白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

勝手読みにご用心

2016年06月21日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は4子局を題材にします。



白△と治まった場面です。
黒、どんな構想で行きますか?





左上白が生きているので、黒1と押さえてもつまりません。
白2と飛び出されては黒△が弱くなってしまいます。





黒1、3と黒△との連絡を図りました。
発想は良いのですが、白が邪魔をして来ることを考慮していませんでした。
所謂勝手読みです。





連絡できるかと思いきや、白5と邪魔されてしまいました。





黒1と切ると白6までと閉じ込められます。
この戦いを乗り切るのは容易な事ではありません。





実戦は諦めて黒1でしたが、辺の石を取り込まれてしまいました。
ただ地が出来ただけではなく、白△を攻める楽しみが無くなってしまいました。





目一杯の手には反動が付き物です。
まずは黒1と柔らかく攻めて見ましょう。





「攻めはケイマ」と言う事で、黒1~5と気持ち良く追いかけましょう。
白は地にならない所を沢山打たされましたが、とりあえず白8までと連絡しました。
さて、ここまで打っておいて黒9を決行して見ましょう。





黒5までとなって、今度は黒石が増えているので切られるような心配はありません。
左上一帯が大きな黒地になりそうな気配を感じませんか?
難しい手は全く打っていませんが、自然に良い流れが出来ました。


碁において自分のやりたい事を考える事は大事ですが、それだけでは半分です。
相手が邪魔しに来る事も考えて、初めて立派な読みが完成します。
勝手読みにはご用心ください!
コメント
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