アイ!サラマッポ in フィリピン & ジャパン!

‐Ay! Salamat sa Pilipinas at sa Japan!‐
 フィリピン、そして日本にありがとう!

フィリピン人看護師・ケアギヴァー(介護士)の現状…フィリピン・バギオ発

2012年06月22日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 フィリピンでは、今世紀に入って、そのホスピタリティ豊かな国民性と、英語が第二母国語である利点を生かして、「ケアギヴァー・Caregiver」(介護士)を養成して世界のケアギヴァーを必要としている国へ送り出す、また、海外からの多少ケアを必要とする退職者等をフィリピンへ呼び込む(移住)、といった国家の一大プロジェクトが始まりました。


フィリピンのトップ女優「Sharon Cuneta(シャロン・コネタ)」主演の『Caregiver(ケアギヴァー)』
(ドラマ・フィルム2008年)

CAREGIVER with Sharon Cuneta (映像)


 フィリピン人看護師・Filipino Nurseは、ずっと以前から海外で需要も多く、その技能も高く評価されてきた、という歴史があります。

 ただ、ここ数年、フィリピンの看護師とケアギヴァーを含む、メディカルの職種の海外就労の事情はずい分変わってきています。
 リーマン・ブラザーズ・ショック以降の、世界的な不景気、失業者増大…という極めて厳しい状況の中で、外国人就労者を受け入れるのであれば、自国の失業者を雇用したい、という各国の実情もあり、中東の一部の国々を除いて、フィリピン人の海外就労希望者を受け入れてきた国でも、その受け入れ人数はかなり減っている昨今です。

 それでも、Wikipediaの記事では、フィリピンの人口約9400万人のうちの約11%にあたる、950万人から1250万人のフィリピン人が海外に出ている、ということです。そのほとんど、おそらく約800~900万人が、海外就労者(出稼ぎ)だと言われています。↓

Around 9.5 million to 12.5 million overseas Filipinos are the estimated count worldwide or about 11% of the total population of the Philippines as of 2010. 

Overseas Filipino - Wikipedia, the free encyclopedia

 日本に関しては、登録されている、違法でない在留フィリピン人の数は、約35万人という数字が出ています。↓
Japan
Some 350,972 Filipinos are listed to be living within Japan's geographic confines. However, this number is speculated to be larger, surpassing the one million mark due to many unlisted and illegal Filipino nationals.  

 これまでフィリピン人ケアギヴァーを受け入れてきた先進諸国は、カナダ、イギリス、アメリカ等英語圏の国が多いようですが、一方英語があまり通用しない中東諸国や台湾などの受け入れ例もよく耳にします。

 日本では、2008年度にインドネシアから、2009年度にフィリピンから、これまでに千数百名の看護師と介護福祉士候補者を、経済連携協定・EPAに基づいて受け入れてきましたが、当初よりその経済連携協定の枠の中で、相手国から要求された人材受け入れに合意した、という意味合いで、元より、日本の看護や介護の現場での人手不足を補うために…、といったことを目的としたものではなかったのです。
 
例えば、フィリピンの場合は、日本の有害産業廃棄物のフィリピン投棄や、アメリカ国務省の人身売買報告書による圧力によってフィリピン人エンターテイナー(日本ではタレントさん、国内外でジャパユキさん)への興行ビザ発給の数を、それまでの「10分の一」と極端に減らしたこと(2005年~)など、フィリピンにとっての不利益に対する見返りとして、フィリピン側の要求のIT技術者とともに看護師・ケアギヴァーの受け入れを…、という要求を呑んだものだった、ということのようです。


 超高齢化社会で介護の手が足りない日本も、フィリピン人ケアギヴァーを、病院や施設だけでなく、個人の雇用契約でも受け入れてきた国々に見習ってほしいと思います。

 私は、今、フィリピン北ルソンの高地バギオ市で、フィリピン人ケアギヴァー(介護士)や看護師等のケアを受けながら、いわゆる障がい者の「自立生活」を続けています。
 そのフィリピンでの自立生活も、マニラ、ダバオ、バギオと3ヶ所を巡りながら、14年目に入りました。
 いつに日か、個人の雇用契約でのフィリピン人ケアギヴァー(介護士)・Filipino Private Caregiverが、日本で就労できるビザを取得できる日が来ることを強く願いつつ…。 

(参考)
未来世紀ジパング 2012.6.4「進化する出稼ぎ大国」番外編 (映像)


