護師国家試験の結果が…。厳しい正看護師の事情…。Filipino Registered Nurse
(Feb. 17, 2012)

第101回看護師国家試験(2012年)合格発表。外国人看護師合格者は47人!(合格率11.3%)
(Mar. 26, 2012)


フィリピン人看護師・ケアギヴァー(介護士)の現状…フィリピン・バギオ発

2012年06月22日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 フィリピンでは、今世紀に入って、そのホスピタリティ豊かな国民性と、英語が第二母国語である利点を生かして、「ケアギヴァー・Caregiver」(介護士)を養成して世界のケアギヴァーを必要としている国へ送り出す、また、海外からの多少ケアを必要とする退職者等をフィリピンへ呼び込む(移住)、といった国家の一大プロジェクトが始まりました。


フィリピンのトップ女優「Sharon Cuneta(シャロン・コネタ)」主演の『Caregiver(ケアギヴァー)』
(ドラマ・フィルム2008年)

CAREGIVER with Sharon Cuneta (映像)


 フィリピン人看護師・Filipino Nurseは、ずっと以前から海外で需要も多く、その技能も高く評価されてきた、という歴史があります。

 ただ、ここ数年、フィリピンの看護師とケアギヴァーを含む、メディカルの職種の海外就労の事情はずい分変わってきています。
 リーマン・ブラザーズ・ショック以降の、世界的な不景気、失業者増大…という極めて厳しい状況の中で、外国人就労者を受け入れるのであれば、自国の失業者を雇用したい、という各国の実情もあり、中東の一部の国々を除いて、フィリピン人の海外就労希望者を受け入れてきた国でも、その受け入れ人数はかなり減っている昨今です。

 それでも、Wikipediaの記事では、フィリピンの人口約9400万人のうちの約11%にあたる、950万人から1250万人のフィリピン人が海外に出ている、ということです。そのほとんど、おそらく約800~900万人が、海外就労者(出稼ぎ)だと言われています。↓

Around 9.5 million to 12.5 million overseas Filipinos are the estimated count worldwide or about 11% of the total population of the Philippines as of 2010. 

Overseas Filipino - Wikipedia, the free encyclopedia

 日本に関しては、登録されている、違法でない在留フィリピン人の数は、約35万人という数字が出ています。↓
Japan
Some 350,972 Filipinos are listed to be living within Japan's geographic confines. However, this number is speculated to be larger, surpassing the one million mark due to many unlisted and illegal Filipino nationals.  

 これまでフィリピン人ケアギヴァーを受け入れてきた先進諸国は、カナダ、イギリス、アメリカ等英語圏の国が多いようですが、一方英語があまり通用しない中東諸国や台湾などの受け入れ例もよく耳にします。

 日本では、2008年度にインドネシアから、2009年度にフィリピンから、これまでに千数百名の看護師と介護福祉士候補者を、経済連携協定・EPAに基づいて受け入れてきましたが、当初よりその経済連携協定の枠の中で、相手国から要求された人材受け入れに合意した、という意味合いで、元より、日本の看護や介護の現場での人手不足を補うために…、といったことを目的としたものではなかったのです。
 
例えば、フィリピンの場合は、日本の有害産業廃棄物のフィリピン投棄や、アメリカ国務省の人身売買報告書による圧力によってフィリピン人エンターテイナー(日本ではタレントさん、国内外でジャパユキさん)への興行ビザ発給の数を、それまでの「10分の一」と極端に減らしたこと(2005年~)など、フィリピンにとっての不利益に対する見返りとして、フィリピン側の要求のIT技術者とともに看護師・ケアギヴァーの受け入れを…、という要求を呑んだものだった、ということのようです。


 超高齢化社会で介護の手が足りない日本も、フィリピン人ケアギヴァーを、病院や施設だけでなく、個人の雇用契約でも受け入れてきた国々に見習ってほしいと思います。

 私は、今、フィリピン北ルソンの高地バギオ市で、フィリピン人ケアギヴァー(介護士)や看護師等のケアを受けながら、いわゆる障がい者の「自立生活」を続けています。
 そのフィリピンでの自立生活も、マニラ、ダバオ、バギオと3ヶ所を巡りながら、14年目に入りました。
 いつに日か、個人の雇用契約でのフィリピン人ケアギヴァー(介護士)・Filipino Private Caregiverが、日本で就労できるビザを取得できる日が来ることを強く願いつつ…。 

(参考)
未来世紀ジパング 2012.6.4「進化する出稼ぎ大国」番外編 (映像)


※6月21日、在フィリピン日本大使館から発表された『フィリピンにおける安全対策』↓
フィリピンにおける安全対策 (在フィリピン日本大使館より-2012年6月21日)