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🧠40代から「脳」はこうして壊れてゆく…最新の研究でわかった「認知症」驚きの新事実 202204

2022-04-23 10:22:00 | 健康関連

40代から「脳」はこうして壊れてゆく…最新の研究でわかった「認知症」驚きの新事実
 現代ビジネス より 220423 週刊現代


⚫︎脳内にゴミが溜まる
 漢字が書けない。電車の切符を上手く買えない。ATMを操作できない。トイレに辿り着けない。

 脳神経外科医で東京大学教授だった若井晋さん(享年74)は、54歳のときからアルツハイマー型認知症の症状が現れた。

 夫人・克子さんの著書『東大教授、若年性アルツハイマーになる』には、晋さんのこんな言葉が紹介されている。
「知らない人に何か言われても、さっと理解できないし、言葉が出ない」
認知症が進行した晋さんは自分で自分が分からなくなると、「うるさい」と大声で叫び続けた―。
 日本最高レベルの知性の持ち主であったはずの東大教授ですら、認知症の魔の手からは逃れられず、自らも家族も悩み苦しみ続けたのだ。

 厚生労働省によれば、日本において'25年には65歳以上の約3600万人のうち、約700万人が罹患と試算されている。

 人間の脳はどんなメカニズムで認知症を発症し、壊れていくのか。まず「認知」について、脳神経外科医でおくむらメモリークリニック理事長の奥村歩氏が言う。

「一言で言うと、認知は『物事の捉え方』です。例えばステーキを見て、空腹ならば『美味しそう』と思って食べ始めるでしょう。しかし、満腹なら『お腹一杯だから見るのも嫌だ』と立ち去ることになります。要するに、認知は、自己の生存にとって最も適した行動をとるための機能と言えます」

 認知症になることは、この機能が蝕まれていくことを意味する。
認知症は認知機能が損なわれる病気の総称で、様々な種類がある。

 なかでも、脳梗塞や脳出血などが原因となる脳血管性認知症が患者全体の約2割、そしてアルツハイマー型認知症が6~7割を占める。

 アルツハイマーは未知の部分が非常に多いが、メカニズムは徐々に明らかになってきた。日本老年精神医学会前理事長でアルツクリニック東京院長・新井平伊氏が語る。

「キーワードとなるのが、『アミロイドβ』というタンパク質。これが脳内に徐々に溜まっていくというのが認知症のスタートです。もともとは正常な神経細胞膜タンパク質で古くなれば分解されて、血液の中へ排泄されていきます。
 ところが、何らかの理由で性質が変異して分解されにくくなる。すると、塊となって神経細胞にダメージを与え、最終的にはシミのような『老人斑』を作ります。これにより脳の神経細胞数はどんどん減って脳萎縮につながるんです」

奥村氏は、アミロイドβは「脳内の老廃物」としてこう解説する。

「脳の中に1000億個あると言われる神経細胞が疲れ果てて、消滅した後にゴミになる。これがアミロイドβです。
 だから、加齢によって溜まるのはある程度は仕方がない。40歳前後から脳の老化は始まっており、アミロイドβが溜まり始めます。ただし、この年代ではこのゴミを除去する働きがまだ保たれている。
 しかし、この機能が60歳を過ぎた頃から衰えてきます。40代から何十年もかけてアミロイドβが溜まったのち、5人に一人が60~90代で発症するのです」

⚫︎徘徊はなぜ起こるか
 個人差が大きいが、簡単に言うと脳内にゴミが溜まり、容量を超えると認知症を引き起こすのだ。
 これにより年相応の「物忘れ」ではなく、アルツハイマーの典型的な症状である「記憶障害」が現れてくる。
 老化による物忘れでは、例えば前日の朝食のメニューを思い出せないことがある。だが、記憶障害の場合、食べたこと自体を忘れてしまい、忘れたことも自覚できない。

 記憶は保持する時間の長さによって、「短期」(数分から数日前)と「長期」(数週間から数十年前)に分けられる。アルツハイマーになると、新しい記憶から失われていく。

「短期記憶は脳内の海馬に記銘されます。その後、必要なものや印象的なものだけが長期記憶として、大脳皮質に保持される。アルツハイマーは、海馬から萎縮が始まります。そのため、新しいことを上手く覚えられなくなってしまうんです」(旭神経内科リハビリテーション病院院長・旭俊臣氏)

 記憶障害だけでなく、時間や場所、人物を認識できなくなる見当識障害も伴う。そのため、いわゆる「徘徊」も起こる。
「最近でも『徘徊』と呼ばれますが、認知症の当事者は、『あそこへ行きたい』という目的を持っているんです。ただし、昔の記憶の中で生きているので迷ってしまう。
 例えば本人は30年前に住んでいた以前の家で今も暮らしていると思っているので、夜中に『自分のウチに帰る』と言って外出してしまう。グルグル同じ場所を回るのが『徘徊』ですが、それとは異なる行動なので『無断外出』と呼ぶべきです」(サイエンスライター・緑慎也氏)

 ほかにも、言葉が出てこなくなる言語障害や作業の段取りが分からなくなる実行機能障害、判断力低下が認知症の中核症状である。
 とは言え、「自分は頭の回転が速いし、大丈夫だろう」と思っている人は多いだろう。だが、バリバリと働いている人ほど危ない可能性がある。

「一日4~6時間の短時間睡眠が続くと、アミロイドβの蓄積が一定量上がると言われています。働き盛りの40~50代で睡眠不足だった人は、適切な睡眠時間を確保していた人と比べると、認知症のリスクが高いと考えられます」(緑氏)

 また、旭氏はこう指摘する。

「高学歴や頭脳明晰の人が、認知症になりにくいということはない。あえて言えば、公務員のような生真面目で几帳面な仕事に長年携わっていた人は、心にゆとりが少ないために認知症になりやすいかもしれません」
 もちろん60歳、65歳で仕事をリタイアした後、ぼんやりとするだけの毎日を送っていると、脳の働きが低下し、認知症を発症する危険性が高まるのは言うまでもない。

 このように認知症は誰にでも起こりうる。発症すれば、自分も家族も、長期間にわたって苦しみを味わうことになる。

 だが、悲観することはない。治療法は進歩している。また、効果的な予防法もある。『アルツハイマー病は「治らない病気」ではなくなる…日本の最新薬でわかったスゴい治療法』をじっくりと読んでほしい。

⚫︎『週刊現代』2022年4月23日号より

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