白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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会津中央病院杯

2016年06月17日 23時42分47秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
第3回会津中央病院杯・女流囲碁トーナメント戦、決勝戦が始まりました!
和服での2日制対局です。
現代ではあまり見られない様式ですが、やはり素晴らしいですね。
それでは対局の模様を振り返っていきましょう。



序盤、青木喜久代八段が左辺にこんな構えを敷きました。
この構えは数十年前には黒十分とされましたが、段々評価が変わって来て現在では黒あまり好まないとされています。
しかし流行に左右されないのが青木さんです。





そして、その構えに謝依旻女流本因坊がツケて行きました。
これはこの構えへの常套手段で、この局面では謝さんならずともこう打ちたくなる所です。





しかし、黒1に対する白2が謝さんならではの仕掛け!
これには驚きました。
この位置への侵入は常套手段ではありますが、ツケとの組み合わせは見た事がありません。





これが白の注文です。
左辺で堂々と居直ってしまうつもりです。





黒はあっさりと渡らせ、白△を飲み込んで悪いわけがないと言っています。
この鷹揚な対応もいかにも青木八段といった印象ですね。




とはいえ、白1、3と目一杯に構えられたら流石にのんびりしてはいられません。
黒4と突入して戦いが始まりました。





この場面、白の次の一手が封じ手となりました。
黒の中央の弱石、右上AやBの傷をどう狙って行くのでしょうか。





封じ手予想は白1のツケです。
黒△とノゾキを打ったことで右側にマイナスが生じています。
そこを衝いて行きたいですね。


今回は2日制という事で、内容の濃い対局が期待できると思います。
明日もお楽しみに!