遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

効き目ありそう

2013-01-11 20:49:57 | たわごと
「医薬品のネット販売」が全面的に解禁へ--最高裁が判決、国の敗訴が確定(マイナビニュース) - goo ニュース
薬の世界ではまーたく素人なんですが、何故か薬学部の院生を指導した経験があります。卒業していく学生さんはたいがい薬剤師としての資格でもって就職していきました。今うちの研究室にいる院生さんは工学部生物系の子であります。まあ、学生さんがそうなのは当たり前として受け入れやすいのですが、研究職を諦めて途中で去る仲間がだいたい薬学部出で、薬剤師の資格で次の飯を喰うってのは、ちくとばかし割り切れん。俺のように特に資格があるわけではないものは大学の中で生き残ろうと七転八倒しているのだよ。でも、まあ、しょせん他人は他人なので・・・・。

記事中の用語なんですが、とりあえずネットで説明文を拾っておきました。
・第一類医薬品
その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、特に注意が必要なものや、新規の医薬品。
たとえば、ガスター10、ロキソニンS、アレグラ、リアップX5、アクチビン軟膏等ですな。そんなしょっちゅうじゃないけど、どれか使ったことあるでしょ。

・第二類医薬品
第一類医薬品以外で、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品。
たとえば、第二世代抗ヒスタミン薬のケトチフェンを有効成分とする点鼻薬や内服薬(つまり鼻炎の薬)とか副腎皮質ホルモンのトリアムシノロンアセトニドを有効成分とする口腔用軟膏などですな。使いますよ。うん。


つまるところ、これらをネット通販で買えるようになったようです。薬剤師さんからの説明は、紙に書いたのが同封されてるのかね? まあ、どういうシステムになるのかはようわかりません。都会の人はどっちでもいいでしょうけど、田舎の人にとっては通販解禁はありがたいはずです。増大する医療費がこれから国と国民の富を圧迫するとわかってるんだから、医療に関わる余計な出費を避ける制度設計は必要でしょう。薬剤師さん達にとってちょっとマイナスかもしれませんが、製薬や薬販売関係の業界にとってはいい話しで、社会ではプラスの判決だと思います。こうやって不要で余計な既得権を削ることの方が、政府がいらんことやるよりも景気に効き目あるんじゃないかな。

薬のお話しをもう少し。
うま味の原料からタミフル…微化研など開発(読売新聞) - goo ニュース
タミフルといえばロッシュ、日本での製造輸入販売は中外製薬ですな。これは中華のスパイス八角から作られるんですが、Meiji Seika ファルマがグルタミン酸からの製造方法を開発しました。「さよならチャイナ♪」です。味の素(グルタミン酸)からロッシュの開発したタミフルを明治製菓が作るなんて、味なことやると思います。
Meiji Seika ファルマは、明治ホールディングス株式会社の傘下企業です。明治製菓って日本有数の製薬会社だって知ってました? 明治グループの事業再編(会社分割)で薬作るのをファルマに全部移した・・・というとそうでもないらしく、イソジンは製菓が作ってるらしいっすよ。どーでもいい話しですが。
学生が就職活動し始めると、「薬は製薬会社が作ってる」とか、「食品会社は食いもんしか作ってない」とかいう先入観を捨てろとまずアドバイスします。生物化学工学の業界は幅広くて混ざり合って混沌としているのだ。だから、水商売なのに不景気に強かったりするのだと。ハデさはないけど。

本日のお酒:KIRIN LAGER + 奄美黒糖焼酎 喜界島
コメント
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