ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

1周年、そして30周年

2007年10月30日 | 日々の思い
    昨年の今日、正しく「非日常的な日常」の連続であるこのかけがえのない日々を形に残し、できる限り多くの人々と共有しようという思いで始めた「ケネディスクールからのメッセージ」。  早いもので今日で開設から一周年を迎えるに至りました。以前、「100回目のメッセージを綴るにあたって」の記事でも書きましたが、「ケネディスクールからのメッセージ」は、僕が日々の経験を題材に自分の考 . . . 本文を読む

財政を通じて考える日本の未来(その2)

2007年10月28日 | 日々の出来事
   利子だけで1時間で約10億円(年間約9兆円)もの支払い、たまりにたまった借金残高は、一年間の税収入の約10倍にあたる547兆円。こうした天文学的な数字の裏にある日本の財政赤字の真の問題点、つまり ① 「現代世代が応分の負担をせずに様々な公共サービスを享受してるそのツケを、将来世代に先送りしているという世代間不公正」、 ② 「毎年の借金(元本・利子)返済額が毎年の新たな借入額よ . . . 本文を読む

財政を通じて考える日本の未来(その1)

2007年10月27日 | 日々の出来事
   小雨が降ったりやんだりのやや蒸し暑い土曜日の午後。中間試験やレポート真っ盛りの時期ですが、僕の足はHarvard Squareから地下鉄Red Lindでふたつ目のところにあるMIT(マサチューセッツ工科大学)に向かっていました。  今日は月1回のペースで開催される「ボストン日本人研究者交流会」の日。  「知のクラスター」であるここボストン・ケンブリッヂで、医療や物理、化学、 . . . 本文を読む

思いがけない再会

2007年10月23日 | 友人
   様々な大学や研究施設がひしめきあい、街全体が“知のクラスター”の様相を呈しているここボストン・ケンブリッヂ。日米間の相互理解、交流の深化を目的として1980年に設立された「US-Japan Program」も、そんな“知のクラスター”のアトラクションの一つです。  毎年、このプログラムを利用して中央省庁や民間企業、業界団体から選ばれた10名程度の中堅職員・社員がResearch . . . 本文を読む

アメリカが直面する最大の問題(その2)

2007年10月14日 | 日々の思い
 アメリカ社会をジワジワとしかし着実に蝕む肥満の蔓延。しかし、どうして過去20年間で肥満がこれ程までに広がってしまったでしょうか?  この点につき、先月末の「ボストン日本人研究者交流会」でHarvard School of Public Health(ハーバード公衆衛生大学院)のエースであるⅠ君が「パブリック・ヘルスのすすめ」というテーマで行ったプレゼンテーションは極めて示唆的でした。  I . . . 本文を読む

アメリカが直面する最大の問題(その1)

2007年10月13日 | 日々の思い
 「アメリカが現在直面している最大の問題は何か?」と問われたら皆さんは何を挙げられますか?  9.11以降のテロとの戦い?拡大を続ける財政と貿易の双子の赤字?加熱する移民受入れの是非を巡る議論?あるいは際限なく広がる所得格差を挙げる人もいるかもしれません。  しかし、僕が今日取り上げる問題はこのどれでもありません。  アメリカ社会をジワジワとしかし着実に蝕み、アメリカ経済・社会、そして財政に . . . 本文を読む

ピンポン

2007年10月05日 | 日々の出来事
   ここ最近、ケネディスクールのコートヤード(中庭)を囲む4つの建物のひとつ、Taubman棟の一階のホールでは、ピンポンの軽快な音が響いています。先月の末にある人から学生に立派な卓球台、ボール、ラケットのセットが寄付されたのです。  寄付した人物は今年から僕が所属するMPP(Master in Public Policy)プログラムのFaculty Chair(学部長)を務めてい . . . 本文を読む