滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

地盤の強さを調べます。

2009年01月11日 | 建築
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昨日は、久しぶりに確認検査機構へ構造計算の審査に行って来ました・・・。しばらく行っていなかったので、丸一日(昨日は夜8時まで・・)審査をしているとさすがに疲れてしまいました。さらに、帰りは雪が降っていてメチャクチャ寒かったです・・。(車で行けばよかったかな・・。)

という事で、画像は先日行った「SAINENJI-プロジェクト」における地盤の平板載荷試験の様子です・・。平板載荷試験は、簡単に説明しますと、直径30センチの円形載荷板に油圧ジャッキにより少しずつ荷重をかけていき、沈下量を測定する事によって、その地盤の強さを調べる試験です。

もう少しだけ具体的に言うと、設計荷重の3倍程度の荷重を最大荷重として5段階に等分割します。等分割された荷重を30分こどに5段階に分けて載荷していき、各段階で測定された荷重-沈下量の関係から地盤の極限支持力を求めます。
通常は事前に地盤調査を行うだけで、地盤の平板載荷試験まで行う事はあまりありませんが、建物の基礎直下の表層地盤の強さ(支持力)を調べるには一番有効な手段です・・。

「SAINENJI-プロジェクト」では、基礎直下の表層地盤に良い地層と悪い地層があって、事前の地盤調査だけでは判断がつきにくかったという経緯があります・・。安全を見て全ての地層(良い地層も・・)を地盤改良するという方法もあったのですが、それでは不経済な設計になってしまうので、基礎工事の前に平板載荷試験を行って地盤の支持力をハッキリさせようという目的だったワケです。

結果はというと、やはり悪い地層では設計荷重の3分の2程度の強さ(支持力)しか得られませんでした・・。逆に、良い地層では設計荷重を十分満足する支持力が得られました。これで悪い地層とその範囲がハッキリ判断できたので、悪い地層の部分だけを地盤改良することにより、安心かつ合理的な基礎工事を行うことができるようになりました・・。

地盤調査には、本格的な調査にしても簡易的なものにしても、やはり費用がかかるので以前は、こんな大事なこと(地盤調査)を省略する事も多かったようです・・。最近は、地盤調査の重要性に関する認識も高まり、広く一般の方(お施主さん)にも情報が行き渡っている事もあって、地盤調査も当たり前のように行われるようになって来ました。(これは、とてもいい傾向です・・。)

ただ専門的な立場から言えば、何でもいいから地盤調査をやればいいというワケではなく、できる事ならある程度の費用をかけて本格的な調査をしておいた方が、合理的(経済的)な基礎の設計ができるので、結果としてトータル的なコストを低く抑えられる場合が多いように思います。(簡易的な地盤調査だと結局、安全率を多く見なければならないので・・。)

ちなみに、以前に大型物件の構造設計をやっていたときなどは、事前の地盤調査(原位置調査、室内試験を含めて。)に500万円程度の費用をかけて行った経験もあります。(結果的に、安全で経済的な基礎の設計を行うことができたので、調査費用(500万円)以上のコストを削減する事ができたと思います・・・。)












コメント (6)
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