(記事「説明努力も大切です」からの続き)
雪山に住む神霊からの釈尊への賛辞の言葉が続きます。
「完全なる叡智を悟ったブッダと呼べる釈尊に面会するということは、私達の今日は、
朝の静寂な清らかさの中で、立ち昇る日輪を拝むような幸福な時間だった。
これは、輪廻転生(りんね てんせい:生まれ変わること)を繰り返すという非常に困難な激流を、奇跡的に渡り終えた稀有なる人に会えたからだ」
(原始仏典 釈尊の言葉 スッタニパータ編 第1章9節-No.178)
(感想)
神霊が、釈尊に会えた感想を述べています。
釈尊に面会するということは、
・ まるで、朝に立ち昇る日輪と面会したような崇高な感じだった。
・ 生まれ変わりの激流を卒業した人間とは、本当に凄い人物だった。
このような最高の賛辞を、神霊と呼ばれる存在が釈尊へ送っています。
しかし、これを逆の視点で考えますと、神霊が釈尊のことを褒めれば褒めるほどに、
・ 自分は、生まれ変わることを繰り返すことから卒業するなど、絶対に出来そうにも無い。
・ また、来生も生まれ直して、同じことを繰り返すのか。
このような落胆をするのも人間の心理です。
つまり、この項から浮かびますことは、
・ 来生も必ず生まれ出なければ生けないのならば、
・ 今生をいかに生きるか?
・ 今生よりも、ひどい条件で生まれたくは無いから、
・ 来生にも希望を繋げられるように、今生を正しく生きたい。
このように思えたならば幸いです。
悪事を働いた人へのインタビューで共通するのは、
・ 死ねば終わりだから。
・ 自分の罪も消えるから。
・ 来生など、有るはずがない。
つまり、輪廻転生を信じていないから、悪事をすることが可能なわけです。
だから人は、
・ 来生を信じる人か? 否か?
これが1つの大きな分岐点と成ります。
来生を信じるか否かで、その人の運命が変わります。
子供の教育には、どちらが良いのでしょうか?
・ 来生など無い。
・ 死ねば、それで終わり。
・ 罪を犯しても、バレなければ、捕まらなければ、それで終わり。
いいや、来生というものが有る。
・ どんなことも、来生でその反射を受ける。
・ 今生の善行は、来生の自分が生まれる環境や条件に置き換わる。
・ 今生で悪事をすれば、来生はそれを償う人生を、自分で必ず体験する。
でも、教育となりますと、その根拠は? その証拠は?
となるのが社会です。
そこで仏教的にはどう考えるのか? と言いますと、
・ 来生を信じることが出来るのも、善行から生じる縁で決まる。
つまり、悪徳しか無い人には、まず転生(生まれ変わること)を信じられるように成れるまで、人生の修行が続く、苦労することに成る、これでもか!と何度も生まれ直す、ということです。
そして、何度目かの人生で、初めて「転生は有るかも知れない」という心境・素直さの芽が出ます。
でも、まだまだ芽なのです。
その後も転生を重ね、善行が溜まるほどに、生まれ出る環境が良く成り。
でも、また悪事をして、前回に戻り。
更に転生を重ねて、こういう心の世界のブログを読むことが継続する人。
ましてや、先祖や神仏に感謝をする人に成れるには、まだまだ先は長い。
そう成れたとしても、釈尊のような転生の卒業の話を聞きますと、無理だと思ってしまう。
でも、その人の魂の始まりの頃から見れば、途方もなく長い旅をしています。進歩しています。
つまり、転生の卒業は自分には無理だと思えた人こそは、
・ その難しさを理解が出来たことが、合格に近い。
・ その難解さが理解出来たことが、解脱(げだつ:転生の卒業)の方向に向いている。
ということが縁起から言えるのです。
これを簡単に説明しますと、
・ アインシュタインの理論は、誰も最初は理解が出来なかった。
・ まず、その難解さが指摘する内容を理解するのに、時間を要した。
・ 理解を始めた時に、途方もない問題を指摘していることが初めて分かった。
転生の卒業は、自分には無理だと思えた人こそは、既に良い境涯に達しているわけです。
謙虚な人を見掛けますと、転生を重ねた御方かも知れませんね。 (続く)
* 原始仏典『スッタニパータ』
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* 新刊 宇宙万象 第3巻
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・ 千葉県から、福島方面に掛けて、注意静観。
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生かして頂いて 有り難う御座います
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