皆様こんばんは。
本日、第41期碁聖戦挑戦手合五番勝負の第1局が行われました。
早速振り返ってみましょう。
白12手目まで、非常にありふれた布石です。
ここで黒A、白B、黒Cといった進行ならば平凡な布石が続きます。
しかし流石井山碁聖、皆さんの期待を裏切りません。
ここで斬新な打ち方を見せてくれました。
黒1!
上辺の黒3子はプロの感覚からすると異様な構えです。
しかし実は左下の定石と関係があり、打たれてみるとなるほどと思いました。
ただし高級な考え方になるので、説明は省略・・・
既存の常識に囚われない柔軟な発想、とだけ申し上げておきます。
白Aと左下黒を攻めに来るのが心配ですが、構わず黒Bと大場に展開する予定でしょう。
左下黒は攻めさせてサバこうという作戦です。
右上でも見慣れない形が出来ましたが、白Aと打った所に注目してみましょう。
「ツケにはハネよ」で、黒Aが普通ですが・・・
このような変化が想定されます。
定石のような形ですが、黒2子が宙に浮いて白が主導権を握りそうです。
そこで黒は・・・
右上の競り合い重視で、黒1と打ちました。
手を抜かれた白としては勢い白2と連打、黒も3と連打してお互いに主張を通しました。
右下白も好形ですが、左上黒も立派です。
双方気合の入った分かれでした。
そして白1と迫った場面です。
黒2が井山碁聖らしい目一杯の手です。
黒石は弱いので、この手では少し遠慮してAと打つのが普通の感覚です。
黒2に対して白Bならそこで黒A、それは黒良い形なので・・・
村川挑戦者、白1のノゾキから白5と切断!
鋭い反撃で、井山碁聖参ったかと思われました。
しかし黒も11までと冷静に対処しました。
下辺を捨石にして左上一帯の黒模様で勝負する作戦です。
鮮やかな分かれでした。
この後白Aと黒模様に突入、激しい戦いが始まりました。
白△と打たれた場面です。
押さえると切られていけませんし・・・
緩めるのもいけません。
やはり左下黒が取られてしまいます。
黒、参ったでしょうか?
ところが黒1がうまい返し技でした。
白AとB2つの傷を作って、どちらを守るのか聞いています。
白1と下を守れば黒4までとなります。
攻め合いで左下黒を取る事が出来ますが、上辺の黒模様が完成してしまいます。
これは黒が良いでしょう。
そこで白は上を繋ぎ、黒は2、4と脱出する事が出来ました。
一歩間違えると潰れる所ですが、見事な読みでした。
すると今度は白が凌ぐ番、白Aと切って難解な読み合いは続きます。
その戦いの結果、白1と脱出に成功しました。
それと同時に周囲の黒が弱くなっており、白優勢でしょう。
ここで黒は自身の安全を確保しようとするのが普通の発想ですが・・・
中央は黒1、5で間に合わせて、下辺の動き出し!
井山碁聖渾身の勝負手と見ました。
これが井山碁聖の怖い所ですね。
白8と分断されて苦しそうですが・・・
黒AやBの弱点を狙いに、黒7と中央の白に絡んで行きました。
超難解な戦いです。
戦いは黒23子対白22子の大攻め合いに発展!
ぎりぎりの読み合いでしたが、勝負を制したのは黒の井山碁聖でした。
村川八段にも十分チャンスがあったのではないかと思います。
結果的に大石が取られる事になりましたが、内容は僅差です。
むしろ途中までは村川八段が押していた碁だったと思います。
最近一段と力強くなった村川八段、井山碁聖に対しても一歩も退かない戦いぶりでした。
2局目以降も激しい戦いになる予感がします。
第2局は7月18日(祝・月)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。
お楽しみに!
本日、第41期碁聖戦挑戦手合五番勝負の第1局が行われました。
早速振り返ってみましょう。
白12手目まで、非常にありふれた布石です。
ここで黒A、白B、黒Cといった進行ならば平凡な布石が続きます。
しかし流石井山碁聖、皆さんの期待を裏切りません。
ここで斬新な打ち方を見せてくれました。
黒1!
上辺の黒3子はプロの感覚からすると異様な構えです。
しかし実は左下の定石と関係があり、打たれてみるとなるほどと思いました。
ただし高級な考え方になるので、説明は省略・・・
既存の常識に囚われない柔軟な発想、とだけ申し上げておきます。
白Aと左下黒を攻めに来るのが心配ですが、構わず黒Bと大場に展開する予定でしょう。
左下黒は攻めさせてサバこうという作戦です。
右上でも見慣れない形が出来ましたが、白Aと打った所に注目してみましょう。
「ツケにはハネよ」で、黒Aが普通ですが・・・
このような変化が想定されます。
定石のような形ですが、黒2子が宙に浮いて白が主導権を握りそうです。
そこで黒は・・・
右上の競り合い重視で、黒1と打ちました。
手を抜かれた白としては勢い白2と連打、黒も3と連打してお互いに主張を通しました。
右下白も好形ですが、左上黒も立派です。
双方気合の入った分かれでした。
そして白1と迫った場面です。
黒2が井山碁聖らしい目一杯の手です。
黒石は弱いので、この手では少し遠慮してAと打つのが普通の感覚です。
黒2に対して白Bならそこで黒A、それは黒良い形なので・・・
村川挑戦者、白1のノゾキから白5と切断!
鋭い反撃で、井山碁聖参ったかと思われました。
しかし黒も11までと冷静に対処しました。
下辺を捨石にして左上一帯の黒模様で勝負する作戦です。
鮮やかな分かれでした。
この後白Aと黒模様に突入、激しい戦いが始まりました。
白△と打たれた場面です。
押さえると切られていけませんし・・・
緩めるのもいけません。
やはり左下黒が取られてしまいます。
黒、参ったでしょうか?
ところが黒1がうまい返し技でした。
白AとB2つの傷を作って、どちらを守るのか聞いています。
白1と下を守れば黒4までとなります。
攻め合いで左下黒を取る事が出来ますが、上辺の黒模様が完成してしまいます。
これは黒が良いでしょう。
そこで白は上を繋ぎ、黒は2、4と脱出する事が出来ました。
一歩間違えると潰れる所ですが、見事な読みでした。
すると今度は白が凌ぐ番、白Aと切って難解な読み合いは続きます。
その戦いの結果、白1と脱出に成功しました。
それと同時に周囲の黒が弱くなっており、白優勢でしょう。
ここで黒は自身の安全を確保しようとするのが普通の発想ですが・・・
中央は黒1、5で間に合わせて、下辺の動き出し!
井山碁聖渾身の勝負手と見ました。
これが井山碁聖の怖い所ですね。
白8と分断されて苦しそうですが・・・
黒AやBの弱点を狙いに、黒7と中央の白に絡んで行きました。
超難解な戦いです。
戦いは黒23子対白22子の大攻め合いに発展!
ぎりぎりの読み合いでしたが、勝負を制したのは黒の井山碁聖でした。
村川八段にも十分チャンスがあったのではないかと思います。
結果的に大石が取られる事になりましたが、内容は僅差です。
むしろ途中までは村川八段が押していた碁だったと思います。
最近一段と力強くなった村川八段、井山碁聖に対しても一歩も退かない戦いぶりでした。
2局目以降も激しい戦いになる予感がします。
第2局は7月18日(祝・月)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。
お楽しみに!