ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

ソーシャル・マーケティング(その1:問題意識)

2008年04月10日 | ケネディスクールの授業
   霞ヶ関界隈でしか流通していない綺麗に刷り上げられたパンフレットの数々、エンドユーザーのニーズに合わなかったのか、あるいは存在すら認知されなかったのか、年度末に未消化のまま積み上がる多額の補助金、制度の趣旨が現場に伝わらなかったのか誤解と不信感に満ちたマスコミ報道ばかりが目立つ様々な規制政策・・・  どれも、貴重な税金と現場の職員の汗によって作り上げられた政府の「商品」たちの“哀 . . . 本文を読む

K-J Trip 2008 (その13:Journeyを終えて)

2008年04月06日 | Korea-Japan Trip
   途中長いインターバルを置きつつも12回にわたって綴ってきたKorea-Japan Trip2008特集ですが、今日の記事が最終回となります。  旅を終えた今、まず最初にお伝えしたいのは今回のトリップを支えてくれた多くの皆さんへの感謝の気持ちです。寄付を頂いた皆さんや企画の段階から色々と手を貸してくださったOB・OGの皆さん、そして多忙な中僕たちとの対話の時間を持ってくだ . . . 本文を読む

K-J Trip 2008 (その12:憎しみと葛藤を超えて②)

2008年04月02日 | Korea-Japan Trip
   濃い紫色のチャイナ・ドレスを身にまとってゆっくりと部屋に入ってきたのは李玉善さん。今年で82歳になるそうです。通訳役を務めるドンウーの説明では、金さんは戦後長らく中国で暮らしていたため、今でも中国の服を着ることが多いほか、韓国語、中国語に加えて、日本語も少し話せるということでした。  静かにソファーに腰を下ろすと李さんは、  「遠くからはるばるようこそ。あなた方のようなよく勉 . . . 本文を読む

K-J Trip 2008 (その11:憎しみと葛藤を超えて①)

2008年04月01日 | Korea-Japan Trip
    銃剣に体を貫かれ涙する老婆を描いたレリーフ。  ここはソウルからバスで1時間半ほど移動したところにある京幾道広州市。遠くに山々を臨む穏やかな田園風景の中に何気なく佇む「ナヌムの家」と呼ばれる小さな施設の入り口です。韓国語で「分かち合い」を意味するこの家では9人のおばあちゃん達が静かに暮らしているのです。    *    &n . . . 本文を読む