白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

スペースマン&会津中央病院杯感想

2016年06月18日 23時36分00秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日はネットラジオ、スペースマンでGO!にゲスト出演しました。
観覧席との距離の近さにビックリ!
直接声が届くので、出演者に質問や突っ込みをぶつけて見るのも面白いでしょう。
個人的には慣れない事に苦労しました
視聴者、観覧者の皆様に楽しんで頂けたのなら幸いです。

さて、本日は会津中央病院杯決勝の2日目が行われました。
振り返って行きましょう。



封じ手は白1のツケでした。
またしても外れ・・・
今攻め方を決めるのは怖いかと思ったのですが、思い切って行きましたね。





その後、形を決めてから白△ツケを決行!
黒は受け切れず、黒1と中央を守って白2の連打を許しました。
好形を得て白成功です。




黒は1が最善、黒7までと渡って粘り強く打ち進めています。
白10の守りを待って黒11と先行、地合いで引き離されない打ち方です。
白は12と入り、新たな戦いが始まりました。





下辺を曲がられた場面、Aあたりの傷が心配です。
どう守るかと見ていましたが・・・。





白1と格好良いツケ!
一種のモタレ戦法です。





黒1と当然反撃したくなりますが、白先手で薄みをカバーする事ができました。
白6、8の攻めに回って好調、戦上手の謝さんらしい打ち回しです。





黒も簡単には土俵を割りません。
黒1のノゾキから、黒3と手筋のツケで反撃!
周囲の白の薄みを衝いて行きました。





結果、中央の大石が脱出した上に黒1の開きに回れては黒盛り返したかと思われました。





しかし、白1、3、5と流れるような攻め!
これが厳しく、白が優位を保っています。





最終的には黒4子を飲み込む事になり、白の勝利が決まりました。





2日目黒がそう悪い手を打ったとは思えませんでした。
となると1日目が敗因でしょうか。
気になったのはこの場面、実戦は黒Aと打ちましたが黒1の方が勝ったと思います。
この碁は上辺の黒が弱くなってしまったのが最後まで尾を引きました。

謝女流本因坊が持ち味を出し切っての快勝でした。
青木八段は守勢に回ってしまい、自慢のパンチを繰り出すチャンスが無かったのが残念でした。
しかし容易に決め手を与えず、最後まで観戦者を楽しませてくれたと思います。
2日に渡る熱戦に拍手を送ります。