※6月21日、在フィリピン日本大使館から発表された『フィリピンにおける安全対策』↓
フィリピンにおける安全対策 (在フィリピン日本大使館より-2012年6月21日)


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11 コメント

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Unknown (群青)
2012-06-24 16:16:51
isshinさん、こんにちは。
群青ブログで、こちらのURLを付して、こちらの話題をご紹介しておきます。
申し訳ありませんが、ご許可願います。
群青さん、サラマッポォ! (Isshin)
2012-06-25 09:55:03
群青ブログで、こちらのブログ、記事を紹介していただき、ありがとうございます。
「サラマッポォ!」(^0^)

フィリピンでの「ケアギヴァー養成」の国家プロジェクトですが、世界的な不景気で、ケアギヴァーとしての「海外就労」(出稼ぎ)も難しくなってきているように思います。狭き門ですね…。

しかし、6ヶ月間の「ケアギヴァー養成課程」を修了したプロのケアギヴァー予備軍は、かなりの数…のはずです。

ご連絡ありがとうございました。
初めまして。 (「ひろし」)
2012-06-25 17:54:46
初めまして!!

突然のコメント、失礼します。

群青さんのブログを拝見して記事を読ませて頂きました。

私は約10年前、フィリピンに来て以来こちらを中心に生活している者です。

記事を少しだけ拝見させて頂いて、私は健常者ですので、正直申し上げてisshinさんのご苦労や苦しみは1%も知る由もない人間ですが、isshinがこのブログを通してフィリピン人の優しさやホスピリティーの高さに感謝の気持ちを持たれ、世の中の人に本当のフィリピン人の優しさを理解してもらおうとする姿勢に心から尊敬申し上げると共に同じくフィリピンを愛する者の一人として感謝申し上げる次第です。

これから、時間をかけてじっくりと最初から読ませて頂きます。

バギオは寒暖の差が激しいと推察します。

風邪などひかれないない注意され、健やかに過ごされてください。

ありがとうございました。
ひろしさん、初めまして。 (Isshin)
2012-06-26 14:27:20
ひろしさん、うれしいコメントありがとうございます。
ブログも読んでいただいたそうで…。
「Salamat po!」

私は、フィリピンでの生活を始めて14年目になります。
ご想像のとおり、フィリピンに単身でやって来た当初は、安くない授業料(?^^;)を払って、いろいろなことを学びました。
その当時のことを思い起こすと、よくこれまでやってこれたものだ…、と自分でも感じます。

それと同時に、これまで、首から下が全身麻痺の自分の生活を支え続けてくれた何人ものフィリピン人専従介護者たち、友人たちのの顔が浮かびます。
「Maraming salamat po!」ですね、talaga...

ひろしさんのいう「本当のフィリピン人の優しさやホスピリティーの高さ」…。
ひろしさんも、きっとそのあたりを感じながら10年間のフィリピンでのステイを享受されてきたのでしょうね。説得力があります(^0^)。

日本人がフィリピン(人)にいだくイメージ、フィリピン人が日本(人)にいだくイメージ、本当の姿とは多少異なっている気がしますよね…。

バギオはあと4~5ヶ月ほど「雨季」でしょう。でも、自然に囲まれた良い環境です。
2月のPanagbenga(フラワーフェスティバル)の頃がベスト・シーズンだと思います。
初めまして (たまちゃん)
2012-07-14 16:32:45
私は兵庫県に住む高校生三年生です。私は、私の住む市が、福祉が、異文化が大好きです。ニュージーランドに一年間留学していました。現在はボランティアなどを通して福祉を勉強中です。私は、海外福祉士が私の市で働くのをサポートしたり、促進したりする職をかんがえています。今日、大学のオープンキャンパスに行ってきました。そして、私は情報収集が甘いとわかりました。私は実際に日本に住む外人福祉士に意見をきいたり、私の市に住む外人に話を聞いたり、私がボランティアに行っている施設に頼んで活動を記録して英語でネットに発表したいと思いました。私は、日本在住の海外福祉士についてまとめて、大学にレポートを出したいと思います。その際に、こちらのサイトの記事を引用させていただいていいでしょうか?よければ、このサイトでお返事ください。
たまちゃん、喜んで…。 (Isshin)
2012-07-15 09:11:38
たまちゃん、初めまして。
高3ですかぁ…。誠実さが伝わってくるうれしいコメント、ありがとうございます。

