白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の問題

2016年06月28日 22時48分54秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は問題を作りました。



問題その1
白番で左側の白を生きてください。
ただし右側の白が死んではいけません。
こちらで実際に石を置いて研究できます。




右側への渡りを見せる、白1が正解です。
黒2と渡りを止めれば白3となって生きです。





黒2と目を奪えば白3、右側へ渡る事が出来ます。





白1とハネるのは失着です。
それでは問題2、黒どうやって咎めますか?
これが本日メインの問題です。





黒1と押さえると白2、4で左側は生きです。
一方右側も実戦でよく出来る形で、白生きています。
黒1の石が役立っていません。





黒1も白2、4で生きられた後、右側に手がありません。
やはり黒1の石が緩んでいます。





正解は黒1の飛びでした!
「一線に妙手あり」です。





何はともあれ、白は1、3と生きるしかありません。
今までに似た図は色々出て来ましたが、この図は右側の白のダメが詰まった上に一線に下がりまで来ています。
それでは最後の問題、この白を殺してください。
所謂基本死活で、実戦でも生じる形です。
しかし知らなければなかなか解けない問題でしょう。





正解は黒1の切りです!
この手を初めて知ったときは驚きと共に深い感動を覚えました。
まさに手筋です。





白は1と抱えますが、そこで黒2と「2の1」の急所に置きます。
切りの効果で、これから白が打てる手が少なくなっています。
とりあえず白3と黒4を交換しますが、ここで白Aと打つと黒Bで欠け眼にされて即死なので・・・





全図黒Bを防いで白1ですが、それなら黒は2と打ってやはり欠け眼です。
白3と広げても黒4、この形はセキではなく白死です。
白が中の黒を取りに行くと3目中手になるので手が出せませんが、逆に中の黒が動く事は可能だからです。
所謂「隅の曲がり4目」という特殊な形ですが、これを詳しく解説すると長くなるので省略します
難易度の高い問題ですが、手筋の美しさを感じて頂ければ幸いです。


明日から本因坊戦第5局が福島県福島市、吉川屋で行われます。
今まで以上に素晴らしい対局になる事を期待しています。
また、シリーズの決着が付くかもしれない第5局ですから勝負として見ても大一番です。
井山本因坊がこのまま押し切るのか、高尾挑戦者が勝って流れを変えるのか!?
対局の模様は幽玄の間鈴木伸二六段の解説付きで中継されます。
お楽しみに!