定量的の意味
「定量的」という言葉の意味ですが、「数値・数量で表現するさまや数量に関するさま」を意味します。例えば、化学で「成分の定量的な分析」といったように使用。この場合、ある成分がどれくらい含まれているかを、数値で調べるということです。
なお、「定量的」は英語では「quantitative」と表記。「quantitative goal(定量的目標)」「quantitative evaluation(定量的評価)」などと表現します。
また、副詞として「quantitatively」があり、「This phenomenon can be expressed quantitatively.(この現象は定量的に表現できる)」などと表現することも可能です。
定量的研究(ていりょうてきけんきゅう、英: quantitative research)とは、データの収集と分析を数値化して行うことに焦点を当てた研究戦略である[1]。経験主義や実証主義の哲学に基づいており、理論を検証することに重点を置いた演繹的アプローチから形成されている[1]。
この研究戦略では、観察可能な現象の関係を検証し理解するために客観的な実証研究を促進し、自然科学、応用科学、形式科学、社会科学に関連している。定量的研究は、さまざまな定量化の方法や技術によって行われ、さまざまな学問分野にわたって研究戦略として幅広く利用されて影響を及ぼしている[2][3][4]。
定量的研究の目的は、現象に関する数学的モデル、科学理論、および仮説を開発し、採用することである。測定のプロセスは定量的研究の中心で、経験的な観測と定量的な関係の数学的表現との間の根底にある繋がりを提供する。
定量的データ(英: quantitative data)とは、統計量やパーセンテージなどの数値形式のデータのことである[4]。研究者は、統計学の助けを借りてデータを分析し、その数字がより大きな母集団に一般化できるような偏りのない結果をもたらすことを期待している。一方、定性的研究は、特定の経験を深く掘り下げ、テキスト、物語、または視覚的なデータを通じてその関係者だけの主題を開発し、意味を記述・探究することを意図している[5]。
定量的研究は、心理学、経済学、人口統計学、社会学、マーケティング、公衆衛生、健康や人間の発達、ジェンダー研究、および政治学などで広く用いられており、人類学や歴史学ではあまり利用されていない。物理学などの数理科学における研究も(この用語の使用は文脈によって異なるが)定義上は「定量的」である。社会科学では、この用語は、哲学的実証主義や統計史の両方に由来する実験的方法に関連しており、定性的研究方法とは対照的である。
定性的研究では、調査した特定のケースに関する情報のみ得られ、より一般的な結論は仮説にすぎない。そのような仮説のどれが正しいかを検証するために定量的方法を用いることができる。1935年から2005年の間にアメリカの社会学ジャーナルの上位2誌に掲載された1,274の論文を包括的に分析した結果、これらの論文のおよそ2/3が定量的な方法を用いていることがわかった[6]。