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日米の研究チームが「放射性物質を使わない革新的な核融合技術」のテストに成功 202303

2023-03-03 21:43:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

日米の研究チームが「放射性物質を使わない革新的な核融合技術」のテストに成功
  Gigazain より 230303 


 水素やヘリウムといった軽い 核種が融合してより重い核種になることを 核融合反応と呼び、この反応によって取り出される 核融合エネルギーを利用した核融合発電は、従来の発電方式に代わるクリーンで効率的な発電方式になると期待されています。
 新たに、アメリカの核融合発電技術開発企業である TAE Technologiesと日本の 核融合科学研究所(NIFS)が、水素と ホウ素を使った革新的な核融合技術のテストに成功したと報告しました。

First measurements of p11B fusion in a magnetically confined plasma | Nature Communications
https://doi.org/10.1038/s41467-023-36655-1


First measurements of hydrogen-boron fusion in a magnetically confined fusion plasma
https://phys.org/news/2023-02-hydrogen-boron-fusion-magnetically-confined-plasma.html

'100,000 years of power' | US-Japan team hails H2-boron plasma fusion breakthrough | Recharge
https://www.rechargenews.com/energy-transition/100-000-years-of-power-us-japan-team-hails-h2-boron-plasma-fusion-breakthrough/2-1-1411318

 核融合反応はエネルギー生成時に核廃棄物や温室効果ガスをほとんど生成しないという特徴を持っていることから、新たなクリーンエネルギー源として期待されています。核融合発電がどのような発電方式なのかは、以下の記事を読むとよくわかります。

「核融合」は一体どんな反応なのか?次世代のクリーンエネルギーとして期待される理由とは - GIGAZINE

 記事作成時点では世界各国で数十以上のチームが核融合発電の実用化を目指して競い合っており、主流となっているのは水素と 三重水素(トリチウム)を利用した核融合です。しかし、トリチウムは放射能を持つ 放射性同位体である上に、非常に希少かつ高価という欠点があります。

 そこで、TAE Technologiesは水素-トリチウム核融合発電に代わる方式として、地球上に豊富に存在していてより安全なホウ素を使用した水素-ホウ素核融合発電の開発に取り組んでいます。2021年にはNIFSと提携し、NIFSの 大型ヘリカル装置(LHD)を使用して水素-ホウ素核融合反応の実験を行うことを発表しました。

 今回研究チームは、プラズマを閉じ込めるために磁場を用いる 磁場閉じ込め方式を使用し、史上初の水素-ホウ素核融合反応のテストを完了したと報告しています。水素-ホウ素核融合反応では、副産物として アルファ粒子とも呼ばれるヘリウムの原子核が放出されます。研究チームはこれを利用し、カスタム設計した検出器を用いて核融合反応に伴うアルファ粒子の放出を確認したとのことです。

 研究チームは論文の中で、「以下に述べる研究は、日本の核融合科学研究所(NIFS)とTAEとの官民パートナーシップの成果であり、核融合エネルギー研究における日米の長い協力の歴史に基づくものです」と記しています。
 TAE TechnologiesのCEOを務めるMichl Binderbauer氏は、「この実験は私たちに豊富なデータを提供すると共に、水素-ホウ素が実用規模の核融合発電に適していることを示すものです。私たちは近いうちに物理的な課題を解決し、この非放射性で豊富な燃料(ホウ素)による、革新的で新しい形のカーボンフリーエネルギーを世界に提供できると確信しています」とコメントしました。

 多くの核融合発電企業はプラズマを閉じ込めるために トカマク型を採用していますが、TAE Technologiesは 逆転磁場配位型(FRC)という方式を採用しています。
 一般的なトカマク型では、使用する燃料が水素-トリチウムに限定されてしまいますが、TAE Technologiesが採用するFRCは汎用(はんよう)性が高く、水素-トリチウムだけでなく水素-ホウ素やトリチウム-ヘリウムといった組み合わせにも対応できるとのこと。
 また、FRCはトカマク型と比較して設置面積が少なくて済み、最大100倍の電力を生成できる可能性があるそうです。

 TAE Technologiesは今回の研究結果により、2030年代に最初の水素-ホウ素核融合発電炉を使用して電力を供給するという最終目標に向けて、それまでに技術ライセンスの供与が可能になるよう取り組んでいくとしています。
 NIFSの広報担当者は、「水素-ホウ素の組み合わせは、よりクリーンな核融合炉の概念を可能にします。今回の成果は、先進的な核融合燃料を用いた核融合炉の実現に向けた大きな一歩となります」とコメントしました。

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