白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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2目の頭

2016年06月08日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は終電が止まって大変でした。
午前3時に編集中・・・
さて、本日は指導碁を題材にします。



6子局です。
白の大石に眼がありません。
黒、どうやって攻めますか?





「一間トビに悪手無し」という事で、黒1は素直な手です。
黒3までと追ってから黒5に回り、手堅い進行と言えるでしょう。
その代わり白の大石は楽をしてしまいます。
黒はそれを不満と考えました。





実戦は黒1と打ちました。
上辺を荒らすのが目的ではなく、ここに勢力を蓄えて大石を狙う、絡み攻めが狙いだったとの事。
素晴らしい発想ですが、位置が悪かった。
この位置に打たれる方は多いのですが、大抵碌な事になりません





黒2と打った瞬間、自ら「2目の頭」をハネられる形を作ってしまっています。
黒4は利かせたものの、黒6と守らなければ形になりません。
その間に白7と悠々進出されてしまいました。
上辺の白を固めた一方、黒の数子は重荷になりかねません。
これでは黒得たものがありません。





「モタレ」は良いのですが、自分の形を悪くしてはいけません。
黒1とゆったりと打ってみましょう。
入られては困るので白2ですが、続けて黒3とモタレ攻めです。
黒1との連携が良いのがお分かりになるでしょうか。
白6までと利かして黒7、9となって、綺麗に白を包囲する事ができました。


直接石をくっつけるだけが攻めではありません。
むしろ遠巻きに包み込むように攻めるのが正解である事が多いです。
この感覚を身に付けて、攻め上手になりましょう!