白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

攻めとは

2016年06月01日 23時39分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
まずは個人的な宣伝をしたいと思います。
4月から五反田にて指導碁専門の教室を開いております。
夕方から夜の時間が中心になっておりますので、仕事帰りの方でもお立ち寄り頂けます。
ホームページはこちらです。
一度ご覧頂ければ幸いです。

さて、本日は五反田での指導碁を題材にしてみます。
本日のテーマは石の攻め方です。
攻めが苦手なアマチュアは非常に多いです。
ひたすら相手の石を追いかけて、気付いたら何も残らないというケースが多いですね。
攻めでは利益を挙げる事を忘れてはいけません。



3子局の黒番です。
常々お伝えしているように、置碁ではいかに主導権を握るかが重要です。
この碁では白に弱い石ができており、ここまで順調な展開です。
ここから具体的なポイントを挙げていきたい所ですが、どうやって白を攻めますか?





黒1と追いかけるのはどうでしょうか。
しかし追いかければ白は当然逃げます。
白10までの展開を想定してみるとどうでしょうか?
白あっさり繋がり、黒得たものがありません。





実戦は反対側から追いましたが、白8までとなってみると何だか左側の黒が心配になってきました。





心配なので黒1と守りましたが、白8までとなって再び黒心配に・・・





黒1、3と生きる事になりましたが、白4、6に回って黒の得たものはありません。





直線的に追いかけるだけでは逃げられておしまいです。
こういう時は遠くから網を張るのが攻めのテクニックです。





白1~5と受ければ、今度こそ黒6と追い詰めにかかります。
黒12と封鎖して、白苦しい形です。
黒Aの逃げ出しも強烈な狙いになります。





白1と逃げれば、黒2と白地を堂々と荒らしてしまいます。
着実に攻めの利益を挙げ、理想的な展開です。
中央の白もまだまだ弱い石なので、今後も攻めの利益が見込めるでしょう。

如何ですか?
石を攻める事と取りに行く事は違います。
直接追いかけてもうまくいかない時は遠巻きに攻める、この感覚を身に付ければ攻め方の幅が格段に広がるでしょう。


明日から本因坊戦第3局が行われます。
ここまで一進一退、次はどんな碁になるでしょうか?
注目していきたいと思います。
コメント
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