中間試験真っ最中の今日この頃、寝不足とプレッシャーで滅入りそうになる時に癒しと活力の源になるのが、やはり友人との会話です。
ところで、この国旗がどこの国のものか分かります?答えは、友人グラハムの母国バハマの国旗です。彼は、5年間、ウォールストリートで会計士としてキャリアを積んだ後、ケネディ・スクールに乗り込んできたクラスメート。9月よりミクロ経済学のProblem Set(毎週課される宿題)をタッグを組んで乗り越えてきた仲です。今日の昼食は、彼ともう一人の日本人の友人と三人でピザをかぶりつきながら、日本とバハマの「公務員の社会的地位」について雑談をしていました。
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彼 「バハマでは、日本やアメリカと違って、公務員の社会的地位ってものすごく低いんだ。基本的に暇で非効率の象徴みたいに思われてる。」
筆者「役所が非効率って、批判されるのは日本も同じだよ。それに、窓口のルーティーン業務をやっている公務員は、同じように暇だと思われるし。でも、バハマでも政策形成に直接関わる政府の高官や政治家の社会的地位は比較的高いのでは?それに、公務員がみんなそろってモチベーションや能力が低かったら、例えば、警察官のやる気がなかったら、結果として治安の悪化という形で市民に“ツケ”が回ってきてしまうのではないの?」
彼 「いやいや。地位が低いのは、高官も政治家、窓口の公務員もみな同じ。」
友人「バハマには解決しなきゃならない、難しい政策課題はないの?」
彼 「まぁ、強いてあげれば移民が最近増えていることくらいかな。そもそも、バハマは人口は32万人しかいないしイギリスから独立したのもつい30年前。気候も良好で、マイアミに近くて、観光産業が成り立つ要素が元々そろってる。しかも、法人税をゼロにしたから、米国の企業がやってきて、雇用も経済も心配ない。だから、治安も問題なし。極端な話、僕が明日から、大臣やってもたいした問題はおきないんだよ。たいした仕事がないから、たいした人が公務員にならない、だから、公務員の地位が低いのさ。」
筆者「ふーん」
彼 「日本の官僚とはだいぶ違うよ。日本は、事務次官(permanent secretary )が大臣より偉いんだろ?」
筆者「いやいや、それは違うよ。大臣は次官以下の人事権を持っているし、政策の大きな方向性を決めるのも大臣だよ。でも、確かに、これまで日本では、大臣があまりにも頻繁に変わって、担当分野の知識が十分でない人が大臣になることも多かった。そういう場合は、実質的な権限は次官のほうが強いといえるかもしれないね・・・」
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2ヶ月前、彼と「Nice to meet you」と握手をしたときには、「バハマって、どこにあるんだろ?」というレベルだったのですが、今では非常に身近に感じます。また、日本が彼の目にどのように映っているのかを知ることが出来るのも新鮮です。
9月5日にケネディ・スクールの入学式があった際には、John F. Kennedy Forum の壁いっぱいに、学生の出身国の国旗がずらりと並べられました。筆者の所属するMaster of Public Policy Programというコースは比較的米国人の比率が高いのですが(約6割)、それでも、世界の様々な国から学生が集っています。昼食でピザをかぶりつきながらですら、世界の様々な国について知り、日本を再認識できる・・・こういうPricelessな機会に満ちたこの環境にただただ感謝です。