ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

「お役所仕事」を変えるには?(その1)

2007年09月15日 | 公共組織の戦略的経営
  非効率でムダの多い業務フロー、やる気のない職員、その結果できる市民の長蛇の列と高まる不満・・・  こんなネガティブなイメージばかりが湧いてくる「お役所仕事」という言葉。では何故このような状況が続いているのでしょう?役人が無能で市民のことを考えずに自分の保身とPM5:00きっかりに家に帰ることばかりを考える人間の集団だからでしょうか?  非常に大胆な言い方をすればこの「お役人=ダメ . . . 本文を読む

Open Target ②

2007年05月17日 | 公共組織の戦略的経営
   「公共組織の戦略的経営」の最後の二回の授業でテキストとして使われた、国土安全保障省(DHS:Department of Homeland Security)の元首席監察官(Inspector General)Clark Ervin氏著の「Open Target」はスゴイです。米国の国土安全保障が如何にスカスカか、DHSがいかに使えない組織か、徹底的にこき下ろした暴露本で、読んでい . . . 本文を読む

Open Target ①

2007年05月15日 | 公共組織の戦略的経営
   2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカで支配的なキーワードとなった「国土安全保障(Homeland Security)」。The Strategct Management of Public Office(公共組織の戦略的経営)の担当教授であり、1980年代後半から90年代前半にかけてホワイトハウスの中枢で活躍してきたElaine Kamarck教授をして、「私がホワイ . . . 本文を読む

ケース③:Internal Revenue Service(その3)

2007年02月14日 | 公共組織の戦略的経営
 アメリカの国税庁であるIRS(Internal Revenue Service:内国歳入庁)は、なぜ40年近くにもわたり「当たり前の改革」ができなかったのか?そして、クリントン政権によって送り込まれたRossottti長官は何故、壁を乗り越えることができたのか。  「公共組織の戦略的経営」のケーススタディ第3弾。最終回の今日はクラスのディスカッションで最も議論が沸騰したこの点を掘り下げていきた . . . 本文を読む

ケース③:Internal Revenue Service(その2)

2007年02月12日 | 公共組織の戦略的経営
   「公共組織の戦略的経営」のケーススタディ第3弾であるInternal Revenue Service(IRS:内国歳入庁)の改革事例。今日は、“非効率の権化”だったIRSが、どのようにしてたった数年で“世界で最も効率的な徴税機関”に変身できたのか、①組織の再構築、②ITシステムの再構築、③顧客インターフェースの再構築、の3つの観点から、その経緯を追っていきいと思います。 ◆◇◆ . . . 本文を読む

ケース②:Aravind Eye Hospital

2007年02月09日 | 公共組織の戦略的経営
   以前、「ボストン日本人研究者会」の記事の中で、ハーバードビジネススクールで学ばれている内科医の方が、「理想の医療とは、治療と予防と健康増進、これら3つの機能を高いアクセス、質、安いコストで提供することを通じて、一人ひとりが健康な人生を少しでも長く送れることを追求すること」である旨語られた事を紹介しましたが、インド南部のMaduraiの町で正にこの理想の医療を継続的に提供し続ける病 . . . 本文を読む

公共組織の戦略的経営

2007年02月04日 | 公共組織の戦略的経営
   「政府をはじめとする公共組織で将来働くことを目標とする、あるいは、これまで働いた経験のあるここに集う皆さんの多くは、『“よい政策”を企画・立案する事』を通じて、組織・社会に貢献しようと意気込んでいることでしょう。しかし、私のこれまでの数十年にわたる経験から言える公共組織が抱える最も重要な課題は、政策中身そのものというよりもむしろ、如何に効果的・効率的に政策を実施し、その結果をレビ . . . 本文を読む