白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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攻めの方向

2016年06月05日 23時20分23秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は日本棋院有楽町囲碁センターにて指導碁でした。
その中の1局を題材にしてみます。



3子局、白△と逃げた場面です。
黒、どういう作戦で行きますか?





実戦は黒1と追いかけていきました。
しかし白4と反撃される事になり、攻守逆転です。
下方の黒が心配です。





自分の石が弱い状況では、攻め急いではいけません。
まずは黒1、3と連絡を確かめておきます。





黒はただ繋がっただけではなく、同時に白を封鎖しています。
放っておくと黒2と下がられて白死んでしまいます。





ということで白も1と守っておかなければいけません。
ここで黒は中央に戻るタイミングですが、AとBのどちらでしょうか?





黒1とつい逃げたくなりますが、逃げると続けて黒3、5などと打たなければいけません。
白8となってみると黒が得たものはありません。





全体を見渡せば、上辺が広い事に気が付きます。
2子に拘らず黒1と上辺の方から煽って行きます。
次に2子を助けられると危ないので、白としては取っておくぐらいです。
そこで黒3などと芯を入れておけば、上辺に大きな黒地が出来上がります。


如何でしょうか。
攻めの方向次第で展開は大きく変わります。
攻めが苦手な方は、ご自身の攻め方を見直してみると良いでしょう。