私も、超高齢化・少子化の日本の将来は、いや今現在もすでに、特に介護現場で外国人のケアギヴァー(介護士)受け入れなくしては、大変厳しい状況だと思います。
「施設」であろうが、「在宅」であろうが…。
そんな中、あなたのような若い方が福祉に関心を持たれ、「海外福祉士が私の市で働くのをサポートしたり、促進したりする職を…」考えていらっしゃることに敬意を表したい気持ちです。

「実際に日本に住む外人福祉士に意見をきいたり、私の市に住む外人に話を聞いたり、私がボランティアに行っている施設に頼んで活動を記録して英語でネットに発表したいと思いました。」

→興味津々です。日本の福祉の現場に関わっている外国人が日本の福祉の現場をどう感じているか、また、福祉の現場の日本人スタッフが、関わっている外国人をどう見ているか、ケアのサービスを受ける側が外国人のケアをどう感じているか…。英語で!?世界に発信ですね。出来上がったら、ぜひこちらにもお知らせください。

「日本在住の海外福祉士についてまとめて、大学にレポートを出したいと思います。その際に、こちらのサイトの記事を引用させていただいていいでしょうか?よければ、このサイトでお返事ください。」

→喜んで…。どうぞ使ってください。
ただ、できれば引用された箇所は、出どころ(当ブログ)を明らかにしてください。
レポートの方も、いつか拝見したいですね…。

ところで、一つ気になったのは、コメント内の「外人福祉士」とは、日本とのEPA(経済連携協定)に基づいて日本に在留中のフィリピン人、インドネシア人の「介護福祉士候補者」のことでしょうか?
こんばんわ。 (たまちゃん)
2012-07-15 21:42:36
お返事ありがとうございます。私の思っている福祉の思想を私のブログに書きました。よければみてください。アドバイスあれば私のブログかこのサイトで教えてえください。


たまちゃん キリスト教 アメーバ ニュージーランド で調べてください。


>>ところで、一つ気になったのは、コメント内の「外人福祉士」とは、日本とのEPA(経済連携協定)に基づいて日本に在留中のフィリピン人、インドネシア人の「介護福祉士候補者」のことでしょうか? 
私は勉強不足で言葉がまだまだ分かりません。ですが、介護福祉候補者 であってると思います。



Unknown (まあ)
2012-07-16 20:02:59
中東は国にもよりますけど英語が通じますよ。
特に医師や看護師などの専門職は英語を使います。だからフィリピン人看護師も働いてますよ。
台湾のことは知らないけれど、中国は中国語です。フィリピン人看護師はほとんどいません。だって中国語だから。ここまでは看護師について。

中東や中国における介護士のことは解りませんけど、日本の介護福祉士って日本独自の資格制度なので、(日本の介護福祉士は一部ですが医療行為も許されています)そのまんま海外の介護職に当てはまるかどうかは疑問です。
たまちゃんへ (Isshin)
2012-07-17 09:12:30
たまちゃんへ

貴ブログ『たまちゃんのブログ』、拝見しました。ありがとう…。
まだ始めたばかり?英語の記事も豊富で…。
これからが楽しみですね。

「自分の街が好き」
「異文化が好き」
「もっと社会福祉を学びたい」
…それだけでも魅力的で輝いて映ってきます。

中3でニュージーランド留学!
自分の世代では想像もできなかった世界です。
Please enjoy your Independent Living!

-たまちゃんの3倍ほど生きてきたIsshinより。(^^;)
まあさんへ (Isshin)
2012-07-17 09:37:29
「まあ」さん、コメントありがとうございました。

そうですね…。中東の国々は多くの職種で働き口があり、たくさんのフィリピン人が受け入れられています。メディカルの分野はもちろん…。行きやすい(就労ビザを取りやすい)んですね。

「介護福祉士」は日本独自の資格制度…、おっしゃるとおりです。
私も、海外のいわゆる「caregiver・ケアギヴァー」は、日本の介護福祉士と区別する上で「介護士」と表記してきました。

フィリピン人ケアギヴァー(Filipino caregiver)に人気があるのは、やはり「カナダ」を筆頭とした欧米の国々でしょう。

そうした自分の最終ターゲットの国に渡るために、とりあえず割と行きやすい中東の国々、シンガポール、香港…でまずしばらく働き、そこから直接ターゲットの欧米諸国へ移動する人も多く、一つのパターンとなっています。「クロス・カントリー」(Cross country)といわれます。

フィリピンでは人口の約1割が海外就労者!たくましいですね、本当に…。